モータケース
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 19:50 UTC 版)
CFRP(炭素繊維強化プラスチック)のフィラメント・ワインディング方式による一体成形モータケースを採用したことで、従来の高張力鋼製と比較して2倍の強度と約80%の軽量化を実現した。また、同時に費用が大幅に削減されている。 成形工程はチオコール社(現ATK)のキャスター120の製造において実績のある技術のライセンスを用いて進められる。開発試験用と原型モータ (EM) 地上燃焼試験用のモータケース2式のみはチオコール社の工場で成形したものを輸入したが、以降はIHIエアロスペース富岡工場で生産されている。原材料として炭素繊維は東レT1000GB、樹脂は双日が輸入したATK製の樹脂を用いている。 SRB-Aの開発は4年という短期間で行われる予定であった。当時、M-3SIIロケット用のKM-M、M-Vロケット用のKM-V1、M-34等のCFRP一体成形モータを作る技術は有していたものの、SRB-Aのような大型モータケースの成形を行った実績は無く、当初の開発期間で一から開発を行うことは困難であったため、ライセンス生産という形にせざるをえなかった。しかし、2009年現在ではM-Vロケット用のM-25モータ等の開発によって、大型のCFRP一体成形モータケースを独自に生産することは可能となっており、H3ロケットで使われるSRB-3では国産化される。
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