調査兵団
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「進撃の巨人の登場人物」の記事における「調査兵団」の解説
エルヴィン・スミス (Erwin Smith) 声 - 小野大輔 調査兵団第13代団長。身長188cm。体重92kg。10月14日生まれ。 冷静かつ聡明な性格。一見穏やかな物腰だがその行動原理は人類の前進のためであり、目的のためには手段を択ばない覚悟と非情さを備えている。柔軟な思考と大胆な決断力を併せ持ち、その高い統率力から配下たちには深く信頼されている。 5年前は団長ではなく、壁外調査で第12代団長のキースの指揮に従い戦う姿が描かれている。後に「長距離索敵陣形」を考案し、調査兵団の生存率を大幅に向上させた。 危険視されているエレンを調査兵団に迎え、巨人化能力者を持ったスパイの炙り出しや、鎧の巨人にさらわれたエレンの救出作戦、フリッツ王政の打倒などの絶望的な作戦を立案、指揮し、多くの犠牲を払いながらも成功させていく。 その原動力となっているのは、少年時代のエルヴィンが教師であった父に対して人類の歴史に対する疑問を投げかけたことで、結果的にそれが原因で父が憲兵団によって秘密裏に暗殺されたという過去であった。この事件をきっかけにエルヴィンは外の世界への興味を強めていくこととなる。 ウォール・マリア最終奪還作戦では、リヴァイの反対を押し切り、右腕を失いながらも作戦に参加。「獣の巨人」の投石攻撃で壊滅状態に陥った調査兵団を奮い立たせ、囮として自ら先陣を切って特攻を仕掛けるが、腹部に投石を受け致命傷を負ってしまう。その後、巨人化薬で負傷を治療するべく生き残りのフロックに抱えられてリヴァイたちのもとに連れて行かれるが、混濁した意識の中で少年時代に戻ったエルヴィンを見たリヴァイの「地獄から解放させてやりたい」という判断によって薬はアルミンに使用され、エルヴィンはそのまま静かに息を引き取った。 同期の友人であるナイル・ドークの妻・マリーに憧れていた。ナイルからは惚れた女性より巨人(と戦うこと)を選んだと指摘されている。 創作上のモデルは『ウォッチメン』(原作版)のオジマンディアスである。 リヴァイ / リヴァイ・アッカーマン (Levi / Levi Ackerman) 声 - 神谷浩史 調査兵団の兵士長。身長160cm。体重65kg。12月25日生まれ。 1個旅団(約4000人)並みの戦力を持つとも噂される「人類最強の兵士」。三白眼と刈り上げた髪型(ツーブロック)が特徴的で小柄な体格である。ブレードを逆手に持ち、回転しながら巨人の肉を切り刻む戦闘スタイルを好む。性格は冷静かつ無愛想で言動も粗暴である。神経質で潔癖症だが部下の最期を看取る際には汚れることをためらわずに手を握るなどの仲間想いな面もある。エレンを自らが率いる特別作戦班の所属とし、上官兼監視役を引き受ける。第57回壁外調査時に女型の巨人との戦闘で自身とエレン以外は戦死したため、自班の要員を104期生で再編した。 長らく姓が不明のままであったが旧知の間柄であるケニーから姓が明かされ、本名は「リヴァイ・アッカーマン」であることが判明した。ケニーの死に際に母クシェルはケニーの妹であることを知る。 ウォール・マリア最終奪還作戦では、圧倒的に不利な状況下からエルヴィンに必ず「獣の巨人」を討伐する約束をし、彼らの犠牲のもと起死回生の奇襲を成功させるがあと一歩のところで「車力の巨人」にジークを奪われる。その後は、死亡したエルヴィンとの約束を果たすべくジークの殺害に執着する。 4年後のマーレ編においても兵士長としてレベリオ区での襲撃に参加し、ジークを生け捕りにした。パラディ島帰還後は「地鳴らし」の鍵を握るジークの監視を行っていたが、ジークの決死の自爆に巻き込まれ、再起不能に近いほどの重傷を負う。「地鳴らし」発動後は、満身創痍の状態ながらジークとともにあるエレンを仲間たちと共に追跡。死闘の末に悲願であったジークの討伐をその手で果たし、死んでいった仲間たちの幻影に勝利を捧げた。その後、エレンの死によって全ての巨人化能力が消滅し、戦いが終わったあとは車椅子に乗り、余生を過ごした。 外伝作品『悔いなき選択』では王都の地下街で暴れるゴロツキでファーラン、イザベルと共に盗んだ立体機動装置を使って窃盗団をしていた過去が明かされた。当時、分隊長だったエルヴィンに取引を持ち掛けられ、調査兵団に入団。エルヴィンに対して当初は敵対心を抱いており、隙あらば殺そうと考えていた。初の壁外調査では奇行種を難なく討伐するも自身の選択ミスにより仲間を死なせてしまう。怒りの余りエルヴィンを殺害しようとするが説得されて改めて調査兵団で戦うことを決意する。 モデルは『ウォッチメン』(映画版)のロールシャッハで名前の由来は『ジーザス・キャンプ〜アメリカを動かすキリスト教原理主義〜』に登場するリヴァイ少年。実写映画版には登場せず、代わりにシキシマが設定された。年齢は30歳よりは上とのこと。好物は紅茶である。カップを持つ時に取っ手の反対側から手を回して縁を上から掴んで持つ癖があり、原作者のインタビューで「幼少期にやっとの思いで手に入れたティーカップの取っ手を持ったところ、取っ手が外れてカップが割れてしまったため」と語られている。 ハンジ・ゾエ (Hanji Zoe) 声 - 朴璐美 演 - 石原さとみ 調査兵団第四分隊長→調査兵団第14代団長。身長170cm。体重60kg。9月5日生まれ。サシャと共に、本作品におけるコミックリリーフ役を務める。 茶髪にポニーテールの中性的な外見をしており、任務中はゴーグルを平時では眼鏡をかけている。優れた頭脳と戦闘力を持ち、団長であるエルヴィンの参謀として主に巨人の生体調査と計略方面で活躍する。かつては仲間を殺された憎しみを糧に巨人と戦っていたがささいなきっかけから巨人の体に疑問を抱くようになり、「巨人の研究」という方法で巨人と戦う道を選んだ。一見明るく親しみやすい人物だが、調査兵団内では「怖いもの知らずの変人」と目されており、巨人に対しては愛情に近い感情を抱いている。エレンの加入後は巨人化能力の研究やエルヴィン不在時の調査兵団の指揮を担当し、エルヴィン亡き後は次期調査兵団団長になるよう彼自身から任命された。 憲兵団が秘匿していた技術を得たことで鎧の巨人に対して有効な新兵器「雷槍」を開発し、調査兵団に配備。ウォール・マリア最終奪還作戦では、超大型巨人の爆風で負傷するも鎧の巨人の撃退に貢献し、戦死したエルヴィンの後を継いで調査兵団団長に就任した。また、この戦いで自身の左目を負傷したことで、以後は眼帯をつけるようになっている。 4年後のマーレ編においても調査兵団団長として登場。調査兵団の指揮や諸外国との応対を行っている。パラディ島を守るには「地鳴らし」が必要であることは理解している一方で、壁外の人間の大量虐殺は避けたいという心情の板挟みになり、苦悩していた。最終的には「地鳴らし」の発動を許すも、エレンを止めるためにマガト・車力の巨人と合流し手を組む。その後、仲間たちを載せた飛行機を飛ばす時間を稼ぐために、一人特攻することを決意。アルミンを第15代調査兵団団長に指名した後、リヴァイから「心臓を捧げよ」と激励を受けて、大量の超大型巨人相手に孤軍奮闘し、壮絶な戦死を遂げた。 アニメ版では出番が増え、1話ではエルヴィンと共にキースの指揮に従い戦っている。9話では上記の特別編、「リヴァイ兵士長」にあたるエピソードが挿入されると共に、原作では描かれなかった戦闘シーンが追加されており、単身で巨人を仕留める実力を見せた。OAD版「イルゼの手帳」でも追加のエピソードが挿入された。 当初はハンジの性別に関して作者は「性別は明言しない方がよさそうだ」と曖昧にしており、担当者バックも「前に諫山さんに聞いたが、どっちでも大丈夫みたい」と答えていた。一方で「アニメ・実写では女性になった」、「一応女性のつもりではあるが、あえて男性とも見れなくもない感じ」とも語られており、アニメ版では明らかにバストの盛り上がりが確認できるものの、性別については明確にはされていない。連載最初期の「イルゼの手帳」では女性口調であったり、5巻の嘘予告ではスカートを履いた姿が描かれている。実写映画版では原作とは違い、壁の穴を塞ぐ作戦に参加した。 ミケ・ザカリアス (Mike Zacharias) 声 - 三宅健太 調査兵団分隊長。口と顎に髭を蓄えた男性兵士。身長196cm。体重102kg。 寡黙で初対面の人間の匂いを嗅いでは鼻で笑うといった変わった癖を持つ。その嗅覚は並外れて鋭く、巨人の存在も臭いで知ることができる。対巨人での実力は非常に高く、調査兵団内でリヴァイに次ぐ実力者であり団長のエルヴィンからの信頼も厚い。5年前から生き残っている古参の精鋭であり、第57回壁外調査では信頼のおけるメンバーとしてエルヴィンと共に行動し、リヴァイとともに女型の巨人のうなじに攻撃を仕掛けている。 ストヘス区の戦いには加わらず、ナナバ・ゲルガーらと兵団内104期兵を軟禁する任務に就き、壁内に出現した巨人たちから配下の調査兵団を逃がすため単独で囮となる。周囲にほとんど建物や木などの障害物がない不利な環境であるにもかかわらず、一人で9体の巨人を同時に相手取り5体を討伐、なおも余力を残すほどの戦闘力を発揮するが、獣の巨人によって投擲された馬を避けた際に待ち伏せていた小型の巨人の攻撃を受け負傷、さらに獣の巨人に立体機動装置を奪い取られる。絶望的な状況の中でなお自分を奮い立たせ、最期まで勇敢に戦おうとするも、獣の巨人の命令で待機していた3体の巨人に襲われて絶望、壮絶な断末魔の悲鳴を上げながら全身を貪り食われ惨死した。 モーゼス・ブラウン (Moses Braun) 声 - 増元拓也 調査兵団所属の兵士。 845年の巨人侵攻前の壁外調査に参加していたが戦死。作中では現れた巨人に最初に斬りかかろうとしていた。調査兵団が帰還した時に彼の母親の元には彼の右腕しか返ってこなかった。 なお、原作では「ブラウン」と呼ばれていたが、実はブラウンは苗字であり、母親は名前を言わなければならないのに苗字を呼んでしまったという作者のミスであることが、担当者より明かされた。そのため、アニメ版では「モーゼス」と修正されている。 ディータ・ネス (Dita Ness) 声 - 坂口候一 調査兵団所属の兵士。バンダナと口ひげが特徴の男性。 第57回壁外調査の次列四・伝達班(アルミンの所属班)班長。「シャレット」という名前の愛馬がいる。 新兵の教育も担当する部下思いの性格。立体機動装置の能力が発揮できない平地でも部下のシスとの連携で巨人を倒すことが出来る実力を持つ。突如現れた女型の巨人と交戦するが、自身のワイヤーを掴まれた後、地面に叩きつけられ戦死する。 アニメ版では、自身の愛馬が人の髪を毟る癖があると説明している。新しく入団した104期メンバーに自己紹介している時に愛馬にバンダナをくわえられた際、頭が禿げていることが判明する。 ルーク・シス (Luke Siss) 声 - 北田理道 調査兵団所属の兵士。ネスの部下。 ネスと共に女型の巨人を討とうと斬りかかるが、握り潰されて戦死する。 ダリウス・ベーア=ヴァルブルン (Darius Baer-Varbrun) 声 - 高瀬右光 調査兵団所属の兵士。 調査兵団の勧誘式にて、調査兵団の高い死亡率を明かすエルヴィンに対し必要以上に脅しすぎだと進言する。 第57回壁外調査出発時の号令を行う他、右翼班の伝達役を担当。行軍中に女型の巨人と遭遇し兵士3人に討伐の指示を出すが返り討ちにされ、女型の巨人の危険性を察知し報告のために戦線離脱しようと試みるが、馬ごと蹴り上げられて戦死した。 ナナバ (Nanaba) 声 - 下田麻美 調査兵団所属の兵士。身長172cm。体重59kg。 第57回壁外調査での「女型の巨人」捕獲作戦では巨大樹の森前にて巨人侵入阻止を担当。5年前から歴戦しているベテランの一人。 ウォール・ローゼ内巨人侵入時には状況に絶望しかけるもミケの叱責により士気を取り戻し西班を率いて壁を巡回。ゲルガーら南班と合流後にウトガルド城跡で休息中、突如現れた巨人たちと交戦する。仲間との連携で巨人を次々と倒すが、獣の巨人の投石によりリーネとヘニングが戦死し、さらに多数の巨人の襲撃という状況に追い込まれる。補給のない消耗戦を強いられる中でなお戦い続け、多くの巨人を屠るも負傷したゲルガーを助けたことで刃とガスを使い切ってしまい、立体機動装置が使えない中で巨人に捕食され戦死した。 トーマ (Thomas) 声 - 竹内良太 調査兵団所属の兵士。身長175cm。体重61kg。 ウォール・ローゼ内巨人侵入時にミケの指示で各地に巨人侵攻を伝達しに早馬を駆け回る。馬術に優れており、早馬を走らせると右に出る者はいないらしい。その後の消息は不明。 ゲルガー (Gelgar) 声 - 加瀬康之 調査兵団所属の兵士。リーゼント風の髪型が特徴。 ウォール・ローゼ内巨人侵入時に、壁の破壊箇所特定の任を負う南班をミケより任される。酒好きの豪放な性格で立体機動も荒っぽいが、平時では冷静な判断もできる人物。 ナナバら西班と合流後にウトガルド城跡で休息中、突如現れた巨人たちと交戦。多数の巨人を屠るも死闘の末に力尽き、最期に酒瓶を手にするが飲むことは叶わず、泣き叫びながら巨人に捕食された。このとき手にした酒瓶はクリスタがライナーの手当てのために使用したため中身が空だった。 リーネ (Lynne)、ヘニング (Henning) 声 - 清水理沙(リーネ)、中川慶一(ヘニング) 調査兵団所属の兵士。リーネはポニーテールの女性兵士で、ヘニングは短髪の男性兵士。 ウォール・ローゼ内巨人侵入時に壁の破壊箇所特定の任を負う。ウトガルド城跡で休息中、突如現れた巨人たちと交戦。ゲルガー、ナナバと共に多数の巨人を屠るも、獣の巨人が投げつけてきた壁の破片の直撃を受け即死した。 クラース (Klaas)、ディルク (Dirk)、マレーネ (Marlene) 声 - 奈良徹(クラース)、間宮康弘(ディルク)、遠藤沙季(現:遠藤さき)(マレーネ) 調査兵団所属の兵士。 ウォール・マリア最終奪還作戦では各自班長を務め、ウォール・マリア内に出現した巨人たちと交戦する。しかし、獣の巨人の投石を受けて戦死する。 イルゼ・ラングナー (Ilse Langnar) 声 - 國立幸 第34回壁外調査に参加した調査兵団の女性兵士。『週マガ』に掲載された特別編「イルゼの手帳」に登場し、主人公格として描かれている。 所属班が壊滅し、馬も装備もない状態で巨人と遭遇するが、その巨人が意味のある言葉を発し、服従の姿勢を見せたため手記への記録と対話を試みる。しかし次第に巨人への恨みから感情を抑えきれなくなり、罵声を浴びせたところでその巨人が突如興奮、逃走をはかるも捕まり捕食され、死亡した。 彼女が遭遇した巨人についての手記を遺した手帳は、1年後にリヴァイによって回収され、その記録は彼女の「戦果」として調査兵団に貴重な情報をもたらした。 OVA版「イルゼの手帳」では、その巨人は彼女の頭部を捕食した後、遺体を「埋葬」するかのように木の中に埋めている。彼女の遺品は、ハンジによって遺族の元に送られた。 ロボフ (Lobov) 声 - 藤原貴弘 元駐屯兵団の師団長。 新兵として調査兵団に入団し、マーレでの戦闘に参加した。撤退の際に殿を務めたが、離脱直前にガビの銃撃を受けて死亡し、自身の立体機動装置を飛行船潜入に利用される。 ルイーゼ (Luise) 声 - 永井真里子 マーレ編で登場する新兵。 実はトロスト区防衛戦において、母親と共に巨人に襲われそうになった際、ミカサに助けられた少女。巨人を倒したミカサの姿を見て以来、力が無ければ何も守れないと考えるようになり、マーレ編では新兵として調査兵団に入団している。マーレでの戦闘後、「イェーガー派」に加わり、エレン拘束の情報を民衆に流出させたとして、ミカサに連れられ牢に入れられた。その後、フロックたちとともに脱獄してエレンと合流し、兵団の制圧に参加する。 マーレ軍のパラディ島奇襲では、再び憧れのミカサとともに戦えることを光栄に思いながらマーレ軍と交戦。その戦いで雷槍の破片が腹部に当たって負傷。手当てを受けるが、もう破片が取り出せないため長く生きられないことを悟り、エレンが創る自由な世界を見れないことを残念がった。戦う前にミカサが置いていったマフラーをこっそり持ち出して着用しており、それを探しに訪れたミカサにとり返された。 ホルガー (Holger)、ヴィム (Wim) マーレ編で登場する新兵。 「イェーガー派」に加わり、フロック、ルイーゼと共にエレン拘束の情報流出に関与したとして拘束された。 バリス (Burris) 声 - 田邊幸輔 調査兵団所属の兵士。 巨大樹の森にて、リヴァイと共にジークを監視していた。30人体制でジークを見張っていたが、差し入れとして持ち込まれたワインに含まれていたジークの脊髄液を摂取していたため、ジークが「叫び」を発動させた際にリヴァイ以外は巨人化してしまう。ジークの命令を受け襲い来る巨人のうちの1体に、リヴァイは彼の面影を見ている。巨人化した兵士たちは、リヴァイの手によって1体を除き全滅した。
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