政治哲学
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政治哲学(せいじてつがく、英語: political philosophy)は、政治に関する哲学である。政治思想(せいじしそう、英語: political thought)ともいう[注 1]。現代では政治理論(せいじりろん、英語: political theory)と言い換えられることが多い[3]。
概要
政治哲学は政治学の一分野であると同時に哲学の一部門である。哲学とは物事の根本を明らかにし、かつ全体の包括的な枠組みを示すための知的な取り組みであり、政治哲学は哲学的な立場から政治を研究するものである。レオ・シュトラウスは政治哲学の一次的な本義を政治的事柄の自然本性を真に知ろうとし、かつ正しい政治的秩序あるいは善い政治的秩序を真に知ろうとする試みと位置づけた。また政治哲学は実践的な意味もあり、考察を経て形成された理論は「政治思想」として実際の政治実践の根拠として用いられうる[1]。
政治哲学が扱う主題は幅広く、国家の本質、政治と倫理の関係、政治と自由の関係、政治と法の関係、戦争と平和である。古来より政治に対する哲学的な議論はされてきている。日本では聖徳太子、古代中国では孔子・孟子(儒家)・老子・荘子(道家)や韓非子(法家)に代表される諸子百家、イスラムでは政教一致の教義で不可欠なものであり、西洋では古代ギリシア時代のプラトンやアリストテレスの時代から盛んに議論され、ホッブズ、ロック、モンテスキュー、ルソーなど現代社会に多大な影響を与えた人物によっても議論されてきた。
特に、現代社会のように多様なイデオロギーが複雑に絡み合った世界では、政治の本質を問うという行為は今後も重要である。しかし学問としての政治哲学は体系的で観念論的な性格があるため、形而上学・美学・倫理学・論理学といった知識や、哲学史上の議論など、哲学そのものについての文献学的な知識や方法が要求される。
マルクス主義・弁証法的唯物論においては、政治における哲学と科学は自己批判の役割と手段(監視者)でならなければならず、その立場は民衆側にも担う権利があるとする、とされる[4]。
脚注
注釈
出典
- ^ a b c 宇野重規 (2013), p. ⅸ.
- ^ 宇野重規 (2013), p. ⅷ-ⅸ.
- ^ 犬塚元 (2014年). “政治理論研究の現在──「規範を論じるエッセイ」からの脱却──井上彰・田村哲樹編『政治理論とは何か』に寄せて”. www.fuko.co.jp. 風行社. 2020年10月18日閲覧。
- ^ 梅本克己 (1969), pp. 139–140, 148–150.
参考文献
- 宇野重規『西洋政治思想史』有斐閣〈有斐閣アルマBasic〉、2013年10月。ISBN 978-4-641-22001-0。
- 梅本克己『唯物論入門』清水弘文堂書房、1969年。
関連文献
- 安彦一恵、谷本光男編『公共性の哲学を学ぶ人のために』世界思想社、2004年8月。 ISBN 4790710718
- 茅原廉太郎『日本の政治哲學:悲しみを透して輝くよろこび』益進會、1915年7月。
- 京大政治思想史研究会編『現代民主主義と歴史意識』ミネルヴァ書房、1991年5月。 ISBN 4623020932
- 高晃公『魯迅の政治思想:西洋政治哲学の東漸と中国知識人』日本経済評論社、2007年12月。 ISBN 9784818819733
- 佐藤清勝『大日本政治哲學』豊國社、1943年5月。
- 小田川大典、五野井郁夫、高橋良輔編『国際政治哲学』ナカニシヤ出版、2011年5月。 ISBN 9784779505607
- 小路田泰直『日本史の政治哲学:非西洋的民主主義の源流』かもがわ出版、2023年2月。 ISBN 9784780312669
- 西永良成、三浦信孝、坂井セシル編『日仏翻訳交流の過去と未来:来るべき文芸共和国に向けて』大修館書店、2014年11月。 ISBN 9784469250848
- 中野好之『バークの思想と現代日本人の歴史観:保守改革の政治哲学と皇統継承の理念』御茶の水書房、2002年8月。 ISBN 4275019326
- 藤澤親雄『日本民族の政治哲學』巖松堂書店、1937年8月。
- 藤沢親雄『東洋政治哲学と新しき世界平和原理』新生社、1957年5月。
- 日本デューイ学会編『民主主義と教育の再創造:デューイ研究の未来へ』勁草書房、2020年12月。 ISBN 9784326251476
関連項目
外部リンク
- Political Philosophy - インターネット哲学百科事典「政治哲学」の項目。
- Medieval Political Philosophy - スタンフォード哲学百科事典「中世における政治哲学」の項目。
- 政治理論家のページへのリンク