操船科二期生(ツヴァイ)
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「無限のリヴァイアス」の記事における「操船科二期生(ツヴァイ)」の解説
リーベ・デルタの中でも上位クラスの操船免許が取得できるクラスで、カリキュラムも複雑である。その為、制服も貸与されるなど、エリート的な待遇を受けていた。リヴァイアスに乗り込んだのは12人。他にもダイブ連休でリーベ・デルタを離れていたジェスリーやメリッサというメンバーもいる。 リヴァイアス起動後は、実際に船を動かすことから乗員たちの生活マニュアルの作成に至るまで、常に中心として働いていたが、大半の生徒たちには、その苦労が理解されず、不満の矢面に立たされることもあった。チームブルーに政権を奪われながらも奪還するが、その頃には一般生徒の不満を既に抑えきれなくなっており、新たに設立した監視役も機能しない有様だった。その為、イクミ政権に賛同。ゲシュペンスト戦でリフト艦に避難した際はサブオペレーターを務めた。 艦内の士官部屋は当初はツヴァイが使う予定だったが、チーム・ブルーが先に住んだことにより、一般生徒と同じく、貨物部屋を使うことになった。 最終回では、グランを除いた当時のメンバーがリヴァイアスに再乗艦を果たす。しかし、以前リヴァイアスに乗艦せず事件に巻き込まれずに済んだジェスリーやメリッサは、事件の全容を知って拒否している。 ユイリィ・バハナ 声 - 氷上恭子 8月31日生まれの16歳。孤児院出身。 奨学金を得るため、首席でツヴァイの一員に上り詰めた才女。自分よりも他人のことを優先する性格で、その部分では昴治とよく似ており、祐希は昴治との類似性を指摘し、嫌悪を露わにしている。考えごとをする時、指で前髪を絡める癖がある。容姿端麗だが服装センスは悪い。母性本能が強く、孤児院にいた頃は年下の子供たちの面倒を見ていたこともあり、パットの母親代わりになる。小説版では孤児院にいた頃に自分の心音を夜泣きする子供たちに聞かせて落ち着かせており、パットにもそれを行っていることが描かれた。その行いの際には必ず乳房を吸われており、カラボナからは「ユイリィの胸はその行為のおかげで大きくなったのでは?」と言われた。 事件発生当初よりツヴァイの中心的存在となり、ブルーからも目をかけられる。ブルー失脚後は周囲の声に押される形で3代目のリヴァイアス艦長に就任。お飾りとして選ばれたにすぎない上、本人も乗り気ではなく、ディカスティア戦では的確な指揮が下せず、ついには艦内に犠牲者を出してしまったことで、一般乗組員から非難され、責任の重圧に耐えきれず、自ら艦長を降りる。しかし、決して逃げ出そうとまではせず、以後もブリッジに残留したが、イクミとヘイガーの強権体制に反発した末、「逃避」ではなく「決別」という形で遂にブリッジを去ることを決意。ランク分けでは本来ならAランクだったが、ヘイガーの策略でEランクに落とされてしまう。そのEランク内ではサブリーダー的存在となる。 様々な形で環境の違うブルーとは、当初は反目しながらも無意識に惹かれあっていき、彼がヘイガー達に追い落とされて逃走した時に、ようやく自分の彼への気持ちに気づき、最終回間近でその素直な想いを告げることができた。また、似た者同士である昴治には一貫して信頼を寄せており、ツヴァイの他の面々に先んじて彼と接触している。終盤、閉鎖区画から脱出した後は昴治のリフト艦行きをサポートし、ルクスンやゲシュペンストクルーと共にリフト艦に乗り込んで、救助が来たことを告げた。 リヴァイアス再就航時には副艦長に就任。最終回ではリヴァイアスの進路決定権を昴治に委ねた。 ルクスン・北条(ルクスン・ほうじょう) 声 - 島田敏 3月3日生まれの17歳。名門家系北条家の三男。ツヴァイの実習班長。 父、兄たち(いずれもルクスンが大事にしている家族集合写真にのみ登場)は有能な軍人であり、自分もそうなりたいと願い、必死に努力してツヴァイになった。真面目な性格ではあるが、名門育ちのプライドから態度がデカい上、実力は伴っておらず、自覚のないトラブルメーカー。ツヴァイの仲間たちから煙たがられている中、ユイリィだけはそうでないことから彼女に好意を寄せている。 リヴァイアス起動後は最初のリヴァイアス艦長を務める。リーベ・デルタを圧潰させた工作員2名をリベールに置き去りにすることを決断するが、その行為はチーム・ブルーに付け入る隙を与えてしまい、工作員たちの顛末を知らされていなかったユイリィたちツヴァイの仲間とツヴァイが工作員達を救助しなかった点を(自分たちが行った拷問を棚に上げて)ことさらに強調するチーム・ブルーとの両方から責められ、艦長の座をブルーに奪われる。その後も、ブリッジクルーとしては活動していたが、火星圏の戦闘時に取り乱したことからブリッジを追い出されてしまう。以降は掃除を中心とした雑用を行うことになり、裏切りにより廃人化したグランに自ら進んで食事も運んでいたが、ブリッジクルーでなくなったことから、暴力行為の対象になることも多かった。ブルー失脚後はブリッジに戻ろうとするも、既にツヴァイの仲間たちからは邪魔者としか見なされなくなっていた事で、問答無用で摘み出される。 パットのことは当初は煙たがっていたが、行動を共にしていくうちに情を抱くようになり、彼が暴行されかけたときは自分が身代わりになって、殴られている内に逃がしたり、食堂での食事の際も自分よりパットを優先するという友情を見せるようになる。また、イクミがクーデターを起こした際は、ますます自分達の状況が悪化してしまう可能性も考えて、パットを安全な所に隠して自分達でもやっていけるよう食料を盗んで確保しておこうとする等、これまでにない機転を利かせた行動にも出ている。 ランク分けの際は最低ランクのEランクであったが、以前より仲間のツヴァイにすら散々な扱いを受けていた事から、本人は全く気にしておらず、逆にヘイガーによって隔離されて塞ぎ込んでいたEランクメンバーの良きリーダーになっていき、密かに確保(盗み出して)していた食料が、パットの発案でEランクメンバーに振る舞われた。昴治を救うための手術の際にはチャーリーと共に手術室のガードを行う。ゲシュペンスト戦において、大半の乗組員が本艦に取り残された際にはユイリィたちと共に無人のブリッジに赴き、ソリッドを組めないながらも、そこでも良きリーダーぶりを発揮。ブルーがたった一人で潜入部隊に立ち向かっていった際には、彼の身を案じ自らも率先してチャーリーたちと共に潜入部隊の迎撃に向かい、その力強い行動力はランやパットを感心させるまでに至った。リヴァイアスの濡れ衣が晴れた直後、ユイリィやゲシュペンストクルーと共にリフト艦に赴き、救助が来たことを告げる。 一連の事件がおさまり、家に戻った後はリヴァイアスでの体験を綴った本「ルクスン北条のリヴァイアス航海日誌」を執筆しており、テレビなどにも出演していた。再度乗艦したリヴァイアスでは、自主的に雑用係を務めていたが、ようやく周囲から一定の信任が得られ、リヴァイアス艦長の座へと返り咲くに至っている。自身に理不尽な仕打ちを科したヘイガーを責めることなく和解しており、就任挨拶では自らの無能さをネタにするという成長ぶりを見せた。また、天涯孤独となったパットの身を案じ、彼が北条家の援助を受けられるよう計らっている。 モデルは本作の設定制作の下村敬治。 シュタイン・ヘイガー 声 - 千葉一伸 10月12日生まれの17歳。 冷静沈着でドラスティックな理論家。ナンバー1よりもナンバー2を選び、自分でも認める参謀タイプで、常に感情を排他し、徹底的な合理性を求めて行動し、つまらない仕事であっても手を抜くことはない。しかし、艦内の統率を優先し、使い道の無くなった者、能力や品性の無い者、または自分の理想の邪魔となるものは、例え女子供でも容赦無く切り捨てる冷徹さを持っており、実態はツヴァイのメンバー内でもかなりの危険思想を持った人物。反面、自身の理論や理解を超えた存在には脆く、ヴァイアやゲシュペンストの能力を目の当たりにした時は、ひどく動揺した。完全なホモセクシャルでもあり、力ずくで秩序を保とうというイクミの行動に興奮してブリッジ内で自慰をしていた。 チーム・ブルーを嫌悪しており、偶然傍受したリフト艦内の会話を独断で艦内に流し、ブルーを失脚させた。ユイリィを半ば見限った後は、イクミの独裁体制に全面協力する見返りに事務処理全般を彼から一任され、ツヴァイ内でも特別な地位を確立。リヴァイアス内における「陰の支配者」とも呼べる存在となり、リヴァイアスの下位クルー達には、弾圧に等しい圧政を敷いていくことになる。ついには祐希やイクミさえ手玉に取るなどの狡猾さを発揮していく。自分とイクミの支配体制にとって邪魔な存在となる昴治やあおい、ユイリィ、ルクスンや子供のパット、さらにはパットを庇ったランまで、独断で最低ランクに落とし、閉鎖区画に隔離。ゲシュペンスト戦時には、自分たち上級メンバー以外のクルーをリヴァイアスに置き去りにする独善的な見殺し行動にまで出た。だが、Eランクメンバーは一致団結し、逆に自分たち上級メンバーはアインヴァルトを失ったことで仲間割れを起こす。それでも、イクミを支持することで己を保とうとするが、リフト艦に現れた昴治の口から切り捨て行為が明るみに出てしまい、「最善の方法」と言い逃れを始めるが、限界を迎えたことで沈黙。加えて、祐希に殴られそうになるが、昴治に助けられた。 事件後、一連の行き過ぎた行動を反省し、最終話では「自分が間違っていたのなら、それを修正したい」という理由で、リヴァイアスに再乗艦。ルクスンから「一緒に勉強していけば良いじゃないか、お前も私も」と言われたことで彼のことを見直すようになる。 アインス・クロフォード 声 - 長沢直美 ツヴァイの男性陣と女性陣の潤滑油的存在の少年。 戦闘中には恐怖から泣き言を吐くことも多かった。 事件後、リヴァイアスに再乗艦するが特に理由は語られていない。 ケヴィン・グリーン 声 - 保志総一朗 小太りの丸眼鏡。 ツヴァイの中でも高い能力を持っているはずだがブリッジ以外での描写は全くといって良いほどなかった。ルクスンにたまに入れる突っ込みは辛辣。身に着けているパンツは派手。小説版では、ラン曰く、怠け者。 クリフたちが昴治の手術を行った際、見回りに来たガーディアンズを欺くべく、ルクスンに名前を使われた。 事件後、リヴァイアスに再乗艦するがアインス同様に特に理由は語られていない。 チック・クラート 声 - 遠近孝一 小柄な体格で少数部族の族長候補。 主にピンガーに反応があるときは彼が報告することが多い。何時しかカラボナと恋仲となり、ゲシュペンスト戦の最中に半ば告白した。 リヴァイアスが土星圏に向かっていた際には監視員を率いて活動していたが一般社会の常識に拘るルクスンに艦内の状況を解らせる為、敢えて、不良たちから助けなかったこともある。ゲシュペンスト戦ではガイストにアインヴァルトを特攻させて失わせたという形振りかまわない行動を取った祐希を咎めるが逆上した彼に殴られてしまう。 事件後、部族の英雄として称えられるようになったことからリヴァイアスに再乗艦する。 ドラマCDではアインス、ブライアンとHソフトを巡り奮起し、最終的にはユイリィの怒りを買い、彼女の手で艦内中の恥さらしとされた。 クライス・モラーテ 声 - 遠近孝一 細身の長身。 内向的な性格で言葉も聞き取りづらい。しかし、コンピュータを扱う技術はピカイチでリヴァイアスが運用可能になったのも彼の功績である。ヘイガー造反時の機転の利かせ具合からヘイガーにも一目置かれている。 事件後、未知のヴァイア艦であるリヴァイアスのデータをもっと知るべく、リヴァイアスに再乗艦。 チャーリー(グッド・タートルランド3世) 声 - 桜井敏治 親のコネでツヴァイ入りを果たした気弱な小太りの青年。本名は「グッド・タートルランド3世」で「チャーリー」はフーが適当に付けたあだ名でEDクレジットでもあだ名を採用されている。 クリフの色仕掛けにより、チーム・ブルーに強引に引き入れられ、スパイ活動をするようになる。ブルーがクーデターを成功させた際、ルクスンから非難されるも悪びれた様子は見せずに開き直っていた。ハイペリオンに進路を取ってからはクリフから用済みとして切り捨てられてしまうが、それでもクリフを想い続け、チーム・ブルーが失脚した際にはクリフを守る道を選び、共に拘束されてしまうもクリフの真の愛を勝ち取った。 ミシェルの手で解放された後はクリフと共に逃亡生活を送り、Eランクのメンバーと行動を共にするようになる。ゲシュペンストとの最終決戦時には、クリフを守るべくルクスンと共に鎮圧部隊に戦いを挑む男気を見せた。 事件後、クリフのために努力して、ダイエットに成功し、再乗艦時に再会した昴治が一瞬戸惑うほどに痩せていた。 ラン・ラックモルデ 声 - 豊口めぐみ ボーイッシュな外見の少女。 「良いところの家系」の出身ながら結婚させられたくないことからツヴァイに参加した。 知的でドライな性格をしており、一人でぼそりと他のツヴァイに毒づく光景がしばしば描かれている。ただし、陰口を好むというわけではなく、他人との交流が少ないために、結果的にそうなっているに過ぎない。パットに並ならぬ感情を抱いており、ドラマCDではその偏愛ぶりが細かく描かれている。 ランク付けによる区画分けで子供であるパットを「役に立たない」という理由だけで簡単に切り捨てて、ランクE行きにしたヘイガーを殴り倒したために自らもあてつけのようにランクEに落とされてしまうが、そのおかげでパットと行動を共にすることができ、ユイリィやルクスンとも和解する。 リヴァイアス再乗艦時にはパットに抱きつかれており、別れを惜しんでブリッジでむせび泣いていた。 脚本の黒田は、ランはショタコンではなく人間不信であり、唯一心を許せたのが悪意のない無垢なパットであったことを述べている。 カラボナ・ギニー 声 - 南央美 南国出身のおおらかな少女でちょっと太目の体格を気にしている。 母性的な面を持っており、人間関係において良い関係を構築する人物。ランにとって、数少ない友人でもある。両親と祖父母を始めとして、叔父夫婦や従兄弟と同居する大家族で育ったことが現在の性格を構築することになった原因らしい。艦内ではユイリィ、ラン、パットとは同室となり、小説版では彼女視点での同室生活が描かれており「守るべき存在」であるパットがいることに感謝していた。チックとはリヴァイアス事件の最中に恋仲となる。 前述のとおり、基本的に良識派だが同僚のチャーリーを含めたチーム・ブルー追放時には罪悪感を抱きながらも保身を優先。艦長になった際のユイリィの案である「ポイントフリーの廃止」にも賛同しなかった。 事件後、人類の未来のためにリヴァイアスに再乗艦。なお、パットとは別れの挨拶はしなかった様子。 ブライアン・ブラブ・ジュニア 声 - 江川央生 プレイボーイの女好き。 仲が良かったミシェルを簡単に突き放したり、イクミの独裁宣言の際には最初は反発し、自分の立場が良くなると判るとイクミにあっさり賛同するといった利己主義的な考えを持っており、ユイリィには睨まれ、ランにも馬鹿にされている。 ガーディアンとして復帰したミシェルに仕返しされそうになった際にはイクミに助けられるが対ゲシュペンスト戦でイクミや祐希の横暴さに我慢の限界を迎えて、イクミに楯突いた際にはニードルガンで左足を撃たれてしまう。だが、カラボナとチックによる応急処置や直後に救助が来たことでちゃんとした治療を受けられたことから昴治のように後遺症は残らずに済んだ。 当初はリヴァイアスに再乗艦する気はなかったが父親に殴られたことで再乗艦することになる。 グラン・マクダニエル 声 - 檜山修之 努力家だが狡猾な性格で上昇志向も並外れて強い。 アインヴァルドの指揮を申し出て、VGチームの初代リーダーを務めるが、その動機は万一の時に逃げ出す手段を確保しておくためという利己的なものだった。 火星圏での戦闘時にソンも懐柔して造反を試みた為、戦闘終了後、ソンと共にブルーたちに制裁された。その後も艦の外に吊るされ、ロッカーに閉じ込められ、その結果、精神崩壊を起こして廃人と化した。 小説版では性格が変更され、教官たちの決死の覚悟を理解していないルクスンを叱責する一面が見られる。
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