エゥーゴ エゥーゴの歴史

エゥーゴ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/23 23:55 UTC 版)

エゥーゴの歴史

設立の経緯

当初は明確な軍事組織ではなく、スペースノイドたちが生活を維持するための、相互協力的な色彩の強い自然発生の組織だった。ゆえに確固たる指揮系統を持っていない。

その中の急進派の人々と、アナハイム・エレクトロニクスのような大企業が手を組んだ事から戦力を持ち、軍事色の強い組織となっていく。彼らが手を組んだ理由はお互いの利益の一致。つまり、エゥーゴはティターンズの排除、アナハイムは停滞している経済の活性化という目的があり、イデオロギー上の理由はない。アナハイム・エレクトロニクス会長のメラニー・ヒュー・カーバインは、エゥーゴのイデオロギーに共感すらしていなかった[9]

宇宙世紀(U.C.)0080年、一年戦争地球連邦軍の勝利で幕を閉じたが、その後も連邦軍に反目するジオン軍残党勢力が数多く残り、様々な形で抵抗活動を行っていた。U.C.0083年にコロニー落とし作戦を決行したデラーズ・フリートの決起(デラーズ紛争)はその代表的な事例である。この事件を契機として、ジオン軍残党の掃討を目的とした特殊部隊「ティターンズ」が結成され、連邦軍内部で大きな力を持つようになった(OVA『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』)。

当初から地球出身者(アースノイド)のみを選抜し、選民意識と団結力の強いエリート集団として結成されたティターンズは、コロニー市民に対する差別意識が強く、彼らに対する弾圧を繰り返した。とりわけ30バンチ事件は、報道統制まで伴うものであった。

こうした中、アクシズから地球圏に帰還していたシャア・アズナブル(クワトロ・バジーナ)以下の旧ジオン公国軍メンバー(アポリー・ベイロベルト等)は、事実上軟禁状態だった連邦軍准将ブレックス・フォーラを救出。続いてアナハイム・エレクトロニクス社のメラニー・ヒュー・カーバイン会長と接触して、反地球連邦組織として本格的に動き出す。連邦軍にもティターンズに反感を抱く者は多く、これらはエゥーゴに同調、あるいは参加していった。特に月やコロニー在住の連邦軍にはエゥーゴ参加者が多かったが、これは呼吸する空気すら買わないといけない月やコロニーの生活において、連邦軍の給料の遅配が致命的なものとならざるを得ず、エゥーゴから提供される給与につられてのものであった(小説版での説明)。「敵の敵は味方」という論理で参加した旧ジオン公国軍軍人もおり、エゥーゴの潜在的構成員は、ティターンズ寄りの人口をはるかに上回っていた。エゥーゴの急進派の一部は、グリプス戦役後、エゥーゴが地球連邦に同化することに反発し、それらの一部が過激派組織「エグム」として分派している[11]

グリプス戦役時には、アナハイム・エレクトロニクスやルオ商会を始めとする多くの企業が、資金や兵器の提供などをした。また多くのスペースノイドや連邦宇宙軍将兵も協力的であった。アナハイムにはティターンズのMS独自開発主義に対抗するという思惑もあったが、多くの参加者・協力者の動機はティターンズに象徴されるアースノイド至上主義・コロニー軽視主義が増大していることや、地球の汚染が拡大しているにも関わらず漫然と現状に安寧しようとすることへの反発や危機感である。

しかし、エゥーゴの活動は、連邦軍では現状維持派が多数だったこと、ティターンズが連邦軍内で優勢だったこと、「エゥーゴはジオン残党」という世論への情報操作などもあり、ダカール演説までは劣勢に立たされていた。

その他、宇宙での活動を主とするエゥーゴに対し、地上での活動を主とする支援組織カラバがある。

グリプス戦役期

両組織の対立は、U.C.0087年から翌0088年の1年間に及ぶ「一年戦争」以来の地球圏全体を戦場とした紛争へと発展した(グリプス戦役)。一連の戦闘のさなかにティターンズによりブレックス・フォーラが暗殺されるが、その跡を継いだキャスバル・レム・ダイクン(=クワトロ・バジーナ=シャア・アズナブル)と共にニュータイプとして最高の資質を秘めるカミーユ・ビダンや、地球での支援組織カラバに参加した一年戦争の英雄アムロ・レイホワイトベースクルーであったハヤト・コバヤシらがティターンズ打倒を目指して戦い続けた。

当初は苦しい戦いを強いられていたエゥーゴだったが、ダカールの連邦議会を占拠してシャアが行ったダカール演説を機に連邦国民や連邦議会議員の世論が悪行を行うティターンズを見限ってエゥーゴに傾いたため連邦内部での力関係が一気に逆転し、傍観していたコロニーや月面都市のティターンズへの反発によって、エゥーゴは連邦軍の主導権を掌握することに成功した[5]。アクシズの介入やティターンズ内部の主導権争いなどで戦いは混迷を極める中、メールシュトローム作戦でエゥーゴ艦隊はグリプス2の占拠に成功。コロニーレーザーでティターンズの主力艦艇を殲滅し、さらにティターンズの実権を掌握していたパプテマス・シロッコが戦死。ティターンズは組織的に壊滅し、エゥーゴはこの戦争の勝利を得た。

しかし、シロッコを倒したカミーユは精神的な崩壊に至り、シャアは最終決戦でのハマーン・カーンとの戦いの末に行方不明になった他、エマ・シーンカツ・コバヤシヘンケン・ベッケナーなどの多くの人員が死亡した(劇場版では異なる)[12]

第一次ネオ・ジオン抗争期

グリプス戦役の一連の戦闘の結果、エゥーゴは数多くの人材・機材を喪失し、残存艦艇は旗艦アーガマと他数隻という状態だった。またティターンズの崩壊によりエゥーゴの目的が達成されたと考えた参加者もおり[13]、組織としての勢力は著しく低下していた。

グリプス戦役終結時に戦力の大半を温存していたアクシズ(後にネオ・ジオンと改める)が地球圏の制圧に動きだした際、そのアクシズの圧力に押されるままの連邦に代わり、エゥーゴの残存部隊はガンダムタイプのMSで編成したガンダム・チームで抵抗を行った(即ち本来は"反連邦"を掲げていたエゥーゴはこの時点で連邦に味方する組織となっている)。その中心にいたのは、友人達と成り行きからアーガマに乗船し、ΖΖガンダムのパイロットを務めたジュドー・アーシタだった。(「第一次ネオ・ジオン抗争」)なお対ネオ・ジオン戦で活動したエゥーゴの戦力はアーガマ一隻(後にアーガマは地球へ降下・カラバに譲渡され、ネェル・アーガマがエゥーゴに配備された)とガンダム・チームだけである。

グリプス戦役後に地球連邦の主導権を握っていたエゥーゴであったが、思想的指導者のブレックスを失い、後を託されたシャアも行方不明になったことにより、その存在は徐々に希薄になっていき、企業利益の代弁者になっていた。アナハイムなどのコングロマリットにとってエゥーゴは、連邦内部の派閥争いで不利益を被らないようにするための保険でしかなかった[5]。宇宙移民者の意向を反映させて、地球を再生させるという当初の目的は忘れ去られ、組織としての実体を失い[5]、第一次ネオ・ジオン抗争によりエゥーゴは崩壊し[14]、従来の官僚主義的な地球連邦の体制の中に飲み込まれていった。

第一次ネオ・ジオン抗争後

エゥーゴの軍事力は、カラバとともに地球連邦軍の正規部隊(ロンド・ベル隊)として組み入れられる形で発展的に解散したはずだったが、漫画『機動戦士ガンダムF90 ファステストフォーミュラ』では、一部の過激派が連邦軍への編入を拒み、後に「エグム」と名乗って反連邦活動を行うようになる。


  1. ^ 角川文庫『機動戦士Ζガンダム』第4巻、P18の記述より。
  2. ^ メディアワークス『データコレクション(5) 機動戦士Ζガンダム下巻』64頁。
  3. ^ 高橋昌也「THE FIRST STEP」『モデルグラフィックス別冊ガンダムウォーズプロジェクトゼータ』(大日本絵画・1986)
  4. ^ 『機動戦士Ζガンダム』第24話より。
  5. ^ a b c d バンダイ『機動戦士ガンダムキャラクター大図鑑II巻』33頁。
  6. ^ 『機動戦士Ζガンダム』第6話、第7話、第16話、第17話、第18話、第19話、第20話より。
  7. ^ 『機動戦士ガンダム逆襲のシャア』より。
  8. ^ 『機動戦士ガンダムUC 星月の欠片』より。
  9. ^ a b ラポートデラックス『機動戦士Ζガンダム大辞典』152頁。
  10. ^ ゲーム『SDガンダム GGENERATION』、及び『Ζ』『ΖΖ』公式HPでは「A.U.E.G.」となっている。
  11. ^ 徳間デュアル文庫『機動戦士ガンダム ハイ・ストリーマー』より。
  12. ^ 『劇場版Ζガンダム』では、TVシリーズの結末と同様に多くの人員を失ったもののカミーユは健在であった。なお、漫画『機動戦士Ζガンダム デイアフタートゥモロー ―カイ・シデンのレポートより―』では、ティターンズの壊滅後はその残党狩りを行ったとされる。ただし、この作品自体は公式設定という訳ではない。
  13. ^ 参加者の中にはティターンズにより自分達の利権が損なわれるという理由で参加していた者もいた。彼らはティターンズが無くなった事でエゥーゴとして活動する理由が無くなった。
  14. ^ 漫画『機動戦士ガンダム MSV-R ジョニー・ライデンの帰還』より。


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