渡家と阿久野家
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阿久野 ジロー(あくの ジロー) 主人公。登場時は15歳。12月24日生まれ。悪の組織「キルゼムオール」で父の仕事を手伝っていた。 正義の味方に組織を壊滅させられたため、姉のエーコとともに従姉の渡家に転がり込んできた。本人達は覚えていないが、キョーコとは幼少期にも会ったことがある。 悪の組織きっての天才科学者「ドクトルJ」を自称しており、改造好きの悪の科学者(マッドサイエンティスト)で、何かと人やモノを改造したがる。父の後を継いで次期首領となる予定。 天才と自称するほど非常にプライドが高く、自分に反抗するキョーコを改造したうえで、手下にしようと画策している。 トラブルメーカーでもあるため平穏な日常生活を送りたいキョーコにとっては頭痛の種である。キョーコの高校に編入しており、同じクラスに通っている。 常にマント(オートマント)を着用しており、そのマントはジローの意思で自由自在に変化し、その威力は鉄をも切り裂く可動アーマーで、ジローはこれで敵を攻撃したり、移動手段に使用したりと活用している(一応遠隔操作もできるが、細かい操作はできない)。また、夏場は相当暑いらしい。ジロー自身の体力や運動能力はお世辞にも高いとは言えず、マント無しではキョーコにも完敗する上、逆上がりすら出来ない。 コロッケが好物で、よくキョーコに晩ご飯で作ってもらっている。ずっと組織内で生活してきたため極度の世間知らずで型破りな男だが、根は非常に真面目で素直な良い奴。 3年生に進級した際「上に立つ者になり、組織へ貢献できる事は何か」としてキルゼムオール三葉ヶ岡支部(通称キルゼム部)を設立する。活動内容は体力作りや必殺技の練習、山奥への合宿など。ジローが部長の際の部員はキョーコ、黒澤、サブロー、ルナの5人。 女性に免疫がなく女心に疎いが、不器用ながらも優しい性格ゆえ、作中で多くの女性から好意を向けられている(キョーコ、シズカ、乙型、ルナ、花子など)。キョーコのことは当初は改造素体としか見ていなかったが、しだいに無自覚ながらキョーコを特別に想うようになり、キョーコが危機に陥ると底力を発揮する。父イチローにキョーコが殺されたと思った際は激昂し、「キョーコのためなら喜んで世界を敵に回してやる」とまで言った。最終話ではキョーコに自分からキスして「改造させてもらう。俺の嫁に」とプロポーズの言葉を贈った。 最終巻のおまけまんが(最終話から3年後)では新組織設立(本人曰く「実家ののれん分け」)に向けて奮闘しており、設立の暁にはキョーコと結婚する予定。 前世はツクツクボウシだった様子。 名前の由来となったのは「人造人間キカイダー」のジロー[要出典]。自称は「仮面ライダーV3」のドクトルGから[要出典]。 渡 恭子(わたり キョーコ) ヒロイン。登場時は15歳。三葉ヶ岡高校1年4組。7巻からは2年4組。双子座のA型。 ごく普通の女子高校生だったが、従弟のジローとの出会いと、彼とその姉・エーコの居候により受難の日々が始まる。 ボサボサ頭に眼鏡をかけており、ジローに“無乳”呼ばわりされるほどの幼児体形の持ち主。 妄想好きであり、自分の妄想を「誰にも見せられない」妄想ノートに書き込んでいる。しかし、ジロー達が来てからはあまり書かれる場面は見られない。 母親を病気で亡くしてから父子家庭で育ったため、料理を始め家事全般に関するスキルはかなり高い。その母の命日と自分の誕生日が同じ日で、ジローが来るまで誕生日を祝ってもらったことがなかった。 一見大人しそうな文学少女風の外見とは裏腹に、気の強さや運動神経の高さなどから一部の男子からマニアックな人気があり、「渡恭子ファンクラブ」(通称「渡クラブ」)なるものまで密かに発足している。また格闘能力の資質が高いらしく特に蹴り技が強力で多用する。そのためジローからは改造素体として狙われている。 地味だが整った顔立ちをしており、一度眼鏡を外して髪を整えて登校したときには男子生徒からモテモテだったが、一日でやめている。理由は「おしゃれに時間を使うのがめんどくさい」から。 言葉遣いが荒く暴力的なところもあるが、基本的には優しく気配りのできる性格である。しかし中学時代にはクラスメイトとは口を聞かずに心を閉ざして孤立していた時期があった(当時を知るアキとユキは「暗黒モード」と呼んでおり、本人もその頃のことはあまり思い出したくない様子。中学1年生のときの母親の死がきっかけと思われる)。アキとユキと話すようになって明るくなり、さらにジローが来てからは一層明るくなったようだが、まれに心を閉ざすことがあり繊細な一面がある。 非常識でトラブルメーカーなジローには困惑しており、時折キレることもあるがなんだかんだで受け入れている。一緒に過ごしているうちにジローのことを異性として意識するようになり、ジローが別の女の子と接近すると機嫌が悪くなるなど嫉妬深い一面を見せるようになった。四ノ原カズに攫われて人質にされた際、ジローが身を挺して守ってくれたことから、自分の恋心をはっきりと自覚する。最終話ではジローとキスを交わして彼のプロポーズを受け、最終巻のおまけまんがでは結婚を前提に交際している様子。 苗字は特撮ヒーローもので一躍スターダムにのし上がった「渡洋史」に由来する[要出典]。 外見のモデルは作者が高校時代に好きだった女子であり、のちにモデル本人からネット経由で連絡が来たとのこと。 阿久野 エーコ(あくの エーコ) ジローの姉。登場時は23歳。従姉妹のキョーコとは顔馴染み。大卒。 ロングの黒髪・ナイスバディの美女で、いつもニコニコとした清楚な雰囲気だが、見た目とは裏腹にアバウトで腹黒く、何かと暴走しがちな弟に厳しいツッコミをかますキツい一面も持つ。ジロー達の起こすトラブルを面白がる傾向があり、ジローとキョーコをくっつけようと画策していたりもする。 組織時代は「シャドウレディ」なる作戦参謀として働いており、立てる策略は組織内で最も成功率が高かったらしい。が、時折発揮する悪だくみには穴が多い。どちらかと言えば身体能力の方が(就職活動などで)注目されており、目にも留まらぬスピードにより一瞬で離れた場所まで跳躍し、飛び蹴りで建物もろとも標的を突き破るなど、超人的な怪力・身体能力を持つ。正義の味方の世界では「歩く悪ふざけ(ザ・フリーダム)」の異名で知られる程の大物。 非常にぐうたらな性格で、家の中ではネットやテレビを観て過ごしているダメ人間。それでも全く体型が変わらないことをキョーコには羨ましがられている。 時々故郷である九州の方言が出る。なぜか「マイ電柱」を持っていて、尾行に使ったり、部屋にたくさん置いてある。大学時代は型破り過ぎたため「超残念な美人」と言われており、彼氏はできたことがない。現在は就職難によりなかなか再就職先が見つからず、絶賛求職中の無職でニート。最初こそ就職活動をしていたが、1年もしないうちにハロワすら行かない食っちゃ寝生活となった。 最終話ではジローの組織に入る予定になっているが、まだ組織ができていないため無職であり、最終巻のおまけまんがでも変わらず無職である。 キョーコ乙型(キョーコおつがた) ジローが作ったキョーコそっくりの家政婦ロボ。ただし、キョーコと区別をつけるために胸は巨乳である。また、常にメイド服を着ており、髪型はキョーコがブラッシングしてサラサラになっており、眼鏡もかけていないためキョーコと区別するのは容易である。邪悪な気配に反応するアホ毛があるが、ジローに反応したりシズカの妄想に反応したりと反応の基準は不明。 ジローの父親が作ったAIが使われており、その性格は礼儀正しく素直で純粋。ただし、生まれたばかりなので超世間知らずで、いわゆるポンコツキャラ。 キョーコのサポートのために作られたはずが、ジローが自分のことを作ってくれたために、常にジローを最優先にしている。ジローには忠誠心というより恋愛感情に近いものを抱いており、近くにいると胸のモーターが高鳴るらしい(本人はこの高鳴りを大事にしており、修理されることを嫌がっている)。肝心な時にキョーコのサポートが出来ず時々トラブル起こすため、キョーコの世話になることもしばしば。なお乙型の誕生のおかげでキョーコの負担も減り時間に余裕が出てきた様子。 高い身体能力を誇り体には100の内蔵武器が搭載されている。 コーラを飲むとなぜか酔う。また水が苦手で感電してしまう。 最終話ではエーコと同じくジローの組織に入る予定になっている。 阿久野 アヤ(あくの アヤ) ジロー、エーコの長姉。元キルゼムオールの幹部。登場時は27歳。ジローからは「大姉上」と呼ばれている。 黒髪のロングヘアで後ろで一本に束ねていて、眼鏡を着用している。巨乳。 組織の跡取りであるジローを溺愛しているブラコン。渡家に現れた当初は、弟をたぶらかす(?)存在としてキョーコを敵視するが、その完璧なまでに磨き抜かれた家事技能の高さと気立ての良さを見てからは、すっかりキョーコがお気に入りになり、ジローの嫁に来てほしいと思っている。 父の作った手提げカバン型のアイテムを使って大気を操ることができる。妹弟のしつけには厳しく、このアイテムで強力なおしおきをするため、特に妹のエーコに恐れられている(組織では「鬼軍曹」と呼ばれていた)。 現在は福岡の銀行で働いており、かなり仕事ができる様子。単行本のおまけまんがで登場することが多く、純粋な性格ゆえ、銀行の後輩の女性たちによくイジられている。また、男性社員にも人気があり、叱られて喜ぶ男も多い。酒乱の気がある。 戦部に好意を寄せられていたが終盤まで全く気づいていなかった。しかし戦部に興味がなかったのではなく、大人の彼が自分のような小娘を相手にするわけがないと思っていただけで、後輩に言われた言葉をきっかけに急激に異性として意識するようになった。 最終巻のおまけまんがでは、戦部と結婚して娘を出産してから組織を引退して育児専念となったことが明かされている。彼女の結婚式には、阿久野家の三女フミ(アヤ、エーコの妹)が登場している(同作者の読み切り作品『進めギガグリーン』のヒロインで、エーコ曰く「正義の人と結婚した」とのこと)。 阿久野 エミ(あくの エミ) 阿久野家の母。キルゼムオールでは大幹部だった。見た目は若くさっぱりした性格だが、実はエーコと同タイプで、むしろエーコよりも手ごわい人物。アヤ、エーコと同様にキョーコのことを気に入っているが、娘たちと比べると手口は強引で、キョーコを風呂場で気絶させてジローに襲わせようとしたこともある(ジローが鼻血を出して気絶したため未遂)。 阿久野 イチロー(あくの イチロー) ジローの父でキルゼムオール首領。再建資金を集めるためにラスベガスに行っているらしい。家族の知らないところでサブローを養子にして「ジローの弟」としていた。乙型のAIは彼が制作したものであり、ジローにも手が出せない代物であることから、科学者として優れていることが伺える。人知れず真世界(ネビロス)を壊滅させており、戦闘力や策謀も底が知れない(ただし再建資金を使ってしまったため組織再建が延期になった)。 終盤で初登場。ジローをそのまま大人にしたような外見で、ジローよりワイルドな印象。息子とは違い女性にフランク。 ジローが学校生活を気に入り悪の組織への復帰を迷っていることを察し、目の前でキョーコを殺害したふりをして、ジローの本心を引き出させた。息子のために悪役を演じるなど、その愛情は本物だが人騒がせであり(エーコ曰く「お父さんが動く時ってホントにハタ迷惑」)、この騒動の後はエーコやジローの学友たちに追い回された。 阿久野サブロー ジローの弟でにわか忍者のウクライナ人。九州弁で喋る。金髪で小柄。 ジローの社会勉強が組織復興までに間に合わなかった場合の保険として、イチローがいつの間にか養子にした。 ワンルームマンションに住むなどジローより待遇がいい。のちに復興に向けての節約と修行のため、公園での野宿に変えた。 本名はクラウゼ・ウンチェンコだが、ジローの父に名乗った際に大笑いされたというトラウマがあるため、あまり本名を名乗りたがらない。 最終話のおまけまんがでは、身長がかなり伸び、ルナと交際していることが明かされた。 キョーコの父 本名は不明。ハゲ頭(スキンヘッド)だったのをジローにフサフサのアフロに改造してもらった(そのついでに腕が飛ぶようになっていた)。 大らかというか、のほほんとした性格で、組織の壊滅により住む所を失ったジロー達をあっさり受け入れる。息子が欲しかったらしく、ジローを気に入っている。 キョーコの母 本名は不明。故人。容姿はキョーコにそっくりだが、娘とは違い巨乳で、さほど小柄でもない。キョーコが中学1年生の頃、喧嘩したままで死別したため、キョーコの心に深い傷を残していた。ビデオカメラに残された思いがジローのアイテムによって立体化され、生前の思いは娘へと届けられた。キョーコに似て少々口が悪いが、最期まで娘の幸せを願っていた。 かつては悪の組織で働いており、東京に遠征に来ていた際にキョーコの父と出会っている。 ポチ キョーコの家で飼っている犬。ジローの特殊アイテム(ジハクシール)により言葉が話せるようになった。 ジローよりも世の中のことを知っているので、ジローは「師匠」と呼んで慕っている。普段は他人の意見になかなか従わないジローだが、ポチの言うことには素直に従う。ジローと朝の散歩に行くのが日課。 犬なのに落ち着いた雰囲気を持ち、含蓄がある台詞でジローを励ますなど、とても頼もしい。無職でだらしないエーコには苦言を呈している。 子供が苦手らしい。また、彼女(メス犬)がいるようである。
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