精選案に対する賛否とは? わかりやすく解説

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精選案に対する賛否

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/27 01:22 UTC 版)

高大連携歴史教育研究会」の記事における「精選案に対する賛否」の解説

高大連携歴史教育研究会提言した精選案では、現在の教科書基礎用語は「多すぎる」として、現在の世界史約3300語、日本史3600語から各1600語まで削るべきだとして、「坂本龍馬」「吉田松陰」「武田信玄」「楠木正成」は削除すべきとする一方、「従軍慰安婦」「南京大虐殺」を採用しており、精選案の半数近く占め近現代用語には、教科書検定意見が付くものが多数含まれていることから「特定の見方押しつけられることのないよう留意すべき」と用語の選定基準政治的恣意性を『読売新聞』や『産経新聞』から批判されており、さらに現在の日本史B』9点のうち、山川出版社2点東京書籍1点の上3点で約8割を占め、この3点を含む計6点が「南京事件」と表記しており、「南京事件」に比べ日本軍残虐性強調する南京大虐殺」は実教出版2点山川出版社1点採用しているが、シェアは約1割にとどまり、「従軍慰安婦」は、『日本史B』のシェア上位3点は「いわゆる従軍慰安婦」「慰安婦」と表記実教出版2点も「慰安婦」と表記するなど近年強制性を弱める書きぶり変わっているが、精選案は「慰安婦」「南京事件ではなく、わざわざ「従軍慰安婦」「南京大虐殺」としていることから政治的恣意性指摘する意見もある。 高大連携歴史教育研究会提言した精選案に対する「戦国時代活躍した上杉謙信』や『武田信玄』が消され明治維新では『吉田松陰』や『坂本龍馬』が外されているようですね。その一方で最近教科書からは消えつつあるはずの『従軍慰安婦』などが取り上げられています。なんだかバランス欠け提案だと思いました」「あれだけ異説がある南京事件取り上げているんですか。しかも『大虐殺』というオーバー表記まで使って吉田松陰坂本龍馬削除しているのに……。あきれますね」という質問に対して占部賢志は「かいつまんで言えばこういうことです。昭和戦前期は『日本』ではない。あれは『大日本帝国』という、現代とは違う悪玉国家時代である。その悪玉がどんなことをして滅びたかを学習するのがこの単元だというように、まずは前提となる枠組み決めるんですね」「要するに、戦前は今の我々の『日本』とは国が違うのだと思わせることで、戦前あしざまに言う立場設けるわけです。だから、中韓両国歪曲され言い分取り入れたり異論の多い説を採用しても心は痛まない。そんな仕掛けになっているんじゃないですか」と回答している。また、自衛隊発足など吉田茂内閣戦前戦中への逆戻り非難した革新派左派が、反対運動用いた逆コース」「基地反対闘争」などの概念用語多く占部賢志は「概念用語一つ見方示されると、それに合う用語が選ばれ歴史見方ゆがめる恐れがある教科書事実詳細に記述しなければ特定の思想入り込む余地生じる。大事なのは生徒興味引き出教え方ができるかだ」と批判している。 高大連携歴史教育研究会提言した精選案について、伊藤隆は「歴史考え上で人物不在歴史ありえない」「抽象的な概念用語多く分かりづらい。『戦時性暴力』という用語は日本軍加害性を強調したいのだろうが、旧ソ連軍による満洲での日本人婦女子への暴力無視できないはず。日本近代史では日本悪玉にする特定史観印象を受ける」と批判している。 高大連携歴史教育研究会提言した精選案について、2018年1月下旬行われた自民党会合では、所属議員から「今後国際社会生きていく子供たちに、国内外歴史上著名な人物教えなくてもいいのか」という異論が相次ぎ林芳正文部科学大臣は「生徒歴史豊かに学べるよう、歴史用語削減する規定設けていない」との談話発表している。また、研究者からは「日本史用語」と「世界史用語」での用語の不統一指摘されており、「日本史用語」では「南京大虐殺」と表記しているが、「世界史用語」では「南京事件」と表記しており、「日本史用語」では「日中15年戦争」と表記しているが、「世界史用語」では「日中戦争」と表記している。さらに「日本史用語」では「(豊臣秀吉による)朝鮮侵略」と表記しているが、「世界使用語」では「(豊臣秀吉による)朝鮮侵攻」と表記している。 高大連携歴史教育研究会提言した精選案について、鈴木正弘は、一応の基準しきもの示してはいるが、個々用語について見ると、採択か、不採択か、理由はっきりせず、「精選」の名に値するような選び方をしているのだろうか、との疑念感じるとして、精選案は、「新しい」歴史見方捉え方の「キーワード」を加えており、「改め確認するほどのことではないと思ったが『精選の意味確認すると、『えりぬく』ことであるという。加えてしまっては『精選』ではない。つまり『精選』というのは偽り言わざるを得ない」と批判している。また「高大連携歴史教育研究会」は、精選案についてアンケート調査実施したが、鈴木正弘は「個別精選基準明示せずアンケート実施すること自体問題がある。もっと議論重ねるべきなのに、基本的な情報秘したアンケート何の意味も見いだし得ない考えないところに根深い問題がある」「今回アンケート自己の正当化のために利用としているように見える」と批判している。 『世界日報』は、「高大連携歴史教育研究会高大研、会長油井大三郎東大名誉教授)なる団体」「用語を現行の半分以下の1600語に減らす案を提示した一方誤解与えやすい『従軍慰安婦』『南京大虐殺』などを残すべきだとした。高大研は用語の『精選』に当たってその基準示していないが、左からのバイアスかかっているのは一目瞭然」「会長油井氏は、朝鮮戦争北朝鮮による侵略戦争ではなく解放戦争だと主張するような『歴史学者』である」と報道されている。 藤岡信勝は、文科省中教審答申歴史用語改革方針打ち出したときの中教審委員今回歴史教科書における歴史用語削減提案した高大連携歴史教育研究会会長油井大三郎であることから、油井大三郎現在の右傾化」した歴史教科書介入して自虐的」に乗っ取るための「自作自演」を行ったではないか指摘している。 日本文化チャンネル桜から「左派反動呑み込まれ教科書採択現状」として高大連携歴史教育研究会批判的に取り上げられている。 チャンネルくららから「歴史教科書から坂本龍馬上杉謙信消える? 高大連携歴史教育研究会会長油井大三郎東大名誉教授とはどんな人物のでしょうか?」と特集されている。 小林哲夫は『文春オンライン』において、「北朝鮮朝鮮民主主義人民共和国と呼ぶことにこだわっていた歴史学者がいた。東京大一橋大名誉教授油井大三郎麻布)である。東京大文Ⅰに入学したZ会神童で、その後アカデミズムの道に進む。現在は、『高大連携歴史教育研究会』の会長職にある。同会は、最近高校歴史教科書盛り込むべき基礎用語が多すぎるとして、日本史では約3600語から約1600語にして、『坂本龍馬』『吉田松陰』は削除すべきと主張した。これが各界から総スカンをくっている」とコメントしている。 『週刊実話』は、「昔から歴史暗記科目というのが相場です。暗記科目からの脱却目指しての削減案ですが、分量減らせ学力下げずに改善できるのかは疑問です。それに、簡略にするということは概括した記述にしなければなりません。そうすれば当然“概念用語”が多用されることになります。ここに彼らの狙い隠されているのです」という高校教諭意見紹介している。『週刊実話』は「高大連携歴史教育研究会」の提案する昭和戦前期の「概念用語選択構図を、「単元大日本帝国崩壊』→内容満洲事変から日中戦争』→項目『満洲事変』『国際連盟からの脱退』『日中戦争の勃発』→概念用語日中15年戦争』『盧溝橋事件』『南京大虐殺』」であり、「異説だらけの南京事件をこうして潜り込ませ、しかも『大虐殺』という中国式表記まで使っている。これが同研究会意図だ」「同研究会は、昭和戦前期は『日本ではなく、大日本帝国という、現代日本とは違う悪玉国家時代である。その悪玉がどんなことをして滅びたかを学習するのがこの単元だ』として、戦前戦後とは国が違うのだと刷り込むわけです。だから多少誇張いいじゃないかと、こうなるのです。ですから南京事件ではなく大虐殺なのです」として、中国人が多いカナダでは、12月13日を「南京大虐殺記念日」に制定する運動オンタリオ州からマニトバ州まで広がっているが、「カナダ高大連携歴史教育研究会背後蠢くのは、そうあの国である」として、高大連携歴史教育研究会背後にいる勢力指摘している。 高大連携歴史教育研究会提言した精選案について高大連携歴史教育研究会は、「提案尊重するかどうか教科書会社執筆者次第で、当会が直接的な影響力を行を行使できるものではない。問題中心広汎方々了解され精選明確にすることであり、特定の史観基づいて用語精選をするものではない」とコメントしている。これに対して鈴木正弘は、「広汎方々了解される」ためには、個々の用語を精選した根拠具体的に示して了解求めるべきであり、「当会が直接的な影響力を行使できるものではない」とすることで「間接的な影響力」を行使しようと企み、「教科書執筆者多く取り込み間接的に教科書叙述コントロールしようとして」おり、さらに「特定の史観基づいて用語精選をするものではない」としているが、「独自の基準有していることを言わないこうした批判受けている以上、独自の基準明らかにするべきである」と批判している。 高大連携歴史教育研究会副会長である桃木至朗は、「(坂本龍馬吉田松陰クレオパトラ精選案では削除されていたが)これらの人名小説ドラマでも有名で、小中学校段階で既に親しんでいる」と述べている。これについて鈴木正弘は、「これは理由ならない坂本龍馬クレオパトラの名前ぐらいは知っているだろうが史実に基づく歴史上意義理解しているとは思えない」「『精選提案』は『人名はできる限り削減する方向』という基準であり、『既に親しんでいる』か『未だ親しんでいない』か、という基準はない」と批判している。また、桃木至朗は「従来は用語だと考えられていなかった『史料批判』『ジェンダー』などの概念や、『難民』『気候変動』など現代理解必要な用語を加えた。(中略代わりに世界動かした日本産などの『銀』や、16世紀の銀による好景気幕を閉じ経済社会の混乱続いた17世紀の危機』、その背景となった小氷期』など理系食いつく用語を加えた」と述べている。これについて鈴木正弘は、「史料批判」「ジェンダー」「難民」「気候変動「銀」「17世紀の危機」小氷期」などを歴史用語とすることは妥当ではなく、「用語の精選」を称しつつ、「現代理解に必要」という根拠不明主観を以て用語を増加させることは、歴史教科書歴史以外のものに変えていまい、「理系歴史離れは特に深刻だ」と憂えるが、「17世紀の危機」小氷期」の語を示せば「理系食いつく」とは思えない批判している。 高大連携歴史教育研究会副会長である桃木至朗は、「物語偉人伝などの文脈強調されてきたが、実際に歴史動かしたかどうか疑問人物事件は、削る対象になる。(中略)それが実際に歴史動かした人や事件大きな歴史変動などと比べて優先されるのは完全に間違っている」と述べている。これについて鈴木正弘は、「そもそも実際に歴史動かした人や事件』と『実際に歴史動かしたかどうか疑問人物事件』とをどのように選別しているのだろうか」として、「完全に間違っている」と断言できるのだから、大小判別について、公正明確な基準設けているのであろうから、その基準を示すべきである批判している。また、桃木至朗は「小中学校人物重視して日本史を学ぶが、高校世界史日本史とも偉人伝より、歴史の流れ社会構造変化学習する。(中略小中学んだ知識や、歴史大きく動かしたわけではない人名事件名大胆に削った」と述べている。これについて鈴木正弘は、「これまで前提とされていなかった『小中学んだ知識』は、どのように把握しているのか、少なくとも削除した経緯明らかにする必要がある」として、人名事件名を「歴史大きく動かしたわけではない」という基準によって排除したことは看過できず、「歴史を動かす」ことが、「大きくか否か如何なる基準判断するのか、明らかにすべきである批判している。 高大連携歴史教育研究会は、「高等学校歴史教科書用語と歴史大学入試出題用語に関する調査へのご協力お願い」として、精選案についてのアンケート調査実施するとしており、「坂本龍馬がなぜない、ガリレオ・ガリレイはなぜ切られた、と騒ぎ立てるのは、ここまで前提理解したうえでやっていただきたいそうすれば、『復活折衝』の余地生じてくるだろう」「このリスト参考にしてくれるよう働きかける」と述べている。これについて鈴木正弘は、「『ここまで前提理解』していない人物の意見聞かないということである」として、それならば、何故アンケート調査実施するのか、「高等学校歴史教科書用語と歴史大学入試出題用語に関する調査へのご協力お願い」にもそう記すべきであり、そもそも「『ここまで前提理解』するよう求めるならば、『ここまで前提』を示すべきである」と批判している。さらに一連の発言は、「上から目線」であり、歴史叙述には、多様な形式があるため、過去対す評価問題孕んでおり、歴史家は、史実に対して謙虚であることが求められる批判しており、さらに「このリスト参考にしてくれるよう働きかける」と述べていることを、「働きかける相手は、まず、入試主管する大学であり、ついで新し教科書編集主体、つまり出版社執筆者ということになろう。(中略これからは、出版社教科書執筆者に対しても『強制力はまったくない』組織個人から様々な働きかけをしてよいということである。教科書執筆者である桃木氏は、こうしたことを率先して行うことをどのように考えているのだろうか」と批判している。 武藤治太公益社団法人國民會館会長ダイワボウホールディングス最高顧問元日紡績協会会長)は、高大連携歴史教育研究会提言した精選案について、「(高大連携歴史教育研究会会長として精選案を取りまとめ油井大三郎の)経歴調べてみるとその思想的方向がよくわかる」「(油井大三郎は)アメリカ現代史専門家らしいが、典型的な岩波書店世界』派の学者朝鮮戦争北朝鮮による侵略戦争ではなく北朝鮮による解放戦争であった主張最近安倍内閣における集団的自衛権が可能という憲法解釈変更にも反対している。彼の左翼的言動については枚挙にいとまがないが、彼は徹底的な反米左翼主義者」であり、精選案は「上杉謙信」「武田信玄」「坂本龍馬」を削除する一方で中学教科書から久しく消滅していた「従軍慰安婦」「南京大虐殺」が復帰したのも、「とんでもない左翼会長」「油井氏は、先に述べたように全くの朝日新聞寄り左翼思想人物」「左翼思想偏向」「左翼分子である」ことから、「連中からならこのような提案があってもおかしくない」「扇動支配していることは明らかである」と批判している。

※この「精選案に対する賛否」の解説は、「高大連携歴史教育研究会」の解説の一部です。
「精選案に対する賛否」を含む「高大連携歴史教育研究会」の記事については、「高大連携歴史教育研究会」の概要を参照ください。

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