ミサンガ
「ミサンガ」とは・「ミサンガ」の意味
「ミサンガ」とは刺繍糸を様々なデザインに編んで作るお守りのことで、基本的には手首や足首に身につけておく。数種類の色を組み合わせて模様を入れることも可能であり、ファッションアイテムとしても使用される。「プロミスリング」と呼ばれることもあるが、ミサンガと呼ぶ方が主流とされている。手首や足首に願いを込めて結び、自然に切れるまで身に着けていることで叶うとされている。切れる前にほどけてしまうと願い事が叶わないとされているので、結び方には注意が必要。一般的にはしっかりと硬く結べる本結びを採用することが多い。ミサンガは使う刺繍糸の色やつける場所によってそれぞれ意味がある。色については、白は「浄化」「健康」「落ち着き」、黒は「意思」「魔除け」、赤は「情熱」「勝負」「勇気」、ピンクは「恋愛」「結婚」「女性らしさ」「調和」、オレンジは「希望」「力強さ」、黄色は「金運」「平和」「勉強」、黄緑は「友情」「優しさ」、緑は「癒し」「健康」、青は「仕事」「勉強」「リラックス」、水色は「美しさ」「爽やかさ」「笑顔」、紫は「才能」「忍耐」「思いやり」、茶色は「家庭」、灰色は「仕事」などの意味をもつ。
数種類の色を組み合わせて複数の意味を込め作る場合もあり、例えば恋愛運ならば情熱の赤と恋愛のピンクを組み合わせ、仕事運ならばともに仕事に効果のある青と灰色の組み合わせなどが有効とされる。つける場所ごとの意味は、利き手側の手首は「恋愛」、利き手と反対側の手首は「勉強」「仕事」、利き足側の足首は「友情」「勝負」、利き足と反対側の足首は「金運」とされている。
ミサンガの発祥については諸説あり、ブラジルのバイーア州サルバドールにある「ノッソ セニョール ド ボンフィム教会」で用いられる「フィタ」というリボンであるという説や、メキシコで昔から続くお守りとして腕に紐を巻き付ける習慣からという説がある。ボンフィム教会は、その昔嵐により遭難しかけていたポルトガルの船が神に祈りを捧げ奇跡的にサルバドールの港へ辿り着き十字架像を運び入れたことが始まりとされる。
その後像が奇跡を起こすとされるようになり教会が建てられ、別名「奇跡の教会」と呼ばれるようになった。教会内には「奇跡の部屋」と呼ばれる部屋が存在し、病気や怪我から回復した人々から感謝と報告の意味で捧げられる、回復した部分を象ったプラスチックのレプリカがびっしりと飾られている。フィタはお祈りをする時に手首に巻きつけられ、自ら外してはならず自然に外れた時に捧げた祈りが叶うと言い伝えられてきた。現在では訪れた人々がボンフィム教会のフェンスに願いを込めて結びつけていくようになり、様々な色のフィタが建物をびっしりと囲んでいる。フィタは教会前で購入することが可能。そのフィタがやがてファッションアイテムとして用いられるようになり、現在のミサンガの形へと変化していたという説が有力とされている。
日本でミサンガが広まったきっかけは、1993年に開幕されたJリーグで選手が身につけていたこととされている。Jリーグの人気の高まりに合わせてスポーツ選手に限らず身につけられるようになった。
ミサンガは自然に切れることが願いの叶う条件となっており、身につけていてもいつかは外れることになる。その後いつまでも手元に保管しておくのは願いが叶わなくてよいという意味なるので、速やかに処分するのが望ましい。処分方法は特別なものではなく、一般的にはゴミとして出される。長く身につけていたものや人からプレゼントされたものの場合捨てることに抵抗を覚えるのも少なくないようだが、保管していたり結びなおしてまた使用するというのは逆効果とされているので注意しなければならない。
ミサンガ【(ポルトガル)missanga】
ミサンガ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/27 07:26 UTC 版)

ミサンガ(葡: miçanga)は、手芸の組み紐の一種である。色とりどりの刺繍糸を何本もあわせて編み、模様をつける[1]。日本ではプロミスリング、プロミスバンドとも言う。
概要
「ミサンガ」の語源はポルトガル語であるが、本来の意味は「ビーズ」であり、紐のものを「ミサンガ」と呼ばない。また、「プロミスリング」(Promise Ring)という名称は、英語では、恋人同士などを互いに表現する金属製の指輪の一種を指すことが一般的である。
発祥
発祥地についてはポルトガル、ブラジル、グアテマラなど諸説ある。17世紀頃、ポルトガルの「ポン・フィン」という教会で作られていた「フィタ」という名前のひもを結んだのがミサンガの始まりとされている。フィタを編むときに、願いごとや叶えたいことを込めていたという。そのフィタを教会関係者や村人たちは、手や足に結びお守りにした。
ポルトガル語で「ポン・フィン」は「美しい結末」や「良い終わり」という意味がある。これが転じて、編んで身に着けたミサンガが自然に切れると願い事が叶う、という現在の思想に結び付いたと考えられる。
現在ではブラジルバイーア州サルバドールにあるボン・フィン教会が流行の発祥という説がよく唱えられている。ミサンガ・フィタと呼び、紐を2回ほど手首や足首に巻いたのが最初だと言われている。 実際にボン・フィン教会にはおびただしい数のミサンガ(ここではリボン状)が建物外観に結わえられているが、これは、願いが叶った人々がお礼に結んだものだという。なお、この教会には手足の治癒のお礼に義手や義足も多数納められている。[2]
日本での広まり
ミサンガは、ポンファン・フィタという名前でポルトガル語圏に広がり、特にサッカー選手が好んで身につけた。 日本では1993年にJリーグが開幕した際、ヴェルディ川崎に所属するラモス瑠偉[1][3]や北澤豪[3]がチームの勝利などを祈願してミサンガを身につけていた事がきっかけとなり、Jリーグブームの高まりと共に国内に広まった[4]。手首や足首などに巻きつけて使用し、紐が自然に切れたら願いごとがかなうという縁起担ぎ(逆ジンクス)の意味がある[1][5]。
また同1993年には上記に合わせて女子学生にもミサンガが流行となっていったが、実際に願掛けしている人は少数派であり、また一人あたり平均十本以上のミサンガを所持していたため、こちらは願掛け的な意味合いよりもファッション的な意味合いが大きかったと見られている[6]。
ミサンガはJリーグブームの収束後も若者やスポーツ選手に人気があると言われ[4]、2004年に行われたプロ野球オールスターゲームでは、古田敦也をはじめプロ野球選手が、プロ野球再編問題で2球団合併反対、1リーグ制反対の願いを込めて12球団のイメージカラーをもとに作ったミサンガを使用した。
東日本大震災とミサンガ
2011年(平成23年)3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う東日本大震災では、阪神・淡路大震災を大きく上回る被害が発生した。そこでダンスボーカルユニットのEXILEはグループのミサンガを製作し、収益をあしなが育英会を通して震災で親を亡くした子どもの支援に充てることを発表した[7]。ほかにも企業[8]や個人[9]でミサンガを作製・販売してチャリティー活動を展開する動きも見られた。
また、被災地の宮城県石巻市の小中高校生15名が結成した「We make Ishinomaki」は、ボランティアで同地を訪れた人々に配布するために1万本を目標にミサンガ製作を始めた[5]。We make Ishinomakiのメンバーは朝日新聞の取材に対し、「アクセサリーをすることができない被災者とボランティアの人が同じものを身につけることで一体感を生み出したい」「石巻のために子どもでもできることを」という思いから作製したと答えた[5]。
三陸地方では、震災で仕事を失った女性たちが、震災後に漁に用いることのできない漁網を再利用して「浜のミサンガ 環」を製作しており、大きな収入を得るとともに、全国的な話題となっている[10]。
脚注
- ^ a b c 『imidas イミダス 1994』集英社、1994年。ISBN 978-4-08-100008-1。
- ^ https://useful-jp.com/archives/484.html
- ^ a b “マジカル ミサンガのひみつ”. 紀伊國屋書店BookWeb. 2012年5月5日閲覧。
- ^ a b “浜のミサンガ…被災地女性が漁網で手作り”. nikkansports.com (2012年3月19日). 2012年5月5日閲覧。
- ^ a b c 藤崎麻里 (2011年4月20日). “願い込めたミサンガ「新しい石巻を」 被災生徒ら作製”. 朝日新聞社. 2011年4月20日閲覧。
- ^ 谷脇幸子、トレンドデータバンク『女子高生ワンダーランド : アンケートでわかった彼女たちのすべて (ワニの本. ベストセラーシリーズ)』 pp.108-109 ベストセラーズ 1993年12月 ISBN 978-4584008836 [1]
- ^ 入倉功一"EXILEが震災遺児のためにチャリティーミサンガの発売を決定 収益は「あしなが育英会」へ寄付"シネマトゥデイ、2011年4月9日.(2011年4月24日閲覧。)
- ^ リップル"リップル ハワイアンジュエリー チャリティー ブレスレット HOPE MISSANGA"(2011年4月24日閲覧。)
- ^ 東北地方太平洋沖地震チャリティバザーin Kadena"貝殻アート、ミサンガetc…"2011年3月24日.(2011年4月24日閲覧。)
- ^ 井上きみどり『わたしたちの震災物語 ハート再生ワーカーズ』集英社〈愛蔵版コミックス〉、2011年、93-108頁。 ISBN 978-4-08-782396-7。
外部リンク
ミサンガ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/25 23:58 UTC 版)
「ルパン三世 くたばれ!ノストラダムス」の記事における「ミサンガ」の解説
※この「ミサンガ」の解説は、「ルパン三世 くたばれ!ノストラダムス」の解説の一部です。
「ミサンガ」を含む「ルパン三世 くたばれ!ノストラダムス」の記事については、「ルパン三世 くたばれ!ノストラダムス」の概要を参照ください。
- ミサンガのページへのリンク