ハイビスカスティーとは? わかりやすく解説

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ハイビスカスティー


ハイビスカスティー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/02 14:44 UTC 版)

ハイビスカスティー
乾燥させたハイビスカスのがく

ハイビスカスティー (Hibiscus tea、ハマイカティーJamaica teaとも )とは、ハーブティーの一種で、 ローゼルの花の紅色~深いマゼンタがくから成分を抽出したもの。クランベリーのような酸味を持つ。冷たい状態・温かい状態のいずれでも供される。

各地のハイビスカスティー

アフリカ大陸

ハイビスカスティーに使用されるローゼルはアフリカ原産と考えられている。[1] アフリカでは、ハイビスカスティーは市場で一般的に販売されており、乾燥させたローゼルの花はアフリカの東西を問わず広く流通している。 西アフリカおよび中部アフリカの一部では、ハイビスカスティーのバリエーションがよく飲まれている。セネガルでは、 ビサップ英語版が「セネガルの国民的飲料」として知られている。西アフリカでは、ハイビスカスティーにはしばしばミント生姜の風味が加えられる。ガーナではハイビスカスティーは「ソボロ(sobolo)」と呼ばれ、ナイジェリアでは「ゾボ(zobo)」として知られている。

カルカデ茶(Karkadé)は、温かいものと氷で冷やしたもののいずれでも供され、北アフリカの一部、とりわけエジプトスーダンでよく飲まれている。[2] エジプトとスーダンでは、結婚式乾杯にもカルカデ茶が用いられる。カイロ中心部では、どの通りでも売り子やオープンカフェがカルカデ茶を売っている光景を目にすることができる。[2]

スーダンでは、民間療法の一環として、カルカデ茶が様々な病気の治療に用いられている。スーダンで標本を採取した薬学者は、カルカデ茶に含まれるアントシアニンが効能に関係している可能性を示唆している。[3][4]

アメリカ大陸

冷えたアグア・デ・フロール・デ・ハマイカ。クエルナバカのレストランにて。
メキシコ産のフロール・デ・ハマイカ(ハイビスカス)

アグア・デ・フロール・デ・ハマイカ(Agua de flor de Jamaica、「ハイビスカス水」の意)、アグア・デ・ハマイカ(agua de Jamaica) 、ローザ・デ・ハマイカ(rosa de Jamaica)などの名前で知られる飲み物が、メキシコ中央アメリカ、 および北アメリカカリブ海の一部でよく飲用されている。新鮮な果汁や搾り汁から作られるアグア・フレスカ英語版(清涼水)と呼ばれる安価な飲み物の一種である。アグア・デ・ハマイカやほかのアグア・フレスカはタケリアなどのメキシコ料理店で広く売られている。アグア・デ・ハマイカは、ローゼルのがくを沸騰したお湯に浸し、濾したうえで、がくから汁をすべて絞り出し、砂糖を加えてかき混ぜて作られる。アグア・デ・ハマイカは冷えた状態で供される。ジャマイカでは伝統的に、クリスマスフルーツケーキサツマイモプディングとともに食される。[5]

パナマでは、ローゼルの花とハイビスカスティーはいずれも「サリル」(saril、英語スイバを意味するsorrelからの派生語)と呼ばれる。サリルは、ローゼルのがくを刻んだ生姜、砂糖、クローブシナモンナツメグと煮こんで作られ、伝統的にクリスマスと中国春節に飲用される。このようなメキシコ、中央アメリカ、カリブ海沿岸の多くの地域との飲まれ方の違いは、パナマ、とりわけパナマシティとパナマのカリブ海沿岸地域の大半の文化に西インド諸島の影響が強いことに由来している。

カリブ海のうち英語が話されている地域では、ハイビスカスティーはソレルと呼ばれ、クリスマスのお祝い用の飲み物とみなされている。トリニダード・トバゴの企業であるカリブ・ブルワリー英語版は、ソレルをビールとカクテルした「シャンディ英語版」を製造している。

アメリカのソウルフード文化では、ハイビスカスティーは「赤い飲み物red drinks」として西アフリカに関連付けられており、ソウルフード料理店やアフリカ系アメリカ人の社交イベントで供されている。 [6]

東南アジア

タイでは、濃厚に甘く味付けされた「グラジャブ」(grajeab)という名前の冷たい飲み物として一般に供され、氷に注いで飲む。甘いグラジャブと氷で満たされたビニール袋は、学校の外や地元の市場で広く見られる。この飲み方ほど一般的ではないが、マレーシアカンボジアインドネシアでは、グラジャブと中国茶の茶葉を4:1の比率で混ぜてワインにすることがある。

ヨーロッパ

イタリアでは、ハイビスカスティーは「カルカデ」(carcadè、karkadè。アラビア語كَرْكَديه [karkaˈdeː]から)と呼ばれ、砂糖とレモン果汁を加えて熱い状態で供される。カルカデはエリトリアから伝来し、第二次エチオピア戦争でイタリアが経済制裁を受けていた際に紅茶の代用品として広く飲まれた。 ヨーロッパのそのほかの国では、ローゼルはハーブティーの材料として、とりわけマルバの花やローズヒップとともに、色味を増すために用いられる。

脚注

  1. ^ Roselle - plant”. Encyclopedia Britannica. 2023年8月5日閲覧。
  2. ^ a b Feeney, John (September–October 2001). “The Red Tea of Egypt”. Saudi Aramco World (Saudi Aramco). http://saudiaramcoworld.com/issue/200105/the.red.tea.of.egypt.htm 2008年6月1日閲覧。 
  3. ^ Cahliková, Lucie; Ali, Badreldin; Blunden, Gerald (2015). “Anthocyanins of Hibiscus sabdiffera Calyces from Sudan”. Natural Product Communications 10 (1): 77-79. https://doi.org/10.1177/1934578X1501000120. 
  4. ^ Khoo, Hock Eng; Azlan, Azrina; Tang, Sou Teng; Lim, See Meng (2017-08-13). “Anthocyanidins and anthocyanins: colored pigments as food, pharmaceutical ingredients, and the potential health benefits” (英語). Food & Nutrition Research. doi:10.1080/16546628.2017.1361779. ISSN 1654-661X. PMC 5613902. PMID 28970777. https://foodandnutritionresearch.net/index.php/fnr/article/view/1257. 
  5. ^ Sorrel recipe”. jamaicatravelandculture.com. 2023年8月5日閲覧。
  6. ^ Adrian Miller (2015年6月23日). “In Praise of Red Drink: The Origin Story Behind Soul Food's Most Iconic Beverage”. First We Feast. 2019年2月8日閲覧。

ハイビスカス・ティー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/11 03:57 UTC 版)

フヨウ属」の記事における「ハイビスカス・ティー」の解説

アフリカ原産Hibiscus sabdariffa、すなわちローゼル(英語: roselle)は、 花や果実正確に肥大した)をハーブティーいわゆるハイビスカス・ティー)に利用する。他のハーブブレンドされることも多い。ティー赤く酸味があり、ビタミンCが豊富であるとされる

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「ハイビスカス・ティー」を含む「フヨウ属」の記事については、「フヨウ属」の概要を参照ください。


ハイビスカス・ティー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/01 22:26 UTC 版)

ローゼル」の記事における「ハイビスカス・ティー」の解説

ローゼルは、 花や果実正確に肥大した)をハーブティー、「ハイビスカス・ティー」に利用する。ハイビスカス・ティーは赤くクエン酸などの植物酸が豊富で酸味がある。さわやかな嗜好飲料として、ビタミンCペクチンなどが豊富なため風邪咽頭痛としても使用されている。また、利尿作用穏やかな下剤としての作用などからダイエット効果謳った使用法商品もある。 エジプトではカルカデー(كركديه)、メキシコでは冷やしたものをアグア・デ・ハマイカ(agua de jamaica)と呼ぶ。セネガルガンビアマリギニアビサウなどではビサップ(Bissap)と呼ばれる。他のハーブブレンドされることも多く、特にローズヒップとのブレンド互い成分による相乗効果期待される

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「ハイビスカス・ティー」を含む「ローゼル」の記事については、「ローゼル」の概要を参照ください。

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