合成樹脂
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/27 04:58 UTC 版)
性質上の分類
高分子材料である合成樹脂は熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂に分けられる[11]。
熱硬化性樹脂
熱硬化性樹脂 (英: Thermosetting resin) は、加熱すると重合を起こして高分子の網目構造を形成し、硬化して元に戻らなくなる樹脂のこと[12]。網化状樹脂、橋かけ形樹脂、三次元化樹脂ともいう[11]。熱硬化性樹脂には縮合重合形と付加重合形がある[11]。
縮合重合形
縮合重合形フェノール樹脂やメラミン樹脂などがある[11]。
など
付加重合形
付加重合形にはエポキシ樹脂などがある[11]。
- エポキシ樹脂(EP)
- 不飽和ポリエステル樹脂 (UP)
- ポリウレタン(PUR)
など
熱可塑性樹脂
熱可塑性樹脂 (英: Thermoplastic resin) は、ガラス転移温度または融点まで加熱することによって軟らかくなり、目的の形に成形できる樹脂のこと。線状樹脂ともいう[11]。一般的に、熱可塑性樹脂は切削・研削等の機械加工がしにくいことが多く、加温し軟化したところで金型に押し込み、冷し固化させて最終製品とする射出成形加工等が広く用いられている。成形法にはほかにも、金型から押し出して成形する押出成形など様々な成形法が存在する[13]。熱硬化性樹脂よりも靭性が優れ、成形温度は高いが短時間で成形できるので生産性が優れる。
熱可塑性樹脂には結晶性樹脂と非結晶性樹脂(無定形樹脂)がある[11]。
結晶性樹脂
結晶性樹脂にはポリエチレンやポリプロピレンなどがある[11]。
非結晶性樹脂
非結晶性樹脂にはアクリル樹脂やポリカーボネートなどがある[11]。
注釈
- ^ 物質名称以外の表現で用いる場合、(柔軟で)感受性の強い性格、作り笑いなどの人工的な・不自然な、あるいは形成・造形を指す場合に用いる。
出典
- ^ Cassone et al. (2020) は、合成樹脂を摂食する動物を指すことばとして "plastivore" という単語を使用している[21]。これは "plastic"と、「-を食べる動物」を意味する接尾辞"-vore"とを組み合わせた造語である[22]。
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