亜人管理委員会
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 04:30 UTC 版)
厚生労働省に所属する機関。亜人に関しては警察の活動に介入することができるなど、強力な権限を持つ。捕らえた亜人に対し研究対象として、残虐な拷問・虐待を行っている。 戸崎 優(とさき ゆう) 声 - 櫻井孝宏 / 演 - 玉山鉄二 厚生労働省から派遣された亜人担当の職員。名字の読み方は「トサキ」で「トザキ」と読みを間違えたときは「トサキです」といちいち指摘する。口の左下にほくろがあり、黒い手袋をはめている。意識不明で入院中の婚約者の愛がいる。愛の回想から以前はタバコを吸っていた。佐藤の暗躍を止めるべくさまざまな策を講じ、亜人への残虐な虐待を見ても顔色ひとつ変えない残忍な性格。亜人を見下し、永井圭に協力を持ち掛けられたときも亜人への疑念を抱いていた。オグラからは「メガネ」と呼ばれている。愛のことだけは大切に思っており莫大な入院費と治療費を支払うため、どんな汚い仕事でも行うが、そのせいで自分の首を絞め続けている。第2ウェーブの暗殺リストの上から10番目に掲載される。 フォージ安全の事件中に愛が死亡した後はその性格に変化がみられ、部下である亜人の下村に温情を見せたり、佐藤との無謀な戦いから離脱することを中野や下村に許可したりするなど、以前より他人を思いやる言動が増えている。愛には生前「人に迷惑をかけてまで生きたくない」といわれており、にもかかわらず多くの人間、亜人を地獄に落としてきたけじめをつけるとして佐藤との無謀な戦いに臨んだ。最終ウェーブにて、事件の起きている入間市の隣の市にある所沢市民文化センターで亜人管理委員会の亜人への非人道的な行いを告発し、曽我部から受けたアイスピックでの刺し傷が元で死亡する。告発前、下村に「君が亜人である記録が保管してある」と言っていたことは嘘だと告げ、その身が自由であることを明かした。また、死亡前に作戦に関わった全員分の新しい身分を用意していた。アニメ版 黒い手袋ははめていない。興信所の調べでは「おおよそ182cm、おおよそ68kg」と記載されていた。第2ウェーブの暗殺リストに掲載は無い。暗殺リストに掲載されている大臣が狙われる際に佐藤たちと交戦しようと計画を立てていたが、彼がアルメイダたちに拉致されてしまい彼を奪還した時には既に大臣は暗殺されており、貴重なタイミングを逃してしまう。大臣暗殺阻止と彼の奪還を天秤にかけ彼を優先した下村を当初は非難しており、2人の関係は一時的に悪くなった。しかし後になって下村が彼に謝罪したところ「君は君の仕事をしたまでだ、謝る必要無い」と発言して2人の関係は元に戻った。 武蔵重工の戦闘後、曽我部と見張りの警官を麻酔銃で眠らせ、捕獲されていた圭と中野を勝手に連れ出したために彼と下村は警察から行方を追われる。しかし、佐藤の殺人ガスを使った日本政府への脅迫を見て佐藤たちを止めることを決意する。 最終ウェーブでは落盤により左脚を負傷し佐藤に右肩を撃たれたが最終的には生還した。左脚負傷後、自身の最期を悟ったのか下村に「下村が亜人である証拠」は貸金庫にあり、その鍵は婚約者・愛の病室にあると告げ、下村と結んでいた契約を破棄して逃がそうとする。佐藤・田中捕獲時には米軍と交渉し2人を米軍に渡す代わりに圭と中野は日本政府の保護下にある亜人として手を出させないよう押し通す(下村は人間扱い)。アメリカ側が直前でガスの散布を思い止まったことを圭たちに伝え、曽我部へ自身の罪の免責を命令する。 佐藤達逃亡後は再び以前のメンバー集めて、圭へ召集の電話をする。 実写映画版 亜人管理委員会のトップという設定である。 下村 泉(しもむら いずみ)/ 田井中 陽子(たいなか ようこ) 声 - 小松未可子 / 演 - 川栄李奈 厚生労働省で戸崎の部下として動いている女性。正体は「亜人」であるが、戸崎の活動に協力することにより、その庇護を受け世間に正体を公表されることなく過ごせている。容姿は良く中野には「すげえキレイ」と評されている、左目に泣きぼくろがある。本来の誕生日は4月4日。喫煙者で「KOOL」を吸っている。黒い幽霊を操ることができ、本人はこれを「クロちゃん」と呼んでいる。彼女の黒い幽霊は、手の形状など人間に酷似した形となっているが、頭部が三角形の特徴的なシルエットを持っている。 実の父はすでに死亡しており母親の再婚相手の義父・聡(さとし)に強姦未遂の被害に遭い抵抗した際頭を強く打ち死亡、生き返ったことにより亜人と発覚するという壮絶な過去を持つ。意識を取り戻した時義父から政府に売られかけていたため家から逃げ出し、身売りをしながらわずかな金銭を稼ぎ点々と場所を変え2年ほど生活していた。行き倒れ兵庫県内の病院(兵庫医療センター)に運ばれたがその時には体が衰弱しきっており再び死亡、生き返った後戸崎に協力を頼まれ以後行動を共にし、名前も過去も捨てるため元の名前「田井中陽子」から父の名字「下村」と母の旧姓「泉」から取った「下村泉」に変えた。彼女にとって戸崎は恩人。母親・さわ子は最後の最後で陽子(泉)を守ろうと夫を包丁で刺し男から子供を守ったが、自分も刺され両者共に死亡した。彼女は亜人の存在をそもそも知らなかったため、本人は一度目の死亡の際生き返ったのではなく頭を打っただけと認識していた。 フォージ安全での田中との戦いでIBM同士の頭が接触し記憶の混線を起こしている。その影響もあってか、大臣との会談の場で佐藤に裏切られ拘束された田中を自分たちの戦力にするため助けに向かう。田中を連れ去る車の前に飛び出し車の進行を妨げ、大臣の部下たちを殺害し中野と共に田中を助ける。麻酔銃で田中を撃とうとする大臣に3発の銃弾を撃ち込む。 戸崎から彼女が亜人である記録を保管していると嘘をつかれていたが、それをなんとなく理解しており、それでも戸崎に付き従い、最後まで逃げない意思を示した。その後、2人は互いに感謝し合って別れる。 田中を仲間に加え、入間基地に潜入した彼女らは佐藤の腕を探す際にIBMを2体操る亜人と戦闘になる。田中が2体のIBMを相手にする中、屋上で大声を出していた亜人を見つけ突き落とす。柵の上に落下した亜人は身体が真っ二つになり、そのまま復活したため身動きが取れなくなる。その後はウソの作戦として滑走路上に車を並べる作業を担当し、佐藤の腕を入れる穴が見つかった後は不測の事態に備えて中野の元へ向かうも、戻って来た佐藤の乗っていた戦闘機が基地内の給油所に墜落し大爆発を起こす。その爆発で発生した落盤が乗っていた車の上に落ち横転する。車から抜け出すとそこには大量に発生したIBMたちの姿があり彼女と田中はIBMを出して対抗する。IBMたちを倒した彼女たちは基地を出て行くヘリに掴まる佐藤と圭の姿を見て後を追う。基地の壁を彼女のIBMの力で乗り超えてヘリを追跡するが見失ってしまう。二手に分かれ捜索するか口論していた彼女たちの前にバイクに乗った佐藤が現れる。麻酔銃を持っていた彼女は引き付けて撃とうと狙いを定めていたところ佐藤に頭を銃撃され麻酔銃を落としてしまう。麻酔銃を拾った田中は近づいてくる佐藤を狙うも撃つことが出来なかった。項垂れる田中を見て責めることはせず、田中の肩にそっと手を添える。死亡した民間人の携帯電話を使って中野に連絡を取り、佐藤のヘリの情報とヘリに圭がぶら下がっていたことを伝える。その後、佐藤を確保した圭のIBM粒子の狼煙を見つけ様子を見に行く。 佐藤逮捕後、冬服を着る季節に彼女は田中を呼び出す。彼女も田中も髪を切っており、見た目が前と変わっている。田中は彼女から新しい身分を作るのに必要な資料を貰う。それは戸崎が死亡する前に作っていたものだった。彼女も自分の分のそれを使い「下村」ではなくなっていた。彼女は田中に行く場所あるのか尋ねる、無いと言う田中を彼女は自宅に住まわせてあげると言う。田中は困惑しながらも着いて来る。アニメ版 永井慧理子の病室で田中のIBMに身体を貫かれた時、スーツの上着を着ていない(原作では着ている)。OAD2話では経理担当で金策のため潜伏地で温泉を掘り当て、その後に入浴している。彼女の過去のエピソードは大幅に省略・変更されている。 アルメイダに拉致された戸崎を奪還したい彼女と本拠地を移転したい圭とで口論になるが、大臣の密会のスケジュールは戸崎しか知らないと嘘をつき戸崎奪還を優先させた。古い地下壕で戸崎から契約を破棄され自由の身となるが、自らの意思で戸崎を守る。「新しい人生をありがとう」と戸崎に感謝し、勝ち目の無い佐藤へ挑む。佐藤に「断頭」されようとしていたところを圭のIBMによって助けられる。圭と中野と合流したところで佐藤も田中と合流する。彼女と中野で田中と戦うことになり、田中のIBMによって彼女は身体を貫かれる。その姿を見た中野がIBMを出現させ、田中の気を逸らし彼女が麻酔銃で眠らせ捕獲した。 米軍機から逃亡した佐藤たちを再確保するため戸崎の元に集まっている。 実写映画版 戸崎の秘書兼ボディーガードを務めている。 曽我部(そかべ) 声 - 鈴村健一 戸崎の後輩として厚生労働省で働いている男性。戸崎の後任候補として厚生労働省大臣から任命されている。 彼と大臣は戸崎が独断で勝手にオグラを監禁していることを知っていたが、あえて知らない振りをし事態が収拾したあかつきには戸崎に全ての責任を負って消えてもらおうと会話している。戸崎の情報を色々と知っており今のポストから引きずり下ろすことを本人の前で淡々と話す。彼は偉くなって裏の活動が出来なくなった亜人管理委員会で裏の活動を再建させるという夢を戸崎に語る。 戸崎が亜人管理委員会の極秘データを不正に持ち出したことが分かり殺害を企てる。麻酔銃で戸崎本人に詰め寄り、戸崎亡き後は自らが戸崎の秘書である田井中(下村)を管理すると宣言したところ、それを阻止しようとした戸崎に包丁で腹部を刺される。彼も側にあったアイスピックを手に取り戸崎の横腹に突き立てたが、その腕は力無く地に落ちた。 佐藤逮捕後、(彼と戸崎が刺し合いをした)入間市民体育館で身元不明の遺体が発見されたことが新聞に掲載される。アニメ版 彼と大臣の戸崎追放の企みの会話は下村のIBMによって密かに録音されていた。戸崎はこの音声データを「組織犯罪」の証拠として彼を脅迫し、第2ウェーブ最後の暗殺候補者・武蔵重工の橋口会長の護衛に下村と平沢たち4人(荷物の中に圭と中野が入っている)を潜り込ませる。この時、戸崎は亜人管理委員会から除名される予定だったため、このような強硬策を取る。また追加の要望として戸崎の除名処分の取り下げを彼に命令する。 最終ウェーブ時には首相と共にいる。自衛隊駐屯地に米軍が侵入し殺人ガスを積んだミサイルは米軍の管理下に置かれる。米軍は入手した殺人ガスを使い佐藤たちを捕獲しようする作戦を立てる。この作戦では数万人単位の民間人が犠牲になってしまうが日本政府には拒否権は無い。作戦実行まで猶予は無い、政府に残された道は作戦が実行される前に佐藤たちを確保することのみである。彼はこの状況を戸崎に報告し、戸崎は奥山たちを仲間に迎えた圭達を佐藤たちが潜む地下坑道に送る。 米軍機から逃亡した佐藤たちを再確保するため戸崎の元に集まっている。 コウマ陸佐 声 - 山本格 防衛省の人間だが、亜人管理委員会のメンバーの一人。 上官である陸上幕僚副長の指示で、別種対策が悪化した時のため急遽発足させられた仮の部隊「対亜人特戦群」通称「対亜」の指揮を執る人物。作中では「陸佐」と呼ばれているが、2巻で着用している陸上自衛隊の制服の肩に付けている階級章は1等陸佐のもので、また左胸にはレンジャー徽章を付けている。対亜からの電話「コウマ1等陸佐」と呼ばれており、この時に正式な階級が判明する。 戸崎からは「佐藤の危険性を理解している」と評価されており、最終ウェーブの際には戸崎の説得に応じ、身の危険を顧みず対亜を出動させる。 佐藤逮捕後、入間基地内で目撃された「黒ずくめの一団」について事情を知っているとみられるとして「コウマ元1等陸佐」と呼ばれ黙秘を続けているとニュースで流れる。アニメ版 武蔵重工への宣戦布告後、対亜は合法な部隊となったためか対亜の出動の可否に彼が関係する描写は見られない。 米軍機から逃亡した佐藤たちを再確保するため戸崎と行動を共にしている。 岸 祐二 声 - 稲葉実 亜人管理委員会のメンバーである「三人の研究員」の一人で篠崎生命科学研究センターに所属する初老の男性。岸先生と呼ばれている。 田中の作成した暗殺リストの上から11番目(1番下)に掲載されており、若井に売られる形で逃亡先で妻もろとも田中のIBMに殺害された。アニメ版 若井に売られるという展開は無く、彼を警護している警察の動向から居場所を知られて殺害される。暗殺リストでは3番目に掲載されている。 若井 浩明 声 - 中村章吾 亜人管理委員会のメンバーである「三人の研究員」の一人でロン毛が特徴の比較的若い男性。 身の安全と引き換えに内通者として岸や戸崎の情報を佐藤らに流していたが、秘密の会合が行われる暗殺予定地の料亭に戸崎が現れなかったことが気に入らなかった高橋にIBMで殺害される。暗殺リストには掲載されていなかった。アニメ版 佐藤らに情報を流してた描写は無く、生配信中に殺害された。暗殺リストの1番目に掲載されていたので岸より先に殺された。 太居教授 声 - こねり翔 亜人管理委員会のメンバーである「三人の研究員」の一人で丸眼鏡にひげ面が特徴の恰幅の良い男性。三人の中で唯一生き残る。 大臣 声 - 大川透 / 演 - 中村育二 厚生労働省大臣。戸崎たちを使い亜人保有を優先に考えている男。戸崎に「金は好きか?」と質問し、勧誘している。だが、秘密の会談を行う料亭で高橋のIBMに鼻先を斬られたことで恐怖にかられ、戸崎の組織活動を全面停止と、佐藤との対話を進めるという弱腰になる。佐藤たちとの交渉の地に田中しか現れなかったため拘束する。田中移送中に田中を仲間にと目論む下村と中野の襲撃に遭い、麻酔銃で撃とうとしていたところを下村に撃たれる。 佐藤逮捕後、亜人管理委員会の不正証拠資料が公開され、戸崎の告発した内容が事実と認められる。それを受けてか「元厚生労働大臣」として逮捕される様子がニュースで流れる。アニメ版 名前は「徳井 悠和」。顔半分が影で隠される演出は最初から無い。頭が禿げている。暗殺リストの14番目に掲載された。内閣次官と密会する場所で佐藤たちに襲撃される。その際に佐藤たちの手際の良さを褒め、要求を認めるとして取り入ろうとするものの嘘と見抜かれ佐藤に射殺される。 木戸(きど) 声 - 山本兼平 亜人管理委員会のメンバーの一人、髪を後ろで束ねている。中村慎也を亜人に関する特別措置法に基づき捕獲しに5人の部下を引き連れ現れる。裕介を誤射し殺害したことで、中村のフラッド現象を発生させるきっかけを作ってしまい、別種の発見に喜ぶも現れた多数のIBMによって殺される。戸崎が大臣に亜人管理委員会に勧誘された場に銃を携えて同席している。その後、戸崎を田中を使った新車の衝突実験の場に案内している。アニメ版 田中を使った軍事兵器の性能テストの場に案内している。亜人を貸し出していることを察した戸崎に「さすが出世頭」と褒めている。
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