液体水素タンク
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/07 17:39 UTC 版)
「スペースシャトル外部燃料タンク」の記事における「液体水素タンク」の解説
液体水素タンクはETの底部を構成する部分で、前部ドーム・後部ドームおよび四つの円筒によって作られている。円筒部は5本のリング状の桁によって接合されていて、この桁が負荷を分散する。前部ドームとそのすぐ下の円筒部を接続するリング桁は、タンク間構造体から来た力を受け取ると同時に、液体水素タンクとタンク間構造体を接合する役目も持っている。また最後部のリング桁は、メイン・エンジンとSRBが発生した推力を、ETと軌道船およびSRBの後部接続部を通して受け取る。残りの中間の三本のリング桁は、軌道船からの推力および液体酸素供給管の負荷を受け取る。リング枠に伝わってきたすべての負荷は、そこからETの表面に分散される。液体水素タンクの容積は, 1,514.6m3(29.3psig、−252.8 °C時)である。 前方部と後方部のドームは同じ半球形になっている。前部ドームには圧力逃がし弁、加圧器、電力供給線などが搭載されていて、後部ドームには液体水素を供給管のフィルターに送り込むための排出口や、供給管の支持構造などがある。 また液体水素タンク内にも、液体酸素タンクと同じように渦の発生や液体の動揺を抑えるための抑流板が設置されている。渦流抑制板は後部ドームのすぐ上の吸い上げ管のところに設置されている。液体水素は直径450mmの管を通り、左側接続部分を経由してメイン・エンジンに送り込まれる。液体水素の供給量は、SSMEが104%の最大出力で稼働している時点で毎秒211kgで、最大流量は毎秒2.988m3である。
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