機体の分解
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/07 06:44 UTC 版)
「チャレンジャー号爆発事故」の記事における「機体の分解」の解説
T+72.284、右側SRBが外部燃料タンクの尾部接続部から明らかに引きちぎられた。後のテレメトリーデータ分析によると、T+72.525に右方向への突然の加速が生じており、これは乗組員にも感じられたかも知れない。この加速の0.5秒後にはマイケル・J・スミス(Michael J. Smith)飛行士が「おや(Uh, oh.)」と言い、これが乗員室の会話録音機が捉えた最後の発言となっている。あるいはスミスは機内の計器に示されたメイン・エンジンの出力状態か、または外部燃料タンクの圧力低下に反応したのかも知れない。 T+73.124、液体水素タンクの尾部ドームが破損し、液体水素タンクを外部燃料タンクの前部にある液体酸素タンクの方向に押し上げる力が働いた。同時に、右側SRBは前部接続部を中心に回転し、タンク間構造体と衝突した。 T+73.162、高度14,600mで機体の分解が始まった。外部燃料タンクが分解しつつあったため(中途半端に分離する形となった右側SRBが不規則な方向と強さで推力を与えたことも影響した)、チャレンジャーは局所的な気流に対する正しい姿勢から外れてしまい、設計上の限界値の5Gをはるかに超える20Gもの空力負荷を受けたことにより軌道船は瞬時に引き裂かれた。それよりも大きな空力負荷に耐えられる2機のSRBは外部燃料タンクから外れ、その後37秒間にわたって無制御の動力飛行を続けた。SRBの外殻は厚さ12.7mmの鋼鉄でできており、軌道船や外部燃料タンクよりもはるかに頑丈だった。かくして、特に右側SRBはチャレンジャーの破壊を招いた接続部の焼損による影響を依然として受けていたにも関わらず、2機のSRBはシャトル全体の分解の後も持ち堪えた。
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