懲戒処分
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/16 18:29 UTC 版)
士業に対する懲戒処分
士業には、それぞれの根拠法に基づきそれぞれの懲戒権者による懲戒が規定されている。
また、第三者が懲戒手続の開始を申し立てることができるとされていることが多く、このような申立てを懲戒請求という。司法書士、行政書士等一部の士業に対する懲戒請求は、根拠法が「措置をとることを求める」と規定しているため「措置請求」と呼ばれることもある(例として、新潟県行政書士及び行政書士法人の措置請求事務取扱要綱第2条第1項[17])。
弁護士の懲戒処分
- 弁護士
- 外国法事務弁護士
税理士の懲戒処分
司法書士の懲戒処分
司法書士法上の懲戒処分
- 懲戒事由
司法書士が司法書士法または同法に基づく命令に違反したこと(司法書士法第47条柱書)。
- 懲戒処分の種類
- 戒告
- 二年以内の業務の停止
- 業務の禁止
- 懲戒請求(措置請求)
何人も、司法書士または司法書士法人に、司法書士法または同法に基づく命令に違反する事実があると思料するときは、法務大臣に対し、当該事実を通知し、適当な措置をとることを求めることができる(司法書士法第49条第1項)。
所属司法書士会による懲戒処分
各司法書士が所属する単位司法書士会においても内規による懲戒処分が規定されている。その懲戒事由および懲戒の種類は各単位会に委ねられている[18]。
行政書士の懲戒処分
行政書士法上の懲戒処分
- 懲戒事由
行政書士法、同法に基づく命令、規則その他都道府県知事の処分に違反したときまたは行政書士たるにふさわしくない重大な非行があったこと(行政書士法第14条柱書)。
- 懲戒処分の種類
- 戒告
- 二年以内の業務の停止
- 業務の禁止
- 懲戒請求(措置請求)
何人も、行政書士または行政書士法人について懲戒事由があると思料するときは、当該行政書士又は当該行政書士法人の事務所の所在地を管轄する都道府県知事に対し、当該事実を通知し、適当な措置をとることを求めることができる(行政書士法第14条の3第1項)。
所属行政書士会による懲戒処分
各行政書士が所属する単位行政書士会においても内規による懲戒処分が規定されている。その懲戒事由および懲戒の種類は各単位会に委ねられている[18]。
注釈
- ^ なお、これらの法律による規定がなされる前は、文官懲戒令(明治32年勅令第63号)(後に「官吏懲戒令」と改称)により懲戒処分が定められていた。
- ^ 国家公務員法第85条(刑事裁判との関係)
- ^ 公平審査という用語は、懲戒処分、分限処分に対する審査請求のほか、勤務条件に関する行政措置の要求、災害補償の実施に関する審査の申立て等及び給与の決定に関する審査の申立ての総称である[10]。なお法的には「請求」「要求」又は「申立て」であって、「申し出」ではない。
- ^ 防衛装備庁の職員である隊員の場合は、自衛隊法第48条の2の規定に基づく。防衛装備庁の職員以外の場合は、行政不服審査法の規定により処分庁の主任の大臣が防衛大臣になる。
- ^ 人事院規則一三―一(不利益処分についての審査請求)第19条の規定により設置される。
出典
- ^ 『懲戒処分』 - コトバンク
- ^ “女性教諭、生徒から告白され交際・キスも戒告処分…保護者は寛大な処分要求したため(読売新聞オンライン)” (日本語). Yahoo!ニュース. 2021年10月23日閲覧。 “教諭は生徒の保護者に交際の事実を伝え、理解を得ていたという。保護者は県教委に対し、教諭への寛大な処分を求める意見書を提出。県教委は意見書を考慮したうえで、処分内容を判断したとしている。”
- ^ “教え子の女子生徒からキスされた高校の35歳男性教師 3ヶ月停職の懲戒処分受け依願退職「相談に乗るうちに好意を…」 | 東海テレビNEWS” (日本語). www.tokai-tv.com. 2021年10月23日閲覧。
- ^ “車内の進路相談で突然、高3女子が教諭の頬にキス…その後も2回同じ状況に : 社会 : ニュース” (日本語). 読売新聞オンライン (2021年7月10日). 2021年10月23日閲覧。 “三重県教育委員会は8日、女子生徒と不適切な関係があったとして、県立高校の男性教諭(35)を停職3か月の懲戒処分にしたと発表した。教諭は8日付で退職した。”
- ^ “懲戒処分を受けるとどうなる? 処分の種類や基準をくわしく解説!” (日本語). マイナビニュース (2021年7月24日). 2021年10月23日閲覧。
- ^ “従業員の採用と退職に関する実態調査―労働契約をめぐる実態に関する調査(Ⅰ)―”. 国内労働情報. 14-03 (独立行政法人労働政策研究・研修機構). (2014-03-20) .
- ^ 高橋裕次郎 2002, p. 165
- ^ 菅野和夫 1996, p. 82
- ^ 期末手当及び勤勉手当の支給について(人事院事務総長発 昭和38年12月20日給実甲第220号)第35項-第37項
- ^ “国家公務員の公平審査制度”. 人事院 2020年9月23日閲覧。
- ^ 国家公務員法第99条第1項
- ^ 外務公務員法第20条第5項
- ^ 外務公務員法第19条第1項
- ^ 自衛隊法第49条第4項
- ^ 国家公務員法第92条の2、自衛隊法第50条の2、地方公務員法第51条の2
- ^ 最高裁判所第三小法廷昭和52年12月20日判決・事件名:行政処分無効確認等、附帯(通称 神戸税関職員懲戒免職)
- ^ “行政書士及び行政書士法人の措置請求事務取扱要綱 (pdf)”. 新潟県. 2021年8月4日閲覧。
- ^ a b “士業団体による会員の処分比較表 (pdf)”. 特許庁ウェブサイト. 2021年7月26日閲覧。
- ^ 懲戒処分の公表指針について(平成15年11月10日総参-786 人事院事務総長発)
- ^ 「懲戒処分の公表指針について」(平成15年11月10日総参-786 人事院事務総長発)の「3 公表の例外」参照
- ^ 最高裁判所第三小法廷 昭和52(オ)323 損害賠償等 昭和56年4月14日 判決 棄却 民集35巻3号620頁
懲戒処分と同じ種類の言葉
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