アラミドとは? わかりやすく解説

アラミド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/14 00:57 UTC 版)

芳香族ポリアミド系樹脂ケブラーの構造。六角形のベンゼン環を含む化合物を芳香族化合物(aromatic compound)と呼ぶ。ベンゼン環同士がアミド結合(−CO−NH−)によって連続した状態(ポリマー)となっていることが確認できる。
ベンゼンにつくの位置による呼び方。起点となる基(R)から隣に順々にオルト、メタ、パラと区別される。よって、上記のケブラーはパラ-アラミドに分類される。一般的に基同士が離れていた方が物質としての安定性が高く、反応性の低い基が結合していると更に安定する。

アラミド英語: aramid)とは、芳香族ポリアミド樹脂の総称で、高い耐熱性と切断・摩耗などに強い性質を持つ合成繊維である。石綿の代わりや、消防士用の防火衣、警察などが着用する防弾ベスト、船体の補強や縄、航空産業などに採用される[1]

アメリカ合衆国における公正な取引を監督・監視する政府機関である連邦取引委員会は、アラミドを「ベンゼン環に直接二個、少なくとも85%以上がアミド結合(−CO−NH−)によって結合し、繊維状の長鎖となった合成されたポリアミドからなる人造繊維」と説明している[2]

名称は、芳香族ポリアミドの英語名 aromatic polyamideかばん語である。

歴史

1960年代初期に、化学メーカーデュポンによって、メタ-アラミドのノーメックスが発明された[3]

1973年にデュポンによって、ケブラーと呼ばれる代表的なパラ‐アラミド繊維が世界で初めて販売された。

一覧

パラアラミド繊維
メタアラミド

脚注

  1. ^ Hillermeier, Karlheinz (1984). “Prospects of Aramid as a Substitute for Asbestos”. Textile Research Journal 54 (9): 575–580. doi:10.1177/004051758405400903. 
  2. ^ Commercial Practices, Part 303, §303.7 Generic names and definitions for manufactured fibers.
  3. ^ James A. Kent, ed (2006). Handbook of Industrial Chemistry and Biotechnology. Springer. p. 483. ISBN 978-0-387-27842-1. https://archive.org/details/kentriegelshandb00afta 

参考文献

  • J A Reglero Ruiz; M Trigo-López; F C Garcia; J M Garcia (2017). “Functional Aromatic Polyamides”. Polymers 9 (12): 414. doi:10.3390/polym9090414. 
  • JWS Hearle (2000). High-performance fibers. ISBN 978-1-85573-539-2 
  • Doetze J. Sikkema (2002). “Manmade fibers one hundred years: Polymers and polymer design”. J Appl Polym Sci (83): 484–488. 
  • Kh. Hillermeier; H.G. Weijland (1977). “An aramid yarn for reinforcing plastics”. Plastica (11): 374–380. 
  • DuPont and Teijin to expand aramid production – September 2004

アラミド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/06/24 22:07 UTC 版)

ポリアミド」の記事における「アラミド」の解説

芳香族ポリアミド(アラミドとも呼ばれる)は、高耐熱性・高強度エンジニアリングプラスチックである。この特性芳香族ポリアミド分子として直鎖状の構造持っていることに起因する。その化学構造によりパラ系アラミド・メタ系アラミドに大別される

※この「アラミド」の解説は、「ポリアミド」の解説の一部です。
「アラミド」を含む「ポリアミド」の記事については、「ポリアミド」の概要を参照ください。

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