ほうじ茶とは? わかりやすく解説

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ほうじ‐ちゃ〔ハウじ‐〕【×焙じ茶】

読み方:ほうじちゃ

二番茶以後硬い強火焙じた

焙じ茶の画像
焙じ茶の

番茶・ほうじ茶

大阪弁 訳語 解説
番茶・ほうじ茶 -- 関西では、もともと緑茶ではなく茶色お茶普段から飲んでいた。「番」は、普段の、平素からの、の意味お番菜番傘と同じ「番」。「茶色」が緑茶の色でないのはこのため


ほうじ茶

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/02/16 19:46 UTC 版)

ほうじ茶 浸出液[1]
100 gあたりの栄養価
0.1 g
ビタミン
リボフラビン (B2)
(2%)
0.02 mg
ナイアシン (B3)
(1%)
0.1 mg
葉酸 (B9)
(3%)
13 µg
ミネラル
ナトリウム
(0%)
1 mg
カリウム
(1%)
24 mg
カルシウム
(0%)
2 mg
リン
(0%)
1 mg
(1%)
0.01 mg
他の成分
水分 99.8 g
カフェイン 0.02 g
タンニン 0.04 g

浸出法: 茶 15 g/90 °C 650 mL、0.5分
%はアメリカ合衆国における
成人栄養摂取目標 (RDIの割合。
番茶より焙じられた茶葉
茶葉から煎じたお茶

ほうじ茶焙じ茶、ほうじちゃ)とは、日本の緑茶の一種であり、茶葉を焙(ほう)じた飲み物を指す。一般に煎茶番茶茎茶焙煎したものである。

概要

ほうじ茶は煎茶をふるい分けして得た形の大きな葉質の硬化した部分(頭と呼ぶ)あるいは番茶などを荒茶としてよく火入れし、これをさらに高温度で焙焼したものである[2]日本茶業中央会の定める緑茶の表示基準では「煎茶や番茶などを強い火で焙って製造したもの」と定義されている[3]。一般的には3番茶や4番茶などの下級茶の茶葉を焙煎したものとして低品質な印象をもたれることもあるが、石川県の棒茶のように1番茶が用いられることもあり香りや味が豊かなものもある[4]

ほうじ茶はピラジン類という香気成分を有しており[5]、その独特の香ばしさは「ほうじ香」と称されている[6]。また独特の香ばしさとともに、すっきりとした味わいも特徴とする[7]刺激が少なくにやさしいため、食事中のお茶に向く[8]

ただ、ほうじ茶には様々な荒茶が用いられることがあり、各種成分の含有量には幅がある[9]。焙煎の程度には浅炒から深炒まであるが、一般的にカテキン類は焙煎することで減少して渋みが軽減する(ただし熱変性により荒茶にはないガロカテキンが発生する)[10]アミノ酸類も焙煎により全体量は減少するが、浅炒では旨味に関与するテアニングルタミン酸などのうみ味は残され、さらに深炒ではあっさりとした味になる[10]

カフェイン含有量については「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」において「(緑茶類)ほうじ茶 浸出液」の項目で茶15g、90℃、650mL、0.5分の浸出法で20mg/100g(カフェイン含有量の目安)としている[11]

製法

葉が赤茶色に変わるまで(メイラード反応)強火で焙じて作る。今日の製法は、1920年代に京都において確立されたといわれる[12]

製茶業者は専用の大がかりな焙煎器を使用する。家庭で茶葉を焙ずるには、一般的に焙烙(ほうろく、ほうらく)という磁器などの焙じ器が使われる。簡易な方法としては、厚手の鍋やフライパンで代用することもできる。

少量を焙じるには「懐紙に茶葉を乗せ(あるいは懐紙で茶葉を包む)、熱源(電熱器等)の上で細かくゆすりながら焙る」という方法もある(煎茶道におけるほうじ茶の点前などで使われる手法)。ただしこの場合、熱源の上に茶葉がこぼれる、懐紙を熱源に近づけすぎるなどの原因で発火するケースが少なくないため、周囲の環境に注意して行う必要がある。

種類

部位による分類

雁ヶ音ほうじ茶

原料の部位により茎ほうじ茶と葉ほうじ茶に分けられる[4]

茎の部分を使った緑茶を京都では「かりがね茶(雁ヶ音茶)」といい、は、茎の部分を焙じたものは「かりがねほうじ茶(雁ヶ音ほうじ茶)」ともいう[13]

各地のほうじ茶

京番茶

京都で番茶という場合には一般的にほうじ茶を指す[7]。「京番茶」は煮立てて飲むことが多く、強火で炒られており独特のスモーキーな香りを特徴とする[7]。また、カフェイン量も比較的少ない[7]

加賀棒茶

棒茶(炒り茶)は石川県金沢市を発祥の地とする茶の茎を焙煎して製造したほうじ茶である[4]石川県ふるさと食品認証食品に登録されている[14]。また、石川県では県内で焙煎された棒茶の認証基準(農安第1751号、平成19年10月22日)を制定している[15]

石川県のある製茶場が、上質な原料から作った加賀棒茶を、全国植樹祭のために来県した昭和天皇に献上した。その経緯から「献上加賀棒茶」という商品名で製品化したため、加賀棒茶が全国的に知られるようになった[16]。「献上加賀棒茶」は高温で短時間焙煎するもので、水色は澄んだ琥珀色で、味は優しい甘みがあり、香りは上品で格調高い。

京都の「京はやしや」では、同社の先祖である三代目林屋新兵衛がその元祖であるとしている[17]越中福岡出身の同社の始祖である初代新兵衛は金沢の茶店で奉公ののち、1753年に金沢安江町極楽橋に茶店「越中屋新兵衛」を開店。1805年に「林屋」と改称、三代目新兵衛が1902年に廃物の茎から「ほうじ茎茶」を考案、好評を得たため金沢市茶業組合に製法を教え、北陸地方に広まったという[17]。林屋は明治時代に京都宇治木幡に茶園を持ち[18]、四代目新兵衛が京都に転居し、その長男・新一郎が1967年に現名の店を開業した[19][17]

名古屋ほうじ茶

平成18年度名古屋市優秀土産品審査委員会において名古屋市長推奨優秀土産品に登録されている。名古屋の土産として有名。茶の葉や茎を焙じたお茶は日本各地で生産されているが、名古屋ほうじ茶の特徴は数種類の上質な原料をブレンドし、強火であっても浅く焙じているのが特徴。水色は澄んだ黄金色で、味は甘みが強く苦渋味が抑えられ、さっぱりとした口当たりで香りが豊かである。浅く焙じる事で緑茶が含む有効成分(水分)を多く残しほうじ茶の中でも一番健康的なほうじ茶と言われている。名古屋ほうじ茶の香りは従来のほうじ茶の香りとは違い、こんがりとした香りの中にやや甘みが混ざった独特のものである。

淹れ方

ほうじ茶を淹れる場合には1人分(100mL)に対して2 - 3グラムの茶葉を標準とする[9]。ただし、単純に整数倍になるわけではなく、5人の場合には10グラム程度でもおいしく淹れることができるとされる[9]

また、焙じ香を楽しむお茶であることから、香りが引き立つよう熱湯を用いるほうが良いとされる[9]。浸出時間は約30秒である[9]。熱湯で淹れると1煎目で成分が出きってしまうため、淹れ直す場合は煎を重ねるより新たな茶葉に替えたほうが良い[8]

様々な商品化

ほうじ茶用の茶葉だけでなく、ペットボトル入りの茶飲料お~いお茶」「伊右衛門」のラインアップなどとして、そのまま飲めるほうじ茶が販売されている。

カフェインコーヒーより少ないうえ香ばしいため、牛乳とブレンドしたほうじ茶ラテもカフェチェーンやコンビニエンスストア等で取り扱いが広がりつつある。ほうじ茶を素材として加えた食品や飲み物、ほうじ茶のフレーバーのスイーツアイスクリーム、さらには香水にも使われている。伊藤園の推計によると、ほうじ茶の市場規模は約320億円(2016年)と、2005年の16倍に増えた[20]

脚注

注釈

出典

  1. ^ 文部科学省 「日本食品標準成分表2015年版(七訂)
  2. ^ 原 利男、久保田悦郎「焙焼条件がほうじ茶の品質に及ぼす影響」『茶業研究報告』第32号、1970年、47-52頁、doi:10.5979/cha.1970.67 
  3. ^ 緑茶の表示基準”. 日本茶業中央会. 2026年2月16日閲覧。
  4. ^ a b c 棒茶(炒り茶)の香気成分について”. 農林水産・食品産業分野産学連携支援サイト. 2026年2月16日閲覧。
  5. ^ ほうじ茶でリラックス”. 福寿園 (2025年2月7日). 2025年5月29日閲覧。
  6. ^ 焙煎程度とほうじ茶の品質”. 高知県農業技術センター茶業試験場. 2026年2月16日閲覧。
  7. ^ a b c d Leaf mini 2014臨時増刊号”. 京都をつにぐ無形文化遺産普及啓発実行委員会(京都市文化市民局文化財保護課). p. 13. 2026年2月16日閲覧。
  8. ^ a b 公益社団法人日本茶葉中央会、NPO法人日本茶インストラクター協会監修『日本茶の図鑑』マイナビ、初版第2刷、2015年、ISBN 9784839948139、pp.18,138-139
  9. ^ a b c d e 茶の淹れ方マニュアル”. 農林水産省. 2026年2月16日閲覧。
  10. ^ a b ほうじ茶の焙煎程度と内容成分”. 高知県農業技術センター茶業試験場. 2026年2月16日閲覧。
  11. ^ 飲料のカフェイン含有量に関する調査‐知らずに多く摂取していることも!?‐”. 国民生活センター. 2026年2月16日閲覧。
  12. ^ https://hojicha.co/pages/history-of-hojicha-roasted-green-tea
  13. ^ かりがねほうじ茶64%使用の日本版ミルクティー! 大人のラテ「インスタント ほうじ茶ラテ」限定発売”. 日本緑茶センター. 2026年2月16日閲覧。
  14. ^ 棒茶”. 石川県 (2018年5月28日). 2019年3月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年3月20日閲覧。
  15. ^ 棒茶の認証基準” (PDF). 石川県 (2015年7月31日). 2019年3月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年3月20日閲覧。
  16. ^ https://web.archive.org/web/20081230004524/http://www.kagaboucha.co.jp/01story/01_02_2.html
  17. ^ a b c 京はやしやの歴史京はやしや
  18. ^ 金沢・林屋新兵衛本店広告『紳士縉商北陸商工業名鑑』(日本勧業合資会社, 1916)
  19. ^ 林屋新兵衞『人事興信録』第8版 [昭和3(1928)年7月]
  20. ^ “ほうじ茶人気、沸騰!? ラテやアイス、香水も”. 朝日新聞デジタル. (2017年12月15日). オリジナルの2017年12月17日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20171217014216/http://www.asahi.com/articles/DA3S13274127.html 2023年12月17日閲覧。 

関連項目

外部リンク



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