各段の構造と制御
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/08 09:39 UTC 版)
一段目のM-14は内面燃焼の固体燃料ロケットを高張力鋼 (HT-230M) のモーターケース(液体ロケットのエンジンに相当)に納めており、姿勢制御は可動ノズルによる推力偏向制御 (Movable Nozzle Thrust Vector Control、MNTVC) によって行われる。一般にMNTVCはジンバルに接続された燃焼室の向きを変えることで行われるが、M-Vでは柔軟な素材で製作されたノズルの形を変形させることで行われる。二段目のM-24も高張力鋼のモーターケースを持つが、姿勢制御はノズル内部への液体噴射による推力方向制御 (Liquid Injection Thrust Vector Control、LITVC) が採用されている。三段目のM-34ではモーターケースの素材として炭素繊維強化プラスチック (CFRP) が採用されている。オプションで4段目にキックモーターを搭載することも可能であり、その場合には月遷移軌道や太陽周回軌道に500kgの探査機を打ち上げることが可能となる。キックモーターKM-V1のモーターケースの素材も炭素繊維強化プラスチック (CFRP) である。 またM-34とKM-V1では全長を短縮するために、ロケット収納時には折り畳まれ分離後に全長が伸びる伸展ノズルが採用された。この伸展ノズルはM-3SIIロケット4号機のキックモーターではじめて実用化されたものである。M-34の姿勢制御にはMNTVC、KM-V1にはスピン安定が採用されている。
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