SRB-Aのノズル形状変更と能力回復
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「H-IIAロケット」の記事における「SRB-Aのノズル形状変更と能力回復」の解説
元々SRB-Aにおけるノズルの局所エロージョン(侵食)問題は深刻であり、当初からノズルの外周を補強するなどの対策を取っていたが、とうとう6号機でノズルに穴が開き、ロケット打ち上げ失敗の原因となった。7号機から13号機まではノズル形状をそれまでのコーン型(円錐型)から局所エロージョンの起きにくいベル型(釣鐘型)に変更し、さらに燃焼パターンを変更して燃焼圧を抑える長秒時型のモータを使用する事によって安全を確保していた。この対策で重力損失が大きくなり低下したSRB-A改良型の能力を回復させるためSRB-A3の開発が行われ、2007年10月に認定型モータの燃焼試験を終えた。14号機に適用された高圧型のSRB-A3は、安全性に余裕を持たせるため、7号機 - 13号機と同様に厚肉型のノズルになっている。 15号機からノズル部も含めて本来のSRB-A3が適用されている。これは長秒時型のモータで運用され、H2A204と同様に長秒時型で運用されるH-IIBロケット初号機の打ち上げには間に合ったものの、高圧型のSRB-Aを用いる202型の打ち上げ能力は回復していなかった。その後、高圧型の認定型モータ燃焼試験も2009年11月に終えている。この高圧型SRB-A3の運用はみちびきを打ち上げる18号機から行われており、これにより202型ではGTO約4トンという本来の打ち上げ能力が達成できる見込み。なお、SRB-A3は搭載する衛星・探査機に応じて高圧型・長秒時型を使い分けて運用している。
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