懲戒処分
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/16 18:29 UTC 版)
懲戒処分情報の扱い
- 国家公務員における公表
国家公務員に対する戒告以上の懲戒処分は平成15年に制定された「懲戒処分の公表指針」に基づき原則公開となるため、組織名・職名等が公表される[19]。(ただし、例外として、「被害者又はその関係者のプライバシー等の権利利益を侵害するおそれがある場合等」の、公表が「適当でないと認められる場合」は、「公表内容の一部又は全部を公表しないことも差し支えない」とされている[20]。)
諭旨免職(「依願退職」「自己都合退職」)は法律に定められた処分ではないので、記載の必要は無く、処分した側の記録にも残らない。(また、通常、退職金や年金等も支払われる。)
- 履歴書
法律の規定によってなされた懲戒処分について、「懲戒処分は、法律で定められた処分であるから、事務手続きが必要であり、処分の履歴として残る。従って、懲戒処分を受けたことのある者は、履歴書の賞罰欄に、その旨を記載しなければならない」との意見がある。だが、これは誤りだとする見解もある。「『前科及び犯罪経歴は人の名誉・信用に直接かかわる事項であり、前科等のある者もこれをみだりに公開されないという法律上の保護に値する利益を有する』と判示した最高裁判決[要検証 ][21]がある。「自ら過去の前科等を開示することを強制されないということをも含むことは当然である」とする意見もある。
ただし、履歴書には、何年に某組織(法人)を「退職」した、等の記載は必要である。(公職選挙の候補者がこれを隠蔽すれば公職選挙法違反となりうる)。
注釈
- ^ なお、これらの法律による規定がなされる前は、文官懲戒令(明治32年勅令第63号)(後に「官吏懲戒令」と改称)により懲戒処分が定められていた。
- ^ 国家公務員法第85条(刑事裁判との関係)
- ^ 公平審査という用語は、懲戒処分、分限処分に対する審査請求のほか、勤務条件に関する行政措置の要求、災害補償の実施に関する審査の申立て等及び給与の決定に関する審査の申立ての総称である[10]。なお法的には「請求」「要求」又は「申立て」であって、「申し出」ではない。
- ^ 防衛装備庁の職員である隊員の場合は、自衛隊法第48条の2の規定に基づく。防衛装備庁の職員以外の場合は、行政不服審査法の規定により処分庁の主任の大臣が防衛大臣になる。
- ^ 人事院規則一三―一(不利益処分についての審査請求)第19条の規定により設置される。
出典
- ^ 『懲戒処分』 - コトバンク
- ^ “女性教諭、生徒から告白され交際・キスも戒告処分…保護者は寛大な処分要求したため(読売新聞オンライン)” (日本語). Yahoo!ニュース. 2021年10月23日閲覧。 “教諭は生徒の保護者に交際の事実を伝え、理解を得ていたという。保護者は県教委に対し、教諭への寛大な処分を求める意見書を提出。県教委は意見書を考慮したうえで、処分内容を判断したとしている。”
- ^ “教え子の女子生徒からキスされた高校の35歳男性教師 3ヶ月停職の懲戒処分受け依願退職「相談に乗るうちに好意を…」 | 東海テレビNEWS” (日本語). www.tokai-tv.com. 2021年10月23日閲覧。
- ^ “車内の進路相談で突然、高3女子が教諭の頬にキス…その後も2回同じ状況に : 社会 : ニュース” (日本語). 読売新聞オンライン (2021年7月10日). 2021年10月23日閲覧。 “三重県教育委員会は8日、女子生徒と不適切な関係があったとして、県立高校の男性教諭(35)を停職3か月の懲戒処分にしたと発表した。教諭は8日付で退職した。”
- ^ “懲戒処分を受けるとどうなる? 処分の種類や基準をくわしく解説!” (日本語). マイナビニュース (2021年7月24日). 2021年10月23日閲覧。
- ^ “従業員の採用と退職に関する実態調査―労働契約をめぐる実態に関する調査(Ⅰ)―”. 国内労働情報. 14-03 (独立行政法人労働政策研究・研修機構). (2014-03-20) .
- ^ 高橋裕次郎 2002, p. 165
- ^ 菅野和夫 1996, p. 82
- ^ 期末手当及び勤勉手当の支給について(人事院事務総長発 昭和38年12月20日給実甲第220号)第35項-第37項
- ^ “国家公務員の公平審査制度”. 人事院 2020年9月23日閲覧。
- ^ 国家公務員法第99条第1項
- ^ 外務公務員法第20条第5項
- ^ 外務公務員法第19条第1項
- ^ 自衛隊法第49条第4項
- ^ 国家公務員法第92条の2、自衛隊法第50条の2、地方公務員法第51条の2
- ^ 最高裁判所第三小法廷昭和52年12月20日判決・事件名:行政処分無効確認等、附帯(通称 神戸税関職員懲戒免職)
- ^ “行政書士及び行政書士法人の措置請求事務取扱要綱 (pdf)”. 新潟県. 2021年8月4日閲覧。
- ^ a b “士業団体による会員の処分比較表 (pdf)”. 特許庁ウェブサイト. 2021年7月26日閲覧。
- ^ 懲戒処分の公表指針について(平成15年11月10日総参-786 人事院事務総長発)
- ^ 「懲戒処分の公表指針について」(平成15年11月10日総参-786 人事院事務総長発)の「3 公表の例外」参照
- ^ 最高裁判所第三小法廷 昭和52(オ)323 損害賠償等 昭和56年4月14日 判決 棄却 民集35巻3号620頁
懲戒処分と同じ種類の言葉
- 懲戒処分のページへのリンク