サンデー毎日告発報道と坂本弁護士一家殺害事件とは? わかりやすく解説

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サンデー毎日告発報道と坂本弁護士一家殺害事件(1989年下期)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/29 07:35 UTC 版)

オウム真理教の歴史」の記事における「サンデー毎日告発報道と坂本弁護士一家殺害事件(1989年下期)」の解説

詳細は「坂本弁護士一家殺害事件」を参照 サンデー毎日は、1989年10月15日号で「オウム真理教狂気連載スタートし以降11月26日号まで7週間わたって血のイニシエーションや、布施信者家族から隔離されているなど告発報道始めたサンデー毎日1989年10月15日号「告発スクープ第一弾 オウム真理教狂気 これはイエスの方舟とは違う 息子を、娘を返せ」(発売日10月2日記事信者らのコメント掲載するなど、両論併記方針貫徹していた。第一弾発売日10月2日麻原らは編集部押し掛け、「高校生お布施30万円は高すぎる」と牧が言うと、麻原は「いくらならいいのか、金額をいえ」「抗議行動起こす」と交渉決裂した。10月8日から牧太郎編集長自宅近辺には「でっち上げはやめろ」「許すな!悪徳ジャーナリスト」と牧の自宅電話番号まで書かれビラ120以上一斉に貼り出され自宅電話鳴りっぱなしで、街宣車自宅子供の通う学校にも来た。10月10日には毎日新聞社本社ビル内のトイレ一斉に同様のビラ貼った。他、オウム批判的な報道をしたテレビ朝日こんにちは2時」や文化放送などにも「ヤラセウソ偏見報道責任をとれ」と担当者実名自宅住所電話番号書かれビラをまいた。さらに教団は、サンデー毎日証言した元信者の自宅にも押しかけ記者装ってドア開けさせて車に連行し、「証言事実反する」という文書署名させた。この書面をもって教団テレビ局抗議すると、フジテレビテレビ朝日訂正放送応じテレビ朝日麻原20自由に話させる放送行った10月11日放送テレビ朝日こんにちは2時」の「大島渚熱血!!トーク 特集 息子返せ!! 父親オウム教教祖訴え」では、司会大島渚水口義朗教団からは麻原石井早川上祐出演し被害者の会の親たちは体面考え出演せず、永岡弘行会長だけが生出演となった永岡息子永岡辰哉)と連絡取れない事情話した後、麻原は「実は、大変なお客さん来ているんです」と述べると、女装した永岡息子スタジオ登場し麻原はこれを拍手迎え、「オウム監禁しているか、白黒はっきりさせたい」と述べ永岡息子麻原を「言動一致、嘘をつかない人」であると述べた番組では子供出演させない約束だった。息子出演聞いておらず、動揺した永岡発言しようとすると、司会大島渚がそれを遮って、「(番組は)オウム真理教叩こうとか、そういう意図はない。冷静に事実知りたいわけで…」と述べると、続けて永岡息子が父は嘘つきだと非難開始しオウム素晴らしさ語った大島渚は「宗教では親子切り離されるのは特別なことではない、ただ、(布施など)お金問題はちょっと一般常識からいうと不思議な感じもする」と語った麻原400人の出家信者のうち、親子問題起きているのは10組だけで、その親たちは嘘を吹聴してオウム叩きをしていると述べた麻原は、親が拉致されたと主張する子供全て出演させるともできる、と答えた麻原制され永岡会長は、ほとんど発言機会与えられないまま、番組終わった。こうして、教団生放送出演条件とした上で事前打ち合わせ無視し番組教団宣伝の場所に変えることに成功した以降オウムテレビ週刊誌抗議するよりも、それを利用する作戦をとるようになり、元信者の証言に対しては「実名をばらすぞ」と脅迫するなどし、マスコミオウム強引な要求峻拒できず、オウム弁護手段として利用されるようになっていった。 サンデー毎日1989年10月22日号「告発スクープ第二ニセ過去血の儀式教団では、百万円で麻原の血飲ませる血のイニシエーションが行われていたが、その根拠として、「麻原の血液には特別のDNAがあり、これを体内取り入れると、クンダリニー上昇して霊的向上をもたらすことが京都大学医学部研究わかっている」と宣伝されていた。これについて被害者弁護団京都大学照会したら、そのような研究行われていない、また同学助教授が「科学的にそのような効果はない」と回答があった。坂本堤弁護士青山吉伸教団弁護士に問い質すと、教団10月13日に「あの研究遺伝子工学専攻する京大大学院生教団本部検査したもの」と回答、さらに坂本弁護士データ見せてほしいと要求したが、水中サマディ修行猶予をくれと回答遅らせ10月31日教団は、麻原の血液のDNA分離して培養した研究で、普通(一般人)のDNA飲んだデータ比較実験するでもない回答結局教団証拠となるデータ持ってこなかった。10月21日には、坂本弁護士支援の下でオウム真理教被害者の会結成された。 サンデー毎日1989年11月5日号「告発スクープ第四弾」(発売日10月23日10月23日発売され11月5日号では、「血のイニシエーション儀式根拠とされる東大京大研究存在せず虚偽広告だったことが報道された。その後教団毎日新聞社ビル爆破するための下見をした。10月25日には教団毎日新聞社相手名誉毀損による損害賠償請求訴訟提起した10月26日にはTBSワイドショー3時にあいましょう』のスタッフが、坂本弁護士へのインタビュー放送前オウム幹部見せたTBSビデオ問題起きていた(この事件は、TBS側は否定していたが、1996年3月になって認めた)。10月31日交渉で、教団が「信教の自由だ」と主張すると、坂本弁護士は「人を不幸にする自由な許されない」と答えた10月31日発売されサンデー毎日第五弾11月12日号「肉食拒否尊師ビフテキ弁当を売る欺瞞」では、霊感商法まがいの悪徳商法報道した11月1日坂本弁護士は、元信者から「血のイニシエーション」でお布施させられ百万円を取り返したいという相談を受ける。同11月1日被害者の会水中サマディ空中浮遊公開実演教団要求した殺害決行 麻原は、坂本弁護士オウム告発報道被害者の会リーダーであるとみなし、11月2日深夜11月3日未明)、教団幹部らに「世の中汚れきっている。もうヴァジラヤーナしかないんだ。お前たち覚悟しろよ」と坂本弁護士ポア殺害)を指示し塩化カリウムによる殺害指示した11月4日午前3時頃、オウム幹部ら6人が坂本弁護士宅に侵入し一家3人を殺害した午前7時頃、一行富士本部に到着すると、麻原石井久子出迎え麻原は「よくやった、ごくろう」と上機嫌に述べたその後説法麻原は「今日午前4時前から、アーモンド修法行った」とし、欲について説いた説法後、麻原は「遺体ドラム缶詰めて遠くの山に埋めて、車は海に捨てろ」と幹部らに指示した同日午前中に出発した一行は、長野県大町市関電トンネル電気バス扇沢駅近く湿地帯1歳長男遺体埋めたその後新潟県西頸城郡能生町ドライブイン駐車場仮眠をとり、翌5日大毛無山に弁護士遺体を、翌6日、妻の遺体富山県魚津市僧ヶ岳中腹埋めて証拠湮滅狙った村井坂本夫妻の歯をツルハシ砕いた11月9日、車の廃棄所を探していた一行に対して麻原オウムバッジプルシャ」を落とした中川智正叱責し手袋をせず指紋残した可能性のある早川村井富士本部に帰るよう指示した11月11日未明麻原帰ってきた一行に「真理妨害することで得た金で養われている者も悪行積んでいる」と説いて、「三人殺した死刑間違いない。みんな同罪だ。死刑だな」と笑み浮かべながら語った11月13日発売され第六弾11月26日号の記者座談会では、「宗教名を借りたオウム商法」とも語られた。 一方警察では、坂本弁護士宅に「プルシャ」が落ちていたため、オウム犯行説が広まるが、任意の失踪可能性があるとされ事件性すら確定されなかった。坂本弁護士所属する横浜法律事務所も、マスコミも「某新興宗教団体」と当初オウムの名を出さなかったため、統一教会創価学会関連情報提供多かった警察初動捜査消極的で、11月18日会見教団警察からの事情聴取依頼はないと答えており、翌日警察事情聴取申し入れたが、教団から修行理由拒否された。また警察は「坂本弁護士サラ金で首が回らなくなっていた」というガセネタ流したり、「横浜法律事務所弁護士たちマスコミに喋るので困る」と事務所敵視するような言動をとった。11月18日には東京新聞が、裏付け取材をせずに「活動家内ゲバか」と報道横浜法律事務所即日抗議し訂正求めたが、東京新聞取材成果として拒否した(後、続報内ゲバ説を否定)。 麻原はオウムバッシングの背景には創価学会内閣情報調査室アメリカがいると語り1989年11月にはフジサンケイグループバックとした政治家あるいは宗教団体動いていると語り、このけがれきった世の中に対して二つアプローチがあり、一つ選挙議席をとって徳の政治変えるもう一つは、武装して日本ひっくり返して真理でないものを潰して救済する、と述べた11月10日には大阪で「私は最後救世主だ」「間違いなく第三次世界大戦はやってくる。それまでの間に、オウム真理教上の宗教現れいだろう」「あなた方選ばれた魂であるということもできる。そして、あなた方義務持ったということもできる」「オウム真理教アットホームいらないオウム真理教必要なのは救済だ」と説教したまた、1989年冬ごろには、教義強化部長選任にあたり麻原は「マイトレーヤ上祐)しかいないだろう。オウム教義については、討論したら、多分、私の方が負けてしまうよ」と述べたメディア利用 1989年11月15日坂本事件公表されると、同日夕方青山弁護士から教団名誉毀損をしないよう警告書を報道各社ファックスをした。11月18日教団会見では、バッジ坂本弁護士被害者の会の親から預かったものか、第三者創価学会)が故意置いた主張11月30日ドイツボン会見し事件教団無関係で、失踪事件横浜法律事務所仕組んだ狂言であり、「犯人坂本弁護士身内考えるのが妥当」と述べ弁護士親族らを激怒させた。その後テレビでバッジ女性信者の親が取り上げたもので、「被害者の会犯人である疑い極めて強い」と主張繰り返した信者への説法でも麻原は「坂本弁護士さらっても、すぐ次の弁護士出てくるんだから、オウム拉致するメリットはない」「坂本弁護士このままだったら地獄落ちるから、彼が被害者の会殺されたにしろ、誘拐されたにしろ、彼はこれ以上オウムに迷惑をかけないわけだから、彼のカルマのためにはいいことだ」と「被害者の会犯人説を主張するとともに坂本弁護士の死を「カルマ法則」で肯定した他方教団幹部早川は、高校生信者説得していた被害者の会メンバーに「お前一人抹殺することくらわけはない」と脅迫した12月4日帰国した麻原空港で「マスコミ反論するために帰ってきた」「こちらの言い分出してくれるメディア選んで出演する」と述べ、翌12月5日朝から、ワイドショーなどに次々と出演テレビ朝日モーニングショー富士総本部実況中継行いフジテレビの「おはよう!ナイスデイ」では富士総本部麻原一家仲睦まじい姿を報じTBS3時にあいましょう12月12日放送オウムの修行風景や、信者教団魅力取材するなど、坂本弁護士事件とは関係のない教団宣伝となっていった。 一方宗教学者中沢新一雑誌SPA!同年12月6日号で初め麻原対談麻原事件には一切関わっていない公言二人宗教論意気投合し中沢週刊ポスト同年12月8日号の「誰も言わないバッシング構造明かす オウム真理教のどこが悪いのか」で、麻原を高い意識状態を体験している宗教家であると絶賛したサンデー毎日報道の「狂気」「反社会的」といった言葉も、麻原中沢新一との対談通じて都合よく回収していった。(詳細後述#中沢新一へ。)また、女性セブン1989年12月21日号も教団好意的な誌面作りをした。 オウムは、被害者の会警察指揮して結成した組織で、坂本弁護士一家事件宗教弾圧であり、オウムこそ被害者であると主張した

※この「サンデー毎日告発報道と坂本弁護士一家殺害事件(1989年下期)」の解説は、「オウム真理教の歴史」の解説の一部です。
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