指令破壊
「指令破壊」とは、打ち上げに失敗したロケットに地上の管制棟から機体を破壊する信号を送り、飛行を中断させる措置のことである。
破壊指令は、打ち上げたロケットに何らかを不具合が生じて成功する見込みが失われた場合に送信される。もし破壊措置を行わなければ、ロケットは想定外の軌道を飛び続けた末に地上に落下して思わぬ被害を生じる可能性もある。そうした事態を未然に防ぐため、指令破壊によってロケットの推進力を強制的に奪い、海上などに落下させるわけである。
指令破壊を受信したロケットは推進力を奪うために火薬を用いて爆破する。ロケット全体が自爆して粉々になるわけではない。
指令破壊を実行するためにロケットに送信される信号は「破壊指令」あるいは「破壊指令信号」と呼ばれることがある。
指令破壊は、ロケットが想定した軌道から大きく逸れてたり、あるいは多段式ロケットの分離や点火が正常に機能しなかったりして、修正不可能と判断されたした場合に行われる。やむを得ない措置であり、打ち上げに携わった側としては苦渋の決断に他ならない。指令破壊の措置が取られたロケットは「打ち上げに失敗」と報じられることになる。
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