ギャルファッションにおける時代毎の変移と流行
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「ギャル」の記事における「ギャルファッションにおける時代毎の変移と流行」の解説
時代別ギャルファッションのキーワード及びマストアイテム時代名称分類説明1990年代ALBA ROSA ブランド 1990年代にギャル系が登場した際にカリスマブランドとして認識された。 アムラー 流行 安室奈美恵のファッションスタイルを崇拝する女性の事。ギャル系の発展とコギャルの登場に大きく影響。 ルーズソックス アイテム 履いている状態がゆるい印象を与える靴下で、主にブレザーやセーラー服を着用の上で、ローファーと組み合わせて履かれる。コギャルから制服の着くずしという文化が変化してゆき、それまでの制服の着こなし方が大きく変化させた現在でも定番的なアイテム。詳細は「ルーズソックス」を参照 ロングブーツ アイテム コギャル初期のアイテム。特に黒のスエード風のロングブーツが流行した。ブーツの流行はバブル期以前では短命に終わっていたが、コギャルにブーツが流行したことによって2007年にブーティーなどのショートブーツ化したファッションが発生するまで10年以上も定番となった。 パレオドレス アイテム パレオで女性が着るドレスが流行したもの。1枚布を結ぶだけの簡素なもので、夏に着用していた。 ビキニ アイテム バブル期からしばらくは水着の流行はハイレグであったが、ギャル系ファッションがビキニを支持していた。その後、他のファッションも海でのファッションにはビキニを着用する人が多くなった。 LOVE BOAT ブランド 1996年に創業したギャルブランドで、創業当時のこの時代は特に人気が高かった。移り変わりの激しいギャル系の流行にも定番的な地位を確立し、後にLDS(Love Drug Store)LB-03、LOVE GIRL MARKETなどを展開して展開した。 CECIL McBEE ブランド 同じく1996年に創業したギャルブランドで、同じく移り変わりの激しいギャル系の流行にも常勝的な地位を確立しているブランド。現在では新ブランド「Fabulous CECIL McBEE」も展開。同ブランドの代表取締役である木村達央は1996年という年を「渋谷にセクシーカジュアルの突風が吹いた」と評しており、実際にこの年に創業したブランドも多く、さらにはギャル系ファッションがより進展し始めた時期も1996年と重なる。 アイプチ アイテム 二重まぶたにするための糊の一種で、特にギャルメイクを行う上で「目力(めぢから)を強める」というのは一つのキーワードとなっていた。アイプチをすることによって二重まぶたにできる、その反面ギャルが好むメイクを行うには相応の技術が必要となるため、ギャルによってアイプチが流行したものの、中にはメイクが難しくなるという理由でアイプチを使用することを敬遠する者もいた。 日焼けサロン その他 ガングロになるためには日焼けサロンは必要不可欠であった。若しくは黒系のファンデーションをタンニングした肌の上から厚塗りしていた。なお、ガングロの略称には諸説があり、「ガンガン黒い」の略称、あるいは「顔黒」から来ているという説もある。ガングロよりも焼いた肌をゴングロ、さらに焼いた肌をバチグロと呼んだ。ただしこのスタイルの流行は地域差があり、例えば関西地方においては隆盛を極めた時期でさえも、街中でこのようなスタイルの少女を見かけることは稀であった。詳細は「ガングロ」を参照 黒系のファンデーション アイテム 厚底ブーツ厚底サンダル アイテム ソール全体を厚くしたブーツとサンダル。1990年代末期に流行。厚底サンダルは1999年S/Sで流行したが、厚底ブーツは1998年 - 1999年A/Wと、1999年 - 2000年A/Wで流行した。ブーツに関しては前期と後期で種類が違い、初期はスエード調レザーを用いたベージュやクリーム色のブーツが流行した。後期は前期のスエード調以外にレザー調の光沢感のある黒や茶色のブーツが流行った。特に後期は前期のものよりもスタイリッシュな造りが多く、編み上げブーツが特に流行した。 アニマル柄 色彩 1998年頃より流行。特にヒョウ柄、ゼブラ柄が人気を博し、特にヒョウ柄はギャル系の代名詞的な色彩となった。当時、ギャルファッションのキーワードとしてワイルドなイメージを前面に押す、あるいは南国イメージが強いパッションな表現も多かった。この年のアニマル柄の大流行はギャルだけでなく他のファッションにも大きな影響を及ぼした。翌年以降より一旦はアニマル柄の流行は沈静化したが、ギャル系には散発的なヒットを繰り返すようになった。2005 - 2006年A/Wには再度ファッションを問わずヒョウ柄が大流行している。 キャミソール アイテム 1998年頃より流行。それまで下着ないしインナーとして着用していたキャミソールであったが、生地をメリヤス等に変更したトップス向けのものが登場しギャルの間で大流行した。その結果、夏場などはトップスはキャミソール1枚のみという女性も少なくなかった。現在では定番化し、様々な着回しやローテーションができるアイテムとして、あらゆるファッションにおいてキャミソールが定着している。 ブラストラップストラップレスブラ アイテム キャミソールの流行と同時期より普及。キャミソールの形状上ブラジャーのストラップが見えてしまうため、見える箇所をいかにお洒落に見せるかが課題となった。ブラストラップ自体は安価で交換が容易であることから普及に繋がった。特にクリアタイプやアニマル柄は大きく流行した。また、ストラップが見えること自体を忌避する需要もありストラップレスブラも流行した。これらの事象から女性用下着のニーズの幅が広がり、様々なデザインや色柄の下着が販売されていくこととなる。 メッシュ ヘアスタイル ガングロからヤマンバが登場する過程で登場した、部分的な色違いの毛染めを施したスタイル。それまでは頭髪は茶髪や金髪などに染色しているスタイルが多かったが、渋谷センター街を発祥として1999年頃に隆盛を極めた。 パラパラ 音楽 1990年代はパラパラは複数回流行したが、ギャルの間でパラパラが大きく流行したのは1990年代末期であった。特に当時はサークルを作って深夜徘徊を行っているギャルたちが、公園や路上など公衆の面前でもパラパラの振り付けを踊って楽しんでいる様子がうかがえた。 2000年代美白ブーム その他 2000年頃より流行した肌の美意識傾向の一つ。1999年頃より放映され始めたポンズ・ダブルホワイトのCMにより、翌年から白い肌が尊重される美白ブームに取って代わった。これによりギャルの傾向が「白ギャル」や「お姉ギャル」という新しいタイプのギャルが登場した反面、従来の黒い肌を基調としたガングロが激減し、その影響でマンバ系のギャルも減少傾向となった。 ミニ浴衣 アイテム ギャルブランドの多くが夏になると浴衣を販売しており、これによりギャルの間で夏に浴衣を着ることが定着したが、2000年ころに「ミニ浴衣」というものが登場した。ミニ浴衣は通常の浴衣と比べて身頃が極端に短くなっており、ちょうどミニスカートくらいの丈となっている。ギャル浴衣以外に甚平も好んで着用された。 アユラー 流行 安室奈美恵の信者を「アムラー」と称したことから、浜崎あゆみの熱狂的な信者を「アユラー」と称された。ギャル傾向の白ギャル化が際立って目立つ中、浜崎は多くの支持者に偶像化されていった。 ミュールサンダル アイテム それまでは「ヘップバーンサンダル」と呼ばれていたものであったが、本格的に流行り始めたのは2000年代初頭からであった。当初流行ったものは非常にヒールが低いミュールが流行り、当時はヒールが低いサンダルのことをミュールと誤解する人も多かった。 メイベリン ブランド 日本でも知られるマスカラブランドの一つ。1996年にロレアルグループの傘下となったため、1999年ころより日本でのブランド展開を一新。2000年代よりCMが盛んになるとギャルにもブランドの認知度が大きく向上した。これを危惧したコーセーはブランド「ヴィセ」のイメージキャラクターに浜崎あゆみを起用し、マスカラ市場のギャルの動向はより激しいものとなり、同時にマスカラの性能はこの時期より飛躍的に向上した。 ストレッチファイバー メザイク アイテム 二重まぶた矯正アイテムの一つ。2000年に登場して以来、アイプチと二極で覇を競っており、当時メザイクの登場の際にはアイプチでの問題点を解決できるアイテムとして好評を博した。 金髪のショートヘア ヘアスタイル 浜崎あゆみの曲evolutionが発表された時期に起きたギャルの傾向。この時期に浜崎はロングヘアからショートヘアにばっさり髪を切ったため、これに感化されたギャル(特にアユラー)が一斉に髪を切り、ギャルの中でショートヘアが大流行した。 エクステ ヘアスタイル 2000年代初頭より流行。特に先述の浜崎のショートカット後にエクステをつけてロングヘア化したことが話題となって、多くのギャル(アユラー)たちが真似をした。これによりエクステをつけることが一般的となった。 チューブトップ アイテム 2000年頃より流行。当初は欧米人より華奢な日本人の体形ではズレやすいためにあまり合わず、本格的な流行となったのは2002年以降である。 ヌーブラ アイテム 2002年頃より流行。すでに流行していたキャミソールやチューブトップを、ブラストラップを見せずに着用するにはストラップレスブラ以外に選択肢がなかった。特にズレ防止のためには摩擦の強い生地のブラジャーを使用しなければならず、下着のラインが響くため思い切ったファッションがしにくいという欠点も露呈した。ヌーブラの登場により特にチューブトップやベアトップなどズレやすい形状の衣類や、肩や背中で下着を見せないようにすることができ、前面でも下着の形状が衣類に響かない自然なバストラインを見せられるため、爆発的に流行した。その他にも自身のバストサイズより大きめのブラジャーの内側にヌーブラを装着してバストを大きく「盛る」技術も流行。一般的に痩せ型体形が多いと言われるギャルたちの間で普及した。 トラパラ 音楽 2003年頃より流行。それまではパラパラが流行していたが、いつの間にかトラパラの流行に移行していた。ディスコには連日ギャルが多く居た。 ネイルアート 美容 キャル文化の中で特にネイルアートが2003年頃より一般的となった。特にネイルチップからスカルプチュアを実施する層が増えた。当時はまだジェルネイルがなく、加工に時間がかかっていたが、それでも己の美のために待つ労力も惜しまなかった。 デコ電 その他 ネイルアート技術の発展により、携帯電話をデコレーションすることも流行した。それまでも携帯アートというものがあったが、本格的なものになるとエアブラシなどを使わなければならず専門知識や技術が必要であったが、デコ電は個人でも比較的楽しめた。また、ネイリストがネイルアートの技術を用いて本格的なデコ電を制作し、特に若い女性が好むデザインに仕立て上げることも可能であった。これにより当初はギャルの間で流行し、後に一般女性や子供にもデコ電にする傾向が広まった。 ケツルル アイテム サーフ系の復活により、2004年頃よりCOCOLULUの人気が高まる。同ブランドのジーンズで尻部にロゴがプリントされたものが爆発的にヒットし、これを「ケツルル」と呼ぶ。 エロカワ 流行 2005年頃より倖田來未がギャルのカリスマとして人気を博すと、当時の倖田が「エロかっこいい」と形容されはじめ、また、本人も女性へのメッセージとして性愛に対してオープンになるように発言したことから、ギャルたちが「エロ」に対して寛容になった。ファッションでも「エロ可愛い」を略した「エロカワ」という要素が確立し、男性から見た性的興奮を狙ったファッションが評価されるようになり、挑発的な露出(例:胸の谷間が見える、太ももが見えるように強調した服装)が流行した。この現象は当初ギャル系が先行して受け入れたが、次第に『Seventeen』などのコンサバなティーンズファッション雑誌や、ViViを中心にCanCam、JJ、Rayなどの赤文字雑誌(いわゆるお姉系)にも広がり、ファッションがより男性の視線を意識したものに変移した。 ショーパン アイテム 日本で1970年代に流行したホットパンツの再来。2006年頃より流行。当初の雑誌ではホットパンツと銘打ったが、次第にショートパンツと呼ばれ、やがては「ショーパン」と略されるようになった。従来のミニスカートよりも脚のコーディネイトの自在性が前面に出されることと、スカートと比べて活発な行動が可能であり、特に下着が見えず防寒性があるのは大きなメリットでもあった。また同年より「ニーハイ丈」というファッションキーワードが登場した。これは2006年当時の美脚ブームから派生するもので、ショートパンツで脚の露出を上げて膝上丈(ニーハイ丈)のロングブーツやニーハイソックスとコーディネイトすることにより脚を長く見せる効果があった。特にニーハイソックスはギャル系だけでなく他のファッションジャンルでも大きく流行した。 ニーハイ丈 流行 デカ目 流行 2006年に雑誌『小悪魔ageha』が創刊されて顕著になった傾向。メイク技術によって「目を大きく見せる」というものが1つの目標となり、この傾向を「デカ目」と呼んだ。アイメイク用の化粧品も販売競争が激化し、大手化粧品メーカーの資生堂も「MAJOLICA MAJORCA(マジョリカ マジョルカ)」などの若年者向けレーベルでマスカラ「ラッシュ・エキスパンダーネオ」を発表するなど、ギャル(age嬢)のメイクには各化粧品メーカーが注目していた。またこの他にもカラーコンタクトレンズを取り扱うメーカーも注目しており、医療機器関連メーカーのジョンソン・エンド・ジョンソンも2005年2月にコンタクトレンズ「ワンデー アキュビュー ディファイン」を発売。黒目を大きくくっきり見せられるとして爆発的な人気を博した。翌年11月にはより目を大きく見せられる「VIVID STYLE」が発売された。しかし医療機器として販売される商品がある一方で、雑貨として「おしゃれ用カラーコンタクトレンズ」が医師の診断なく販売され、特にインターネットや雑誌広告などで通信販売された結果、眼障害を伴う事故が多発した。その結果、経済産業省と厚生労働省が厳密に薬事法適用製品とすることを発表、「デカ目」ブームから派生したカラーコンタクトレンズ問題は物議を醸すこととなった。「カラーコンタクトレンズ#製品評価技術基盤機構(NITE)の調査報告書」も参照 ハイブランド その他 小悪魔agehaによってキャバクラ嬢が注目されるようになると、彼女らが所持しているルイ・ヴィトン(特にモノグラム・マルチカラーやダミエ・アズールなどの柄)、クリスチャン・ディオール、シャネル(カンボンラインなど)、コーチなどのバッグや財布などを、社会人ギャルだけでなく高校生や中学生のギャルが所持することが増えた。しかし高価なブランドであるため、商品を安価に入手しようとインターネットオークションを利用して並行輸入品と呼ばれるものを入手する者も多く、その結果コピー商品を掴ませられる問題も生じている。 ムートンブーツ アイテム 2007年頃より流行したブーツ。表面はスエードで起毛処理された革(ムートン)を使用し、内側にファー(英語版)が施されているブーツで、長さは従来のロングブーツと比較するとふくらはぎ丈ほどしかないもの。「シープスキンブーツ」とも呼ばれる。元はアグ・オーストラリアが発売するアグブーツと呼ばれるものがこのデザインの原点であり、サーフィンをする者が足先を冷やさぬように施されたブーツで、2006年ころロサンゼルスで流行しサーフ系セレブファッションとして日本に伝わった。なお、日本では本物のムートンが使用されていなくても形状のみでムートンブーツと呼称される傾向がある。春先までブーツとして、特にブーツの履き口を折って中のムートン部を外に露出して使用することもでき、2通りの使い方ができるとして定番化しつつある。 カラータイツ アイテム 2007 - 2008年に流行。ショートパンツが定番アイテムとなった結果、前年度にはレギンスやタイツと組み合わせてコーディネイトする女性が増えたが、翌年にはカラータイツが流行した。様々な色やデニール数により透け感を演出するなど、服飾のアクセントとして取り入れることができ、ムートンブーツと合わせやすいのも人気の理由となっていた。 ブーティー アイテム 2007年秋頃より流行。日本では1990年代中盤より10年以上もロングブーツが定番化してしまっていたため、当時ブーティーはかなり画期的かつ斬新なアイテムであり、同年夏から流行の兆しがあると予測されながら、当初はこれを新しいファッションアイテムとして使いこなせる女性が少なかった。形状はブーツを踝かアキレス腱辺りで切ったような形状をしており、ショートブーツに位置付けられる。これもカラータイツの流行や、ミニスカートからショートパンツへボトムのファッションが切り替わったことによる「美脚化」の流れであった。次第にブーティーとの組み合わせが考えられた結果、翌年以降からも定番化した。
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