こ‐ギャル
コギャル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 07:20 UTC 版)
1990年代に入ってからは、ストリートファッションなど「カジュアル」というキーワードをもったファッションが注目される。また、10代の女性の間ではSUPER MONKEY'Sの安室奈美恵の登場により、彼女の装いに特に影響された者が続出した。この現象もしくは安室に心酔した彼女らのことをアムラーと呼び、10代の女性の多くが彼女のファッションである1970年代風のサーファーファッション、LAファッションなど回帰的なファッションが流行を示した。特に大きな変化として、それまでの日本人にはあまり馴染みがなかった茶髪に対する抵抗感がなくなったことが挙げられる。このファッションの流れを汲むのが狭義でのギャルの原点であるというのが定説となっている。また安室は「初代ギャルのカリスマ」とされた。 コギャルという言葉は、上記のアムラーの発生とほぼ同時期の流行語とされ、1993年から写真週刊誌『フライデー』などの媒体に記述が見られる。ただし、本格的にコギャルという言葉が使われ出したのは1996年からであり、若者の娯楽・風俗までが女子高生・女子中学生を中心とした文化に変化していたことを象徴していた。この当時のギャルの年齢層は1980年生まれ前後の「ポスト団塊ジュニア」の女性に相当する。コギャルの語源については諸説あるが、有力な説としてはディスコ・クラブにおいてエントランスチェックの黒服が、本来は深夜入場が不可な女子高校生を成人女性と区別するための隠語として、幼く見えるギャルを「子ギャル」「小ギャル」と呼んでいたという説や、「格好はギャルだけど、未だ本物のギャルになりきれない格好だけのギャル」から、「カッコ(格好)・ギャル」と呼ぶようになり、その「カッコギャル」が縮まって「コギャル」となったという説、またそれをマスメディアが「コギャル」の「コ」を「子」ないし「小」であると誤認した結果であるとする説、あるいは「高校生ギャル」を略して「コーギャル(高ギャル)」からコギャルという言葉に派生した説もある。いずれも検証は不可能ではあるが、10代の女性(特に女子高校生)に対して主に使用されることが多かった言葉である。 この他にマスメディア主導によって誕生した派生語に「中学生のギャル」を指すマゴギャル(孫ギャル)があったが、上記のように、コギャルの語源とは違った解釈がなされた結果生まれた派生語の可能性もある。1990年代末期にはすでに高校を卒業した身分でありながらも、当時のコギャルとなんら変わりないメッシュを入れた髪で制服に身を包み、ルーズソックスにローファーを履いて街に繰り出すという「なんちゃってコギャル」という女性も存在した。 当時は「コギャルブーム」と言われるほどの流行で、ワイドショーや週刊誌を初めとして、メディアではコギャルの特集が連日連夜と報道された。ただし、その影では若者の貞操概念や道徳観の欠落など様々な問題も同時に取り上げられ、特に「援助交際」に関しては児童買春・児童ポルノ禁止法が整備されていなかったり、あるいは青少年保護条例が現代ほど機能していなかった時代でもあって強く問題視された。そうした出処の資金源があってこそ高校生や中学生の身分で非常に高価なファッションを装うことができることにも着目され、目まぐるしく変化する時代の流行に順応してゆく彼女らを絡めて、多様なコギャル像が構築されていた。 「俗流若者論」も参照 1990年代を賑わせたコギャルであるが、2000年代に入るとマスコミ媒体ではほとんど聞かれなくなる。ただし、アメリカなどの諸外国では "Kogal" として日本の若い女性を表す一般的な言葉として認識されている。ただし、どちらかというと諸外国ではKogalは性的嗜好やフェティシズムの1つとして認識されている。
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