主要諸元一覧とは? わかりやすく解説

主要諸元一覧

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/03 15:55 UTC 版)

H-IIAロケット」の記事における「主要諸元一覧」の解説

H-IIAロケット主要諸元一覧段数(Stage)第1段固体ロケットブースタ(1本あたり)固体補助ロケット(1本あたり)第2段衛星フェアリング4S型)全長37.2 m 15.2 m 14.9 m 9.2 m 12.0 m 外径4.0 m 2.5 m 1.0 m 4.0 m 4.07 m 質量114 t 76.6 t(長秒時)75.5 t(高圧) 15.5 t 20.0 t 1.4 t(衛星アダプタ分離部含む) 使用エンジンLE-7A SRB-A3 キャスターIVA-XL LE-5B推進薬重量101.1 t 66.0 t(長秒時)64.9 t(高圧) 13.1 t 16.9 t - 推進薬液体酸素液体水素(LOX/LH2) ポリブタジエンコンポジット固体推進薬 ポリブタジエンコンポジット固体推進薬 液体酸素液体水素(LOX/LH2) - 推力1,098 kN112 tf)(長ノズル)1,074 kN(109.5 tf)(短ノズル)(真空中) 2,262.5 kN231 tf)(最大推力) 745 kN76 tf)(最大推力137 kN14 tf)(真空中) - 比推力440 sec(長ノズル429 sec(短ノズル)(真空中) 283.6 sec 282 sec 448 sec真空中) - 有効燃焼時間390 sec 116 sec(長秒時)98 sec高圧60 sec 530 sec姿勢制御方式エンジンジンバル補助エンジン ノズルジンバル 無し エンジンジンバルガスジェット装置 - 主要搭載電子装置誘導制御計算機 横加速度計測装置 レートジャイロ パッケージ 制御電子パッケージ データ収集装置 テレメータ送信機 電動アクチュエータコントローラ 駆動電源分配器誘導制御計算機 慣性センサユニット 電動アクチュエータコントローラ データ収集装置 テレメータ送信機 レーダトランスポンダ2台 指令破壊受信機2台 - 第1段機体 LE-7Aエンジン LE-7AエンジンH-IIAロケット第1段エンジンで、推進薬液体水素液体酸素用いた国産大型液体燃料エンジンである。H-IIロケット第1段エンジンとして開発されLE-7エンジン元に性能維持しつつ費用縮減図られている。 リフトオフの約5秒前に点火され第2段との切り離しまでの約390秒間燃焼する開発当初下部ノズルスカートを装着したノズル構成では、エンジン起動時過大な横方向推力発生する問題があり、短ノズルのみを使用して回避していた。そのため、静止トランスファ軌道GTO投入能力換算して400 kg性能低下起きていた。8号機9号機および11号以降では、新たに開発された完全再生冷却型の長ノズル使用され、本来の性能発揮できるようになっているまた、液体水素ターボポンプ液体酸素ターボポンプには、使用開始後にも改良加えられている。(LE-7Aエンジン参照9号以降では、SRB-Aを4基使用した打ち上げ時の推力に耐えられるように、機体構造強化が行われている。また、15号機(202型)にも使用したSRB-A・4本装着用(202/204共用)の1段コア機体構造は、2本装着専用比べ質量が約600 kg大きくなっている。23号機(202型)からはエンジン周りSSB取り付け部を省略して構造簡素化したことによって120kgの軽量化果たしている。 第2段機体 LE-5BエンジンLE-5B-2エンジン LE-5BエンジンH-IIAロケット第2段エンジンで、第1段同様に液体水素液体酸素推進薬とした国産液体燃料エンジンである。H-Iロケット第2段エンジンとして開発されLE-5エンジン元にH-IIロケット第2段用のLE-5Aエンジン、そしてこのLE-5Bエンジンと、徐々に性能向上が図られてきている。先代LE-5Aエンジン比べると、大幅な費用縮減図られている。 燃焼圧の変動抑えた改良型LE-5BエンジンであるLE-5B-2開発進められ14号機から使用されている(LE-5Bエンジン参照)。 LE-5BLE-5B-2エンジン再々着火第3回燃焼)が可能である。衛星をより遠い軌道まで運搬する再々着火実用化は「基幹ロケット高度化」の一要素である「静止衛星打ち上げ応能力の向上(長秒時慣性航行機能獲得)」のための第2段機体エンジン改良開発適用され29号機の打ち上げが初となった実用化のための先行実験として、2号機打ち上げ1時間40分後の主衛星分離後再々着火試験が行われたほか、21号機では燃料蒸発を防ぐための第2段液体水素タンク表面機体塗装白色化のみが、24号機では第2段エンジン新開発予冷のみが適用され26号機で白色塗装新開発予冷合わせて適用された。第2段エンジン再々着火実用化されたことにより、静止トランスファ軌道GTO)の遠地点近傍のロングコースト静止トランファ軌道への静止衛星投入が可能となり、衛星側の軌道変更燃料使用少なくでき、従来より静止衛星3年から5年延命させることができるようになった。これによりH-IIAロケット商業受注における競争力向上している。(下記基幹ロケット高度化参照H-IIAロケットHOPE-X打上げ形態案(H2A1024)のように、第2段使用せず第1段ロケットだけを使用することも可能であるが、実際に第1段のみで打ち上げられことはない。 固体ロケットブースタ SRB-ASRB-A改良型SRB-A3 SRB-AIHIエアロスペース製造する固体ロケットブースタH-IIロケット用のSRBでは高張力鋼4分割構造ボルト接合していたが、これを炭素繊維強化プラスチック (CFRP) 製の一体成型変更し大幅な費用縮減図られている。 H-IIAロケットにおいては第1段両脇SRB-Aを2基装着する構成基本とし、衛星質量に応じて4基構成をとることも出来る。カウントダウンX-0と同時に点火されH-IIAロケット離床させるためのもっとも大きな推力発生する。約100 - 120秒間燃焼した後に2基ずつ分離される11号機では、初めSRB-A改良型の4基構成での打ち上げが行われた。 6号機ではSRB-Aノズル部分破損打ち上げ失敗原因となったため、7号機からは信頼性上のために最大推力落として燃焼時間延長した長秒時型のSRB-A改良型使用していた。そのため静止トランスファ軌道GTO投入能力換算して300 kg性能低下起きていた。15号機からは本来の能力回復したSRB-A3使用されている(下記の#SRB-Aのノズル形状変更と能力回復参照)。 SRB-A3高圧燃焼型と長秒時燃焼型のモータ2種類運用しており、2本1組使用する場合には必要な打上げ能力に応じて2種モータどちらか選択し、4本1組使用する場合にはロケット機体加速度制限等により長秒時燃焼モータ適用する固体補助ロケットSSBキャスターIVA-XL アメリカにある世界最大固体燃料ロケットメーカー、ATKランチ・システムズ・グループキャスターIVA-XL元にH-IIAロケット取り付けるためのモータケース改造や、信頼性上のためにノズルスロート部の材料変更などを行ったのであるH-IIAロケットでは、搭載する衛星質量あわせてSSB無し、2基、あるいは4基構成を取ることができる。特にLE-7Aの長ノズル開発遅れていた初期の打ち上げSRB-A改良型使用していた時には、その推力不足を補う目的でも活用されていた。その後2007年度H-IIAロケット打ち上げ業務の移管受けた三菱重工は、H-IIAラインアップ整理のため、移管後に新規に受注した機体からはSSB廃止した23号機からは1段目エンジン周りSSB取り付け部を省略している。 SSBは、リフトオフ同時ではなく、約10秒後に空中点火される。これは、射点燃焼ガスから守るための措置である。SSB4基構成場合は、リフトオフ後の約10秒で最初の2基が点火され最初の2基の燃焼終了後に、残りの2基が点火される最初の2基は、燃焼終了後すぐには分離せずに、空気十分に薄くなる高度に達した後に、SRB-Aとともに分離される損失大きこの手順を取る理由は、機体掛かる動圧低減と、空気抵抗による分離シーケンスでのリスク最小限抑えるためである。なお、それまで打ち上げた衛星の中で最も重い質量約4.65 tのひまわり7号打ち上げた9号機、@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}およびその後12号機[要出典]では、長秒型SRB-Aとの組み合わせでの打ち上げ能力最大限確保するために、4基のSSB同時に燃焼させる手順変更されリフトオフ10秒後に最初の2基が、20秒後に次の2基が点火された。 液体ロケットブースタ(LRB初期の構想では、さらに打ち上げ能力増強するため、上記SRB-Aを2基を使用した標準型に、LRBを1基、あるいは2基を装着する増強型構想があった。この構想H-IIBロケット開発置き換えられた(詳細下記ラインナップの変遷参照のこと)。 LRB第1段機体ベースに、LE-7Aエンジンを2基クラスタ化して搭載したブースタとして使用するもので、燃料タンク搭載機器エンジンなど多く第1段共通化する予定であった技術試験衛星VIII型(きく8号)や宇宙ステーション補給機HTVこうのとり)、HOPEホープ)はLRB使用して打ち上げる予定であった衛星フェアリング 川崎重工開発・製造するフェアリングで、打ち上げ時の振動大気圏抜けるまでの空気抵抗空力加熱から衛星保護するためのカバーである。ロケット先端部分取り付けられている。大気圏通過した後の高度約150 km付近で、ロケット重量出来るだけ軽くするために(2段式は上部のみ)分離される海面落下し浮かんでいるフェアリング回収船で海上回収される回収されたものの一部は、フェアリング活用した商品開発をする企業等無償提供された事もある。 ロケット本体と同じ直径4m4S型のほか、大型衛星用直径5m5S型や、2個の衛星同時に軌道投入できる4/4D-LS型、4/4D-LC型、5/4D型の計5種類フェアリング用意されている。増強型構想ではHTV用に5S-H型フェアリング使用考慮されていたが、H-IIBロケット開発決定したためH-IIAロケットでは用いられないフェアリング種類によって打上能力違い、H2A204型では4S型と4/4D-LC型でGTOへの投入能力850 kgの差がある。 衛星分離部(PAF衛星ロケットの間に配置され両者結合するために使用される部品で、衛星とは締結ボルト固定される。937M-スピン型、937M-スピンA型、937M型、937MH型、1194M型、1666M型、1666MA型、1666S型、2360SA型、3470S型などがあり、衛星大きさ放出機構合わせて十数種類の中から選択される衛星分離時には衛星分離部を接合している締結ボルト爆薬火工品)で爆破して一気切断して衛星分離する方法採用しているが、この方法は確実に分離行え利点があるものの衛星に伝わる衝撃大きいという欠点があった。そこで基幹ロケット高度化合わせて、クランプバンドで締結しておいた接合部電気的にラッチ機構解放することで衛星分離する方法改めて、衛星に伝わる衝撃低減することになった30号機で低衝撃衛星分離機構先行実験として、従来衛星分離部をかさ上げして余剰スペースダミー機構搭載して宇宙空間実際に作動させる実験行った。 サブペイロード 打ち上げ能力余裕がある場合は、サブペイロードとして1辺50 - 70 cm小型衛星最大4個まで搭載可能である。さらに、1辺10 - 30 cm超小型衛星に関して50 - 70 cm衛星1機分空間3 - 4搭載可能である。これを利用して15号機では主衛星のいぶきの他に1辺50 - 70 cm衛星3機と15 - 30 cm衛星4機の合計8基を同時に打ち上げている。 JPOD 20 cm以下の公募衛星に対して標準化し分離機構提供するため、17号機では初めてJ-POD (JAXA Picosatellite Orbital Deployer)と呼ばれる箱型装置小型衛星空間搭載された。10 cm級の衛星であれば田の字型並んだ4つ発射孔を持つJ-PODが使われ20 cm級の衛星であれば1機のみ搭載できるJ-PODが使われる17号機では前者タイプ使われ公募衛星のうち3機が1つのJ-PODから放出された。なおJ-POD自体20 kg程度重量占め役目終えると切り離されるアビオニクス 21号機までは、RX616リアルタイムOS32ビットMPUのV70を採用したNEC開発した誘導制御計算機搭載していたが、部品枯渇対応するため新たにほぼ全てのアビオニクス新規に開発された。新たなアビオニクスのうち、JAXA情報計算工学センター開発した新型のTOPPERS/HRPリアルタイムOSと、NEC開発したV70より10高性能64ビットMPUのHR5000を採用した新型誘導制御計算機新型慣性センサユニットなどは、H-IIB3号機初め適用されH-IIAでは他のアビオニクス加えて22号機から適用される新型誘導制御計算機高速小型・軽量モジュール化図られており、新型MPUボードイプシロンロケット含んだ今後JAXAロケットの共通基盤となる。

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主要諸元一覧

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GSLV」の記事における「主要諸元一覧」の解説

GSLV-MkI(c) F06 主要諸元一覧段数ブースター L40H第1段 S139第2段 L37.5H第3段 C15使用エンジンヴィカース2 S139 ヴィカース4 KVD-1 推進薬N2O4/UH25 ポリブタジエンコンポジット固体推進薬(HTPB) N2O4/UH25 液体酸素液体水素(LOX/LH2) 推力763 kN(4基、計3,052 kN) 4,768 kN 799 kN 73.5 kN 比推力262237295460 秒 有効燃焼時間148107137 秒 838 秒 各段全長19.7 m 20.1 m 11.6 m 9.8 m 外径2.1 m 2.8 m 2.8 m 2.8 m 質量47.8 t 161.1 t 44.3 t 17.9 t 推進薬質量42.7 t 138.1 t 39.5 t 15.2 t 全長51.3 m 全体質量418.5 t 静止トランスファ軌道 (GTO)2,310 kg GSLV-MkIIA F11 主要諸元一覧段数ブースター L40H第1段 S139第2段 GL40第3段 CUS15使用エンジンヴィカース2 S139 ヴィカース4 CE-7.5 推進薬N2O4/UH25 ポリブタジエンコンポジット固体推進薬(HTPB) N2O4/UH25 液体酸素液体水素(LOX/LH2) 推力763 kN(4基、計3,052 kN) 4,768 kN 799 kN 75 kN 比推力262237295454 秒 有効燃焼時間149107149846 秒 各段全長19.7 m 20.2 m 11.9 m 9.9 m 外径2.1 m 2.8 m 2.8 m 2.8 m 質量47.7 t 160.9 t 47.3 t 17.6 t 推進薬質量42.7 t 132.2 t 42.2 t 15.0 t 全長50.9 m 全体質量421 t 静止トランスファ軌道 (GTO)2,250 kg ブースター 直径2.1 mの液体燃料ロケットであり、最初打上であるGSLV-MkI D1ではL40ブースターを、以降打上ではより高圧エンジン搭載したL40Hブースターを4基使用している。このブースター第2段L37.5の改良型であり、42.7 tの自己着火性推進剤(N2O4/UH25)がターボポンプエンジン供給され、1基あたり760 kN推力150秒間燃焼する推進剤独立した直径2.1mのタンク貯蔵されるジンバルによって制御される第1段 直径2.8 mのM250高張力鋼製、固体燃料ロケットである。最初打上であるGSLV-MkI D1ではS125モーターを、以降打上ではより大型のS139モーター使用している。S125推進剤125 t/燃焼時間100 秒、S139 は推進剤139 t/燃焼時間109 秒で最大4,700 kN推力生み出すブースター飛行制御依存しているが、オプション二次噴射装置利用可能である。投棄時は2段エンジン点火後、FLSC接手爆破により分離される第2段 直径2.8 mの液体燃料ロケットでヴィカースエンジンを動力として、約800 kN推力を出す。自己着火性推進剤を、L37.5Hで39.5 t、GL40で42.2 t使用する2つアルミニウム合金製の貯蔵タンクは共通の仕切り区切られるブースターシャットダウン前に点火することでアレッジモーターを省いている。ピッチヨー制御ジンバルロール制御コールドスラスタにより行われる第3段とは作動時の衝撃比較小さいマルマンクランプ方式分離接手により接続されている。 第3段 直径2.8 mの液体燃料ロケットである。GSLV-MkIではロシア製のKVD-1Mk IIではインド国産のCE-7.5エンジン搭載している。いずれも液体酸素および液体水素(LOX/LH2)を用い二段燃焼エンジンである。しかし、2010年4月Mk II初打ち上げは、CE-7.5燃料ターボポンプ故障により失敗終わった。後の2014年1月打ち上げで初の成功収めた。 このステージは再点火可能であり、フライトコンピュータと慣性誘導装置テレメータ用Sバンドアンテナ、追跡用Cバンドトランスポンダを搭載している。制御旋回可能な2基のバーニアよる。GSLV-Mk IIのCUS12で12.8 t、CUS15で15 t推進剤使用する第4段オプションPSLV第4段類似したPAM-G上段ステージオプションとして利用できる

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