機体の不具合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/22 16:07 UTC 版)
「エジプト航空990便墜落事故」の記事における「機体の不具合」の解説
エジプト側の調査機関は、「事故機の昇降舵には不具合があり、これが事故の原因である」と主張した。これは空軍出身のムバラク大統領が、事故直後に「自分の経験からすれば、昇降舵の不具合と思われる」という個人的なコメントを行ったことで、昇降舵に原因を求めるのがエジプト側の基本方針とされたことによる(当時のエジプトは実質的にムバラク大統領の独裁政権であった)。しかし、当該機種であるボーイング767において、昇降舵に重大な不具合が発生した事例は、過去に報告されていなかった。 アメリカ側は、機体の故障の可能性について検討し、エジプト側に回収した残骸を含む資料と情報も提供した。しかし、アメリカ側・エジプト側の双方ともに、昇降舵が原因であることを客観的に説明することはできなかった。 また、1991年にタイで発生したラウダ航空の同型機の事故と同じく、エンジン制御システムの誤作動による逆噴射が原因との指摘もあったが、そのような誤作動が起こった痕跡は見られなかった。また、ボーイング社はこれを否定した。エジプト航空が当該事故について社員に対して箝口令を敷いたため、エジプト航空はアメリカ側の調査にほとんど協力しなかった。
※この「機体の不具合」の解説は、「エジプト航空990便墜落事故」の解説の一部です。
「機体の不具合」を含む「エジプト航空990便墜落事故」の記事については、「エジプト航空990便墜落事故」の概要を参照ください。
- 機体の不具合のページへのリンク