関連法令改正と影響とは? わかりやすく解説

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関連法令改正と影響

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/02 09:16 UTC 版)

消費者金融」の記事における「関連法令改正と影響」の解説

2006年平成18年12月13日第165回臨時国会において、「貸金業の規制等に関する法律等の一部改正する法律」が成立し12月20日公布段階的に施行されている。2010年平成22年)の6月18日に全条文施行された。また、この改正最終期をもって出資法の上金利年率20%となり、みなし弁済規定廃止された。しかし、施行期間の最終期限までグレーゾーン金利が残ることについては批判がある。また、施行から2年以内出資法及び利息制限法に基づく金利規制あり方について所要見直しを行う「見直し規定」が定められている。みなし弁済規定廃止新規参入融資額などの規制強化罰則などの強化が行われる等、詳しい改正の内容については貸金業法参照のこと。 2007年平成19年)には早くも影響現れており、優良顧客確保するために大手消費者金融大手商工ローンは、新規顧客について銀行消費者金融と同じ水準まで上限金利引き下げ審査厳しくして融資先絞込み行ったまた、多く業者貸し付けできる年齢の上限が70歳未満となり、既存顧客でも70歳達していると新規借り入れができなくなった。 「通常貸出残高回収実績両方について厳しノルマ課せられ、達成できない支店通常支店長一人部下二、三人)で連帯責任を取らされる場合も多い。」と言われる消費者金融業態にも変化現れている。 大手業者については、上限金利引き下げに伴う審査厳格化適正化)による成約率の70%台から30%台への低下や、「ネオヤミ金」といわれる以前の上金利である40%程度融資するヤミ金業者出現過払い請求への対応及び銀行等が融資引き締めたことによる中堅以下の業者倒産廃業クレディアアエル民事再生法申請など)などが発生している。このような場合過払い金債権者借り手)が過払いということ知らないなどの理由期日までに届け出でない場合過払い金請求難しくなることがあるクレディア2008年平成20年5月22日民事再生計画案提出し債権届出された過払い利息返還請求権については (1) 40%の弁済率で一括弁済する。(2) 30万円までの少額債権全額弁済するまた、債権届出ができなかった債権者届出なかったことによって失権することはなく、利息返還請求権再生債権として確定すれば同様に弁済することを発表した大手系列中小業者にも閉店営業停止続いている。また、廃業した業者から債権譲渡受けた業者一括回収乗り出す例も報道されている。このような場合債権譲渡営業譲渡過払い金請求に対して影響ありうる滞納され地方税充当するため、地方自治体住民過払い金返還を受ける権利差し押さえるケースがある(消費者金融返還応じず、訴訟になることもある。) 法改正による上限金利引き下げについては、賛成派反対派対立存在した。両派には激し意見の対立があり、反対派全国貸金業政治連盟(全政連)などを通じて政治献金パーティー券購入などによる政界への働きかけおこなった。また外資系消費者金融などの意を受けた米国政府規制緩和要望書で、グレーゾーン金利上限とする規制改革について触れている。 引き下げ反対派の主張の例としては以下のようなものがある。 多重債務者標的にするヤミ金融増加に対しては、刑事罰強化対処すればよい。金利どのように設定するかは無関係である。 自由経済社会において、国家金利の上限(つまり統一価格)を決めることは問題がある。 金利の上限を決めることは供給を絞ることであり、供給絞れあぶれた需要者破産ヤミ金融追い込まれる消費者個人事業主など、目的金額多寡異なるのに一律に金利定めるのは妥当でない。 グレーゾーン金利法的に安定であるから解消されるべきである。しかし、経済への影響最小限とどめるために出資法の29.2%、またはそれに近い金利合わせることで解消すべきだ。 引き下げ賛成派の主張の例としては以下のようなものがある。 ヤミ金融規制強化すれば減少する規制強化しないで金利引き上げ口実にするのは誤りヤミ金融は、出資法の上金利が現在より高い頃にもはびこったことがあるヤミ金融と金利の問題とは切り離して考えるべきである。 一律高金利を維持することは、ローリスク層に貸し倒れリスク転嫁している状態である。 「借りられない人」は新たな貸し出し受けて借金増やすより、債務整理取り組むのが望ましい段階であることも多い。 債務整理過払い請求をした人だけが利息制限法恩恵受けられる状態は不公正である。 緊急時資金等は社会保障制度セーフティーネット充実等で公的に対応すべきである参考 ヤミ金融対策について、日弁連次のような提案をしている。 貸金業者登録に当たって1000万程度営業保証金制度導入する出資法の上金利超える金利での貸し付け及び無登録営業罰則強化するヤミ金融契約無効として、元本を含む、すべての債権回収する権利一切認めないようにする。 2007年平成19年6月12日帝国データバンク発表したパチンコ業者動向調査は、パチンコ業者5月倒産件数集計開始した2005年平成17年以降実質的に最多11件(負債総額147億円)に達したことについて、規制強化対応して賭博性の高い機器交換する費用負担消費者金融業者貸金業規制法改正による上限金利引き下げ前倒しして、新規融資絞った影響から消費者金融からの借金元手顧客減少したことが原因としている。 中小零細企業倒産要因一つとして2010年平成22年)の貸金業法完全施行先んじてノンバンク事業者ローン消費者金融)の一部金利利息制限法違反しないように改正し新規顧客向けローン金利20%以下に設定する動きがある)、それにともない審査厳正化適正化)が図られ倒産リスク貸し倒れリスクの高い企業個人高金利で融資することが減少したことがあるとする意見がある[出典無効]。貸金業法改正多重債務者救済目的としているが、その一方で官製不況」の原因一つとする意見もあり、反論もある。渡辺喜美金融・行政改革担当相当時)はそれに対して反論している。また、引き下げ反対派引き続き法改正見直し視野入れて同様の主張続けている。また、金融業者経営状態悪化廃業倒産会社更生法適用民事再生等)、営業譲渡などは過払い金不当利得)の返還影響及ぼしている。 2008年平成20年4月時点企業倒産増加傾向にある。金融業者企業倒産増加傾向にあるが、他業種企業倒産増加傾向にある。帝国データバンク2007年平成19年)度の全国企業倒産集計原料関連倒産増加し法改正改正建築基準法)の影響を受け、建設小売サービスなど内需関連幅広い業種倒産増加したとしている。消費者金融倒産について改正貸金業法影響と、金融機関からの引き締め指摘している。倒産増加した大きな要因は、中小零細企業収益環境の悪化にあるとして①原料高②資材高③改正建築基準法施行に伴う関連業界混乱資金調達環境をあげ、サブプライム問題多額損失被った金融機関融資選別強め動きがあるとする。ノンバンク事業者ローン消費者金融)の審査厳正化適正化)を中小零細企業倒産増加要因にあげていないまた、2004年平成16年) - 2008年平成20年)まで、最高裁集計による自己破産申請数は一貫して減少しており、2006年平成18年) - 2007年平成19年)に自己破産申請数の減少率微増している。2008年平成20年)の個人及び法人自己破産合計14件であり、2007年平成19年)より約17000件減少している。個人は約129000件で5年連続減少法人は約1万1000件で3年連続増加となったまた、民事再生個人向け)の申し立て2007年平成19年)に約2万7000件、2008年平成20年)に約2万4000件であり減少している。 金融庁は、消費者金融5件以上から借り入れをしている人が2008年平成20年3月末の時点で、約1177000人となり前年同期の約1711000人に比して三割以上減少したとしている。2008年平成20年5月三社以上から借りている人は378万人いる。また、自治体多重債務者対策取り組んでいる例もある。 多重債務者推移 無担保保証借入残高がある者の借入件数毎登録状況各月一人当たり無担保保証借入残高有り件数毎の人数(万人)合計1件2件3件4件5件以上人数(万人)残高金額(億円)20073月491.6 233.4 156.0 115.8 171.1 1,167.9 136,502 6月501.9 237.1 155.3 112.3 154.8 1,161.4 132,060 9月504.9 238.8 156.1 111.3 143.1 1,154.2 128,866 12月507.4 239.9 155.1 108.2 125.4 1,136.0 123,351 20083月508.3 239.8 154.4 106.3 117.7 1,126.4 120,031 6月514.5 242.0 154.3 104.0 104.3 1,119.1 115,749 9月514.6 242.4 153.9 102.2 97.0 1,110.2 112,841 12月518.4 244.6 153.8 98.6 81.0 1,096.4 107,973 20093月520.0 244.9 152.0 94.7 72.7 1,084.1 103,806 データ移行期(2009年6月 - )6月581.4 265.4 156.3 91.9 65.0 1,160.1 103,567 9月670.9 308.0 177.2 102.5 79.6 1,338.2 113,659 12月695.8 318.7 180.3 101.6 79.8 1,376.2 112,125 20103月712.5 333.8 187.5 103.1 83.7 1,420.7 113,190 データ移行期( - 2010年5月)6月787.3 343.0 192.0 108.6 106.9 1,537.6 120,840 9月793.0 343.0 190.0 106.0 101.0 1,532.0 126,451 12月787.0 337.0 181.0 95.0 81.0 1,480.0 116,244 20113月793.0 335.0 176.0 90.0 74.0 1,469.0 111,658 6月794.0 329.0 166.0 82.0 63.0 1,434.0 92,550 9月799.0 327.0 162.0 77.0 57.0 1,422.0 88,857 表の見方一人当たり無担保保証借入残高有り件数毎の人数」は、1件でも無担保保証借入残高がある者を、無担保保証借入件数毎に集計したもの。 完済した債務残高ゼロ契約無担保保証以外の債務は1件として数えない債務者破産特定調停など法的整理行った後に債権放棄されていないもの、貸金業者過払金返還請求応じた後に残高があるもの(平成20年1月以降)については1件として数える。 「残高金額」は、当該債務者残高のある全ての無担保保証借入及び残高金額集計したもの。無担保保証以外(販売信用など)の件数残高含まない。 注2009年平成21年4月1日をもって日本信用情報機構旧社名テラネット)は、全国信用情報センター連合会(全情連)加盟33情報センターから信用情報事業承継しており、同年6月以降、旧テラネット登録されていた無担保保証借入れにかかる情報を本統計順次反映させたため、同月以降人数合計残高金額合計等の各種データ増加した。(移行作業同年12月完了。) 2009年平成21年8月1日をもって日本信用情報機構は、シーシービー合併し同社登録されていた無担保保証借入れにかかる情報を本統計順次反映させたため、同月以降人数合計残高金額合計等の各種データ増加した。(移行作業2010年平成22年2月までに完了。) 2010年平成22年3月11日日本信用情報機構指定信用情報機関となったことから、これまで加入貸金業者登録していなかった未同意債権貸金業者加入指定信用情報機関との間で信用情報提供契約の締結前に行った貸付け係る債権であって個人信用情報の提供について債務者同意がないもの)の情報の登録を同月から5月にかけて行ったため、当該間中における人数合計残高金額合計等の各種データ増加した2010年平成22年9月以降小数点以下四捨五入個人自己破産申立件数推移 個人自己破産申立件数推移申立件数(件)198514,625 198611,432 19879,774 19889,415 19899,190 199011,273 199123,288 199243,144 199343,545 199440,385 199543,414 199656,494 199771,299 1998103,803 1999122,741 2000139,280 2001160,457 2002214,638 2003242,357 2004211,402 2005184,422 2006165,917 2007148,248 2008129,508 2009126,265 2010120,930 多重債務原因とする自殺者数の推移 多重債務経済・生活問題20071,973 7,318 20081,733 7,404 20091,630 8,377 20101,306 7,438 融資先絞込み中小業者倒産廃業によって融資縮小傾向にあるが、消費者金融大手4社2008年平成20年3月期連結決算引当金積み増し赤字となった前期比して各社とも黒字転換している。大手4社2009年平成21年3月期連結決算では、最終当期損益武富士プロミス2年ぶりの赤字となったアイフルアコム黒字ながら大幅減となった2009年平成21年11月政府貸金業規制緩和する方向検討しており、総量規制妥当性ルールの変更影響小さくする「激変緩和措置」の導入等について議論することが報じられた。2009年平成21年11月12日日弁連は、資金繰り悪化原因改正貸金業法施行影響等ノンバンク融資態度動向では1.5%であり(中小企業資金繰りに関する商工会議所会員へのアンケート金融庁実施))、改正貸金業法見直前提事実存在せず、「想定していなかった経済情勢」を理由として規制緩和する多重債務問題再燃しかねないとして、改正貸金業法の完全施行求め会長声明発表した2010年平成22年4月20日政府改正貸金業法の完全施行(借入総額年収3分の1制限する総量規制を含む)を2010年平成22年6月18日実施することを閣議決定した。 2010年平成22年6月18日改正貸金業法が完全施行され同時に出資法の上金利は29.2%から20%引き下げられみなし弁済制度廃止された。改正貸金業法の完全施行に伴い過剰な貸付防止するために「個人向け貸付け」の借入総額が、原則として年収等の3分の1までに制限される総量規制」が実施された。(ただし、個人事業用資金として借入れる場合原則として総量規制対象外とされるなど例外もある。総量規制違反した貸付けおこなった貸金業者行政処分対象となる。借り手年収3分の1超える借入れがあっても、貸金業者から新規借入れ不可能になるだけで、すぐに年収3分の1の額までの返済求められるわけではない。なお、銀行による貸付け貸金業法による総量規制対象外である。) 日本貸金業協会2010年平成22年1月25日発表したアンケート調査によると、貸金業者からの借入がある企業経営者、個人事業主の約8 割が、2006年平成18年)と比較して経営環境が「厳しくなった」と回答しており、直近一年間借入貸金業者申込んだ企業経営者、個人事業主のうち、「最終的に希望どおりの金額借入できた」と回答した割合40%(昨年度調査結果比較して12ポイント減少となっている。 貸金業法改正多重債務者救済や、景気GDP地方経済与え影響、またヤミ金融などの地下経済与え影響については、科学的な研究待たれる貸金業利用者に関する調査 貸金業利用者に関する調査概要(平成23年4月実施)1. 改正貸金業法完全施行後貸金業者借入れ申し込み行った者の借入れ状況(ベース:3年以内貸金業からの借入れ経験者) 22年3月実施22年11月実施23年4月実施全て希望通り金額借入れができた83.2% 69.7% 74.4% 希望通り金額借入れできないことがあった16.8% 15.1% 15.6% 借入れができなかった 15.2% 10.1% 2. 1.において、希望通り金額借入れできなかった者の対応(複数回答) 22年3月実施22年11月実施23年4月実施支出控えた諦めた62.3% 56.9% 49.6% 親類友人等からの援助借入れ36.9% 24.0% 25.8% アルバイト等による収入増加努めた16.4% 13.0% 16.3% 銀行カードローン借入れ 11.8% 12.9% 預貯金取り崩し 11.8% 11.2% ヤミ金からの借入れ3.0% 0.3% 2.1% ヤミ金融事犯被害状況推移被害人員(人)被害額(億円)2002122,115 159.83 2003321,841 322.36 2004279,389 348.27 2005173,399 237.78 2006154,511 199.75 2007148,543 303.89 2008141,394 293.33 200994,211 198.36 201076,575 115.10

※この「関連法令改正と影響」の解説は、「消費者金融」の解説の一部です。
「関連法令改正と影響」を含む「消費者金融」の記事については、「消費者金融」の概要を参照ください。

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