バイオマス【biomass】
バイオマス(ばいおます)(biomass)
現在主流の化石燃料と対比する形で、植物や動物(特に、微生物)などの生物体を原料にするエネルギー資源のこと。生物資源と訳されることが多い。
石油や石炭などの化石燃料が普及する以前は、「まき」や鯨油のようなバイオマスの利用が多かった。化石燃料は、現在の埋蔵量から推定すると、数十年後の将来に底をつくと考えられていることから、バイオマスの利用に熱い視線が集まっている。
バイオマスは、そのまま燃焼させて利用する「まき」をはじめ、生ごみなどの廃棄物を発酵させてアルコールを取り出したり、熱化学変換によってガス化させたりしてエネルギー源とする。自動車メーカーの間では、穀物を発酵させて抽出したエタノールをガソリンに混ぜて自動車燃料に使用するといった高度な研究開発も進んでいる。
(2002.07.05更新)
バイオマス
「再生可能な生物由来の有機性資源で、化石資源を除いたもの」。バイオマスは、地球に降り注ぐ太陽のエネルギーを使って、無機物である水と二酸化炭素から、生物が光合成によって生成した有機物であり、私たちのライフサイクルの中で、生命と太陽エネルギーがある限り持続的に再生可能な資源である。バイオマス
もともとは生物学用語。バイオマスエネルギーという場合は、光合成によって生物が生み出した物質を原料としたエネルギーをいう。植物内の成分は、発酵作用やバクテリアの分解作用で、メタンガスやエタノールなどを生み出す原料となる。このバイオマスから生まれた燃料をバイオ燃料という。石炭、石油などの化石燃料と同じく燃やせば二酸化炭素が発生するが、もともと植物が大気中から光合成で取り込んだものなので、植物資源を再生すれば大気中の二酸化炭素濃度は上がらない。そのため地球温暖化と化石燃料の枯渇に対応したエネルギー資源として注目されている。農林水産省では、2002年12月にバイオマス・ニッポン総合戦略を策定し、バイオマスの総合的な利活用をはかることになった。
バイオマス
【英】: biomas energy
バイオマスとは、元来「生物量」を意味する生態学用語であるが、最近では、まとまった量を集積してエネルギー・化学工業原料などに使うことができる動植物資源を指している。 従来から燃料としても利用されてきたが、化石燃料の枯渇が認識されるようになって注目されるようになった。太陽エネルギーを植物の光合成作用により変換し、貯蔵や利用する一つの方法と考えることができる。現在利用可能なバイオマス資源は、さとうきび、とうもろこし、いもなどのでん粉・糖質作物、海藻・クロレラなどの水生植物、天然ゴムなどのゴム植物、やしなどの油脂植物、アオサンゴ、ユーカリなどの石油植物および木材が挙げられる。これら栽培植物のほかに、農林畜産廃棄物や産業廃棄物も利用できる。栽培植物からは糖・でん粉発酵によるエタノールや抽出分離・化学処理による炭化水素などが生産され、廃棄物からはセルロース発酵によるエタノールやメタン発酵のメタンが生産される。現在、地球上には約2兆トンのバイオマスが賦存しており、毎年 2,000 億トンが再生産されている。世界のどの地域でも生産が可能で、比較的手近な技術により利用可能な資源であるが、実用化するには燃料にするまでの収獲、集荷、処理、輸送などへの投入エネルギーやコストを差し引いて考える必要がある。 |
バイオマス
バイオマス
バイオマス
バイオマス biomass
全体 ★☆☆☆ 60歳以上 ★☆☆☆
稲わらはもちろんおがくずや米ぬかなど様々な
エネルギーなどとして利用することができる,生物に由来する資源
- 特定の地域に生息する生物の全体量を指す,生態学の専門用語として,従来用いられてきたが,環境問題への対応の中から新しい使われ方が生まれ,広まりつつある。
- 1990年代後半から,循環型社会の実現に向け,農林・水産・畜産業において,従来は廃棄され利用されていなかった家畜の排せつ物や生ごみ,木くず,もみがらなどを,資源として重視する考え方が広まり始めた。
- 生物から生み出されたこのような再生可能な資源を「バイオマス」と言う。2002年に閣議決定された「バイオマス・ニッポン総合戦略」により,多方面で「バイオマス」の普及が図られている。
- 環境を保全しながらエネルギーを確保することのできる新しい資源である「バイオマス」は,石油などへの依存を脱していくことが望まれている現代社会にとって,重要性を増すと考えられる。その普及のためにも,言い換えや説明付与の必要性は高い。
- 「バイオマス」は,動物よりも植物に由来する資源であることが一般的で,この点に着眼して,「植物由来資源」という語を用いることも考えられる。例えば,「バイオマスプラスチック」は植物由来のバイオマスによって作られるプラスチックである。
- 「生物に由来する資源」などと説明的な語句を用いることも考えられる。
バイオマス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/06 19:25 UTC 版)
バイオマス(英: biomass)とは、生態学で、特定の時点においてある空間に存在する生物(バイオ)の量を、物質(マス)の量として表現したものである。通常、質量あるいはエネルギー量で数値化する。日本語では生物体量や生物量の語が用いられる。植物生態学などの場合には現存量[1]の語が使われることも多い。転じて生物由来の資源を指すこともある。 バイオマスの利用法には燃料とするものがあり、その場合バイオ燃料(Biofuel)またはエコ燃料[2]、木質燃料といった言葉が使われる。 またバイオマスを燃焼させて発電することをバイオマス発電という。
- ^ 英: standing crop
- ^ 英: ecofuel
- ^ 「バイオマス・ニッポン総合戦略」本文 1ページ - ウェイバックマシン(2018年5月4日アーカイブ分) - 農林水産省
- ^ a b バイオマスとは? 廃棄物工学研究所
- ^ NEDO海外レポート No.994、2007年2月7日
- ^ Technobahn、2008/1/15 05:18の記事
- ^ “サミット半田パワー株式会社”. サミット半田パワー株式会社ホームページ. 2022年1月15日閲覧。
- ^ バイオマス情報ヘッドクォーター
- ^ 資源エネルギー庁が木質バイオマス混焼発電を推進(新エネルギー財団)
- ^ “政府バイオマス関連事業、8割以上効果なし 総務省”. 日本経済新聞. 2011年2月15日閲覧。
- ^ a b バイオマスの利活用に関する政策評価<評価結果及び勧告>、総務省、2011年3月
- ^ バイオマスってなに?-生きた資源「バイオマス」|市原グリーン電力株式会社
- ^ バイオマスって何だろう?:中国四国農政局
- ^ http://www.civil.miyazaki-u.ac.jp/~dyken/ronbun/ronbun/01baba.pdf
- ^ バイオ燃料用作物、無秩序栽培は生態系破壊…国連報告書 読売新聞、2008年(平成20年)5月4日。
- ^ レスター ブラウン「フード・セキュリティー―だれが世界を養うのか」、ワールドウォッチジャパン、2005年4月、ISBN 978-4948754225。
- ^ 三菱総合研究所、バイオ燃料とライフサイクルアセスメント〜良いバイオ燃料、悪いバイオ燃料の選別〜、2007.12.25
- ^ " WiredVision、2006年2月8日の記事
- ^ セルロースを分解しディーゼル、アルコール等を作る新しい微生物
- ^ 正念場を迎えた米国の第二世代バイオエタノール(2)
- ^ 食料と競合しないバイオ燃料
- ^ シロアリによるバイオエタノール製造に弾み
- ^ シロアリがエタノール生産の救世主に? 代替燃料技術の現在
- ^ シロアリの腸からバイオ燃料生産効率を高める新酵素を発見
- ^ 国エネルギー省(DOE: Department of Energy)の共同ゲノム研究所
- ^ “廃材をバイオ燃料に”. 沖縄タイムス (沖縄: 沖縄タイムス): pp. 1面. (2008年7月3日)
- ^ シロアリの新しい利用法
- ^ シロアリ腸内共生系の高効率木質バイオマス糖化酵素を網羅的に解析
- ^ バイオエネルギー生産のためのシロアリ共生系高度利用技術の基盤的研究
- ^ 三菱総合研究所、バイオ燃料とライフサイクルアセスメント ~良いバイオ燃料、悪いバイオ燃料の選別(2)~、2008.3.7
- ^ 福知山市・パーム油発電所が廃止に 騒音・悪臭で近隣住民が健康被害訴え公害調停申し立て | 京都民報Web — Mozilla Firefox
- ^ 両丹日日新聞:住民から苦情出たバイオマス発電所を廃止 地元自治会に通知 | ニュース — Mozilla Firefox
- 1 バイオマスとは
- 2 バイオマスの概要
- 3 生態学におけるバイオマス
- 4 脚注
バイオマス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/08/20 05:07 UTC 版)
「インドネシアのエネルギー資源」の記事における「バイオマス」の解説
人口推定55%の約128百万人は田舎の貧困層であり、調理用の燃料として森林から伐採し調達している。
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バイオマス
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「地球温暖化のエネルギー供給面での緩和技術」の記事における「バイオマス」の解説
エネルギー源としてのバイオマスは多岐にわたる。特にガスや液体、ペレットなど可搬性に富む形態の燃料としての利用が期待されている。運輸部門における化石燃料の代替として、バイオエタノールなどの開発が盛んである。ただし技術や生産条件によっては食料生産と競合したり排出量削減効果が少なかったりする問題も発生しており、質の管理の必要性が指摘されている。 「バイオマス」も参照
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バイオマス
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薪 木材・竹・ヤシガラなど植物を燃やし熱を得る。 炭 木材・竹・ヤシガラなどを不完全燃焼により炭化させた炭素の塊である。木炭が多く、比較的軽く燃えやすい。 バイオコークス 植物性バイオマスを高密度に固形化したもの。炭化させないため、燃料化の際に減量が殆ど起きない。石炭代替燃料等に利用される。 糞燃料 動物の糞を太陽熱で乾燥させ燃料として利用。牛糞が多く、よく燃える。燃料以外の用途として壁材にも利用される。 バイオガス 糞尿や汚泥等を発酵させ発生したメタンを燃やしたり化学製品の原料として利用。 バイオエタノール 穀物・果実・植物繊維等に含まれるブドウ糖や炭水化物を発酵または化学反応させたエタノールとして利用。 バイオディーゼル 軽油の代替燃料。菜種油・パーム油・アブラギリ(ヤトロファ等)・ミドリムシ等の油脂を精製した軽油に近い性質の燃料を利用[要出典]。 バイオ重油 重油の代替燃料。オーランチオキトリウム・ボトリオコッカス等から採れる重油に近い油脂を利用。 バイオマス燃料 薪やバガスなどバイオマス燃料のみで走行可能な蒸気機関車[要出典]が存在した。 木炭 不完全燃焼させて水蒸気と反応させて一酸化炭素と水素を主成分とする可燃性ガスにより内燃機関を作動させる「木炭自動車」。
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バイオマス
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「TerraGenesis」の記事における「バイオマス」の解説
環境が整ったら生物を好きなようにゲノム編集して繁殖させることもできる。 名称熱量大気圧酸素濃度水水生種陸生種人口資金潮汐センター 変化無し 変化無し 変化無し 変化無し +1 変化無し 変化無し 変化無し 海底研究グループ 変化無し 変化無し +10 変化無し +2 変化無し 変化無し 変化無し リーフ研究所 変化無し 変化無し 変化無し +20 +3 変化無し +10 変化無し 自動生育システム 変化無し 変化無し 変化無し 変化無し 変化無し +1 変化無し 変化無し エコシミュレーター +10 変化無し 変化無し 変化無し 変化無し +2 変化無し 変化無し 動物学会 変化無し +20 変化無し -20 変化無し +3 変化無し 変化無し
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バイオマス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/04 01:57 UTC 版)
主に土砂成分が少ないヘドロを原料としたバイオマスの少量生産と民生用化に西ヨーロッパ諸国、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、ロシアが成功している。ヘドロは有機物が水中微生物によって分解される過程でメタンガスを発生するため、発生したガスを集めて燃料としたり、また、ヘドロを乾燥させて固形燃料とすることができる。 人口過多による資源問題の対策になるほか、二酸化炭素の21~72倍の温室効果をもたらすメタン(詳細はメタン#温室効果ガスの項を参照のこと)を燃料として利用し、燃焼によって水と二酸化炭素に分解されることができる。
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バイオマス
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