オウム犯行説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/22 01:37 UTC 版)
公安部が主張する『オウム犯行説』の根拠は以下の通り。 1995年1月13日の上九一色村のオウム真理教の幹部会で麻原が「例えば、警視庁に突っ込んでいって、警視総監の首根っこ捕まえて振り回して来いと言ってきたらどうする?」と警察幹部への攻撃を示唆する発言をしていたこと(この発言は録音テープが残っている)。 事件前日の午後に、警察庁長官が住むマンションでオウム信者が「警察国家」と題するビラを配布していたこと。 狙撃事件の1時間後にテレビ朝日に警視総監らの名前を挙げて教団への捜査中止を要求する脅迫電話があったが、電話の声が教団建設省幹部と似ていたこと。 事件翌日に信者が都内数ヶ所で配布した事件に関するビラに事件直後の脅迫電話の正確な時刻に関する記述があり、麻原の指示を元にビラの原案を作成していた元教団幹部の石川公一のメモに事件に特徴的な弾丸の記述があったが、これらは作成時点では報道されていなかったこと。 元教団幹部の岐部哲也に酷似する男が狙撃犯の逃亡ルートと反対側の方向を南千住警察署前を2回自転車で走行する姿が目撃されており、捜査攪乱のために狙撃犯のダミー役を担った可能性があること。 元オウム信者の元巡査長が事件の数日前に現場周辺で怪しまれた際に警察官と名乗った等の供述には目撃者の証言が確認されており、元巡査長が現場の下見と思われる行為をしていたこと。 事件現場に遺留された韓国10ウォン硬貨から元オウム信者の男のミトコンドリアDNAが検出されていること。 元巡査長の私物コートには拳銃を発射した際にできる溶解穴があり、また元巡査長のアタッシェケース(事件2ヶ月前から販売)や黒革製手袋の付着物等が事件で使用された銃弾の火薬成分と矛盾しないとの鑑定結果が出ていること。 またオウム犯行説の疑問点は以下の通り。 過去の重大事件を認めてきたオウム教団幹部たちが長官狙撃事件だけは関与を一切認めていないこと。 使用されたナイクラッド・ホローポイント弾はオウムが武装化する前に製造中止となっていたこと。 麻原が事件直後に事件速報するテレビのテロップを見て驚いて「上前をはねるようなのがいるのか」と話しているのを教団幹部が聞いていたこと。
※この「オウム犯行説」の解説は、「警察庁長官狙撃事件」の解説の一部です。
「オウム犯行説」を含む「警察庁長官狙撃事件」の記事については、「警察庁長官狙撃事件」の概要を参照ください。
- オウム犯行説のページへのリンク