ワイルドストーム(Wildstorm)社
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「ロボテック」の記事における「ワイルドストーム(Wildstorm)社」の解説
DCコミックス社の子会社、ワイルドストーム(Wildstorm)社は、2002年に「ロボテック」の漫画の販売を始めた。 同社はジム・リーを始めとする1997年の香港返還後に大量に流入し、アメリカン・コミック界に参加した多くの中国系アーティストを積極的に採用し、ネーム (漫画)の構成力や画力に優れた作家を大量に起用し質の向上を図るとともに、漫画制作ソフトウェアによる制作のデジタル化を推し進め、英語圏以外、特に「ロボテック」の販売対象外とされている日本国での非公式のファンを獲得し、米国では完全新規の映像の新作『シャドウ・クロニクル』を製作する原動力となった。 しかし、DCコミックスの子会社に過ぎなかった同社は、アメリカ東部夏時間2010年9月21日、DCコミックス本社の西海岸のロサンゼルスへの移転にともない、子会社(いわゆる「インプリント」“imprint” レーベル)のジム・リー主宰の「ワイルドストーム(WildStorm)」 としての命脈を絶たれた。 このため、「ロボテック・シリーズ」の同社におけるグラフィックノベルの刊行は「発祥本国であるにもかかわらず、志半ばで中断」し、中華人民共和国の「シンファ・ウィンシェア」(中文 新華文軒出版伝媒、英文 Xinhua Winshare Publishing and Media Co. Ltd) で、本国未発売のままで終わった『ロボテック:侵略』(Robotech : Invasion)を含む全レーベルのグラフィックノベル化が実現することとなった。 題名邦訳例解説巻数備考From The Stars 星界から SDF-1 マクロスが進宙する前の、若き日のロイ・フォッカー(Roy Fokker)と、プロジェクト・バルキリー(YVF-1 バルキリー 開発計画)を描く一方、プロジェクト・エクスキャリヴァー(デストロイド開発計画)を何としてでも推進したい、アナトール・エリ・レオナルド(Anatole Eli Leonard)はバルキリー計画を中止させるための様々な陰謀を画策する。ほかにも、飛行曲技団(エア・サーカス)時代のリック・ハンター(Rick Hunter)や、反統合同盟空軍との戦闘、ロイ・フォッカーとクローディア・グラント(Claudia Grant)、歌手ジャン・モリス(Jan Morris)、トーマス・ライリー・エドワード大佐(Colonel T.R.Edwards) との関係も描く。また、OTMによるロボット工学 (ROBOTECHnology)の研究開発描写と、トーマス・ライリー・エドワード大佐(Colonel T.R.Edwards)のデザインが異なる。1997年の香港返還後に大量に流入し、アメリカン・コミック界に参加した多くの中国系アーティストが中心となった作画で、それ以前の漫画よりも日本的な絵柄で、作画レベルも高い[要出典]。本編全6巻と、資料本(“Source Book”) 全1巻が出版され、のちにグラフィックノベル版が出版された。 全6巻 グラフィックノベル版あり。 "Source Book" 資料本 From The Stars に登場する、YVF-1、YF-1R、VF-4 ライトニング(「ロボテック」版)、試作型 FAST パック、VF-X6 ジニーア(Genia)などの各種機体や、トミー・ユン(Tommy Yune)による艦長制服のリサ・ハイエス(Lisa Hayes)の描き下ろしスケッチ、各種漫画やイラスト・アーティストによる競作画集を備えた資料本。この本の資料や画集の大半(一部収録漏れあり)は、From The Stars のグラフィックノベル版巻末附録にて収録されている。 全1巻 グラフィックノベル版巻末にも収録あり。 Love & War 愛と戦争 インビッド(Invid)に敗北した地球からジョナサン・ウルフ(Jonathan Wolfe)大佐の用意した、マラソン(Marathon)級 遠距離高速輸送艦に乗船しての緊急撤退前、ダーナ(Dana)はボゥイ(Bowie)に父母の昔の話を始める。SDF-1 マクロスの進宙前にマクロス島にいたころのマクシミリアン・スターリング(Maximilian Sterlings)とベン・ディクソン(Ben Dixon)の友情、マックスとミリヤ・パリナ(Miriya Parina)の馴れ初めなどを描く。リン・ミンメイ(Linn Minmei)の女優デビュー映画についてのコンパニオン・ストーリーである「小白龍」(Little White Dragon)を含む。グラフィックノベル版は2010年12月14日に発売。 全6巻 グラフィックノベル版は、2010年12月14日発売。 Invasion 侵略 若き日のランサー・ベルモント(Lancer Belmont)の第10火星分遣師団(The 10th. Mars Division)での第一次奪還軍の地球降下作戦を詳しく描き、カーラ・モラール(Carla Morale)との関係を広げる。直属の上司だったオリビア・スタール(Olivia Stahl)元少佐との再会と、カーラ(Carla)との三角関係、さらに元少佐が仲間を人体実験材料としてインビッド側へ売り渡していたという裏切り、レジスタンス運動によるインビッドの巣(Hive)のひとつの破壊までを描く。XboxやPlayStation 2のゲームの物語構成の漫画化ではないが、Robotech 遠征軍艦隊の第一次地球奪還降下作戦による最初の地球解放の試みを描き、スコット・バーナード(Scott Bernard)の導入部描写と、彼の所属する第21火星分遣師団(The 21st. Mars Division)の誕生で終る。コンパニオン・ストーリー「第1号火星基地」(Mars Base 1)では、リサ・ハイエス(Lisa Hayes)の初恋の人カール・ライバー(Karl Riber)の地球でのリサとの逢瀬と火星基地での勤務とその最期を詳しく描く。オリジナルの『モスピーダ』でキャラクターデザインを担当した天野嘉孝と、トミー・ユン(Tommy Yune)による各々の巻の2種類の表紙絵を持つことが最大の特徴。 全6巻 新華文軒出版伝媒(中文)のみグラフィックノベル版あり。 Prelude to the Shadow Chronicles シャドウ・クロニクルへの序曲 ウォルトリップ兄弟が執筆。『ロボテック II:センチネルズ』のジャック・マッキーニ(Jack McKinney)による小説版や、同兄弟による漫画版等、「二次的連続性」作品と公式設定で定義された派生作品の多くの要素を取り上げている。厳密に言えば、ウォルトリップ兄弟が以前描いた『ロボテック II:センチネルズ』の漫画との連続性はない。後付け設定で公式の新しい連続性に合わせ、アニメ版『ロボテック:シャドウ・クロニクル』への導入部としている。またリック・ハンター提督や、リサ・ハイエス(Lisa Hayes)・SDF-3 パイオニア(Pioneer)艦長(艦隊司令官でもある)、ダーナ・スターリング(Dana Sterling)少佐など、旧シリーズの人物たちも登場。アニメ本編でのリック・ハンターの顎(あご)の傷は、この漫画シリーズのなかで描写される戦闘で負傷した事実が判明する。2010年6月1日にグラフィックノベル版が発売された。 全6巻 グラフィックノベル版あり。
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