エチレン酢酸ビニルとは? わかりやすく解説

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エチレン酢酸ビニル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/26 08:45 UTC 版)

エチレン酢酸ビニル
識別情報
略称 EVA; PEVA
CAS登録番号 24937-78-8 
PubChem 32742
ChemSpider none
UNII 4OKC630HS6 
特性
化学式 (C2H4)n(C4H6O2)m
モル質量 Variable
危険性
安全データシート(外部リンク) MSDS[リンク切れ]
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。
EVAの拡大図
EVAポリマー

エチレン酢酸ビニル(エチレンさくさんビニル、Ethylene-vinyl acetate, EVA)は、エチレン酢酸ビニル(VA)の共重合体である。酢酸ビニル(VA)の重量パーセントは、通常10-40%で、残りはエチレンである。

広く言うと、VAの含量及び材料の使い方により、3つのタイプのEVAがある。

VAの含量が低い(4%までの)EVAは、酢酸ビニル修飾ポリエチレンと呼ばれ、低密度ポリエチレンと同様に熱可塑性樹脂として形成される。低密度ポリエチレンと同様の性質を持つが、光沢、柔らかさ、柔軟性は増す。毒性はないと考えられる。

VAの含量が中程度(4%から30%までの)EVAは、熱可塑性エチレン酢酸ビニルと呼ばれ、熱可塑性エラストマーである。加硫されないが、VAの含量が高いとゴムや可塑化ポリ塩化ビニルと似た性質を持つ。低温特性が良好であり、丈夫である。約11%のVAを含むものは、ホットメルト接着剤として用いられる。

VAの含量が高い(60%以上の)EVAは、エチレン酢酸ビニルゴムと呼ばれる[1]

EVAはエラストマー重合体であり、柔らかさや柔軟性において「ゴムのような」材料となる。良い透明さや光沢を持ち、低温で丈夫であり、応力割れ耐性があり、耐水性ホットメルト接着剤となる性質があり、紫外線にも耐性がある。特徴的な酢のような匂いを持ち、多くの電子応用において、ゴムやビニルポリマーの代わりに用いられる。

利用

グルースティックのようなホットメルト接着剤や最高級のサッカーシューズ用滑り止めは、樹脂を添加したEVAから作られる。食品用ラップフィルムをくっつきやすくするために添加される。

EVAはまた、ドラッグデリバリーシステム等の応用として、医用生体工学にも用いられる。ジクロロメタン等の有機溶媒に溶け、溶液に粉薬と転化糖等のフィラーを加え、均一になるまで高速攪拌する。この混合物を型に流し、-80℃で固体になるまでフリーズドライする。これにより、薬品がゆっくり放出されるようになる。EVAは体内で分解されず、非常に不活性で身体とほぼ反応しない。

EVAは、発泡ゴムとして知られる材料の1つである。EVAの発泡体は[2][3][4]スキーブーツ、自転車サドルホッケーのパッド、ボクシング総合格闘技グローブヘルメットウェークボードのブーツ、ウォータースキーのブーツ、釣り竿リールのハンドル等、様々なスポーツ用品に用いられる。スニーカーやランニングシューズ等のショックアブソーバークロックスにも良く用いられ、例えばナイキは、"Phylon"として販売している[5]地曳き刺し網等の漁業用の浮きの製造にも用いられる。また、結晶シリコン系太陽電池の製造にも用いられる。スリッパサンダルの素材にすると、天然ゴムを使った場合に比べ、軽くて作りやすく、匂いがなく、光沢があり、安価にできる。また様々な用途でコルクの代用となる。

EVAは、53%の一次分散剤を含む良質の屋内水性塗料のコーティング配合にも使用される。

EVAを加水分解すると、エチレンビニルアルコールの共重合体となる。

出典

  1. ^ Polymer Technology Dictionary”. Springer Science & Business Media (1994年5月27日). 2019年11月2日閲覧。
  2. ^ Reyes-Labarta, J.A.; Marcilla, A. (2012). “Thermal Treatment and Degradation of Crosslinked Ethylene Vinyl Acetate-Polyethylene-Azodicarbonamide-ZnO Foams. Complete Kinetic Modelling and Analysis”. Industrial & Engineering Chemistry Research 51 (28): 9515-9530. doi:10.1021/ie3006935. 
  3. ^ Reyes-Labarta, J.A.; Marcilla, A. (2008). “Differential Scanning Calorimetry Analysis of the Thermal Treatment of Ternary Mixtures of Ethylene Vinyl Acetate, Polyethylene and Azodicarbonamide”. Journal of Applied Polymer Science 110 (5): 3217-3224. doi:10.1002/app.28802. https://hdl.handle.net/10045/13312. 
  4. ^ Reyes-Labarta, J.A.; Olaya, M.M.; Marcilla, A. (2006). “DSC Study of the Transitions Involved in the Thermal Treatment of Foamable Mixtures of PE and EVA Copolymer with Azodicarbonamide”. Journal of Applied Polymer Science 102 (3): 2015-2025. doi:10.1002/app.23969. https://hdl.handle.net/10045/24680. 
  5. ^ Mills, N. J. (2003). “Running shoe materials”. In Jenkins, Mike. Materials in Sports Equipment. 1. Cambridge: Woodhead Publishing. pp. 74, 76. ISBN 9781855738546. https://books.google.com/books?id=nrKjAgAAQBAJ 2018年11月11日閲覧。 



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