鉄道駅
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/12/20 08:29 UTC 版)
存在効果
鉄道駅には、利用するか否かに関わらず、駅そのものの存在によって安心感や満足感が得られる、という考え方があり、これを存在効果という[19]。国土交通省によれば、鉄道駅の存在効果は、次の5つの価値から構成される[19]。
- オプション価値 - いつでも利用できるという安心感から得られる価値。
- 代位価値 - (本人以外の)周辺の人が駅をいつでも利用できるという安心感から得られる価値。
- 遺贈価値 - 未来の世代に良い移動環境・生活環境を残せるという安心感から得られる価値。
- イメージアップ価値 - 地域のイメージや知名度の向上による満足感から得られる価値。
- 間接的利用価値 - 駅舎や駅前が整備されることによる満足感から得られる価値。
高崎経済大学准教授の小熊仁は、仮想評価法(CVM)に基づくアンケート結果から、JR高崎問屋町駅の存在効果を年間1億3384万円と推計した[19]。その内訳は、遺贈価値4138万円、代位価値3530万円、オプション価値2787万円、イメージアップ価値2227万円、間接的利用価値702万円である[19]。
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脚注
注釈
- ^ ちなみに、中国語では「駅」は「驛」(繁体字)または「驿」(簡体字)と書くが、鉄道駅の意味はない。鉄道駅の意味で用いるのは日本語および朝鮮語の用法である。中国語で鉄道駅は「車站」(chēzhàn)という。
- ^ 日本での法令上の呼称。索道、トロリーバス(無軌条電車)においても停留場である。
- ^ 一般には停留所ともよばれた。
- ^ フランス語のstation(スタスィオン)は、基本的には路面電車停留場(電停)および地下鉄駅を指す。
- ^ この英語表記は一般的な「駅舎」についても用いられる。
- ^ 駅舎は「本屋」(ほんや・ほんおく)とも呼ばれるが、これは明治期に「Booking Office」を直訳したものである。駅舎と本屋は同義語と捉えて問題ない駅がほとんどであるが、本屋とは、鉄道事業者が定めた駅の中心点を含めた構造物またはエリアを示すものである。
- ^ 一例として、1900年(明治33年)初出の『鉄道唱歌』歌詞に見ることができる。
- ^ 「ステン所」や「蒸気車会所」という呼び名もあったとする者もいるが典拠不明。
- ^ 東武ワールドスクウェア駅(2017年開業)や、かつての博物館動物園駅(1997年休止、2004年廃止)、2017年現在は全ての普通列車が停車しているファミリー公園前駅(1985 - 1993年の間)、大外羽駅(1974 - 1986年の間)など。
- ^ 北新地駅のように、既設の地下街と接続するのみで、地上構造物が皆無な例もある。
出典
- ^ 数字でわかる東京駅 - トラベル (asahi.com(朝日新聞社) 2010年12月2日)
- ^ 大辞泉「駅」
- ^ a b c d e f g h 鉄道用語辞典 あ行 駅 日本民営鉄道協会、2020年4月9日閲覧。
- ^ a b c d 建築思潮研究所 『建築設計資料 (72) 地域の駅』建築資料研究社、1997年、4頁。
- ^ a b c d e f 建築思潮研究所 『建築設計資料 (72) 地域の駅』建築資料研究社、1997年、5頁。
- ^ a b c d 建築思潮研究所 『建築設計資料 (72) 地域の駅』建築資料研究社、1997年、6頁。
- ^ a b c d 建築思潮研究所 『建築設計資料 (72) 地域の駅』建築資料研究社、1997年、7頁。
- ^ “Topic19 鉄道駅の利用者に対するわかりやすさ”. 都市のバリューを考える会 都市の価値を紡ぐ50のトピックス(日建設計総合研究所). (2010年2月15日) 2012年4月9日閲覧。
- ^ 「この論に拠ると、例えば上述の乗り継ぎ点・パークアンドライドについては鉄道駅の「ノード(人々が入ることのできる点、接合点)」要素が強く表れたものと見ることができる。[要出典]」
- ^ a b 火輪車がやってきた 〜公文書館所蔵資料でみる鉄道開業と東京〜 (PDF) (東京都公文書館 2010年6月)
- ^ 東京名所内 新橋鉄道舘之図(早稲田大学図書館)
- ^ 新橋鉄道館之図 - 国立国会図書館デジタルコレクション、橋本貞秀、1871年(明治4年)制作)
- ^ 東京汐留鉄道舘蒸汽車待合之図(国立国会図書館。立斎広重作、1872年(明治5年)発行)
- ^ a b c d 駅とは?(NHK「気になることば」 2011年10月13日)(インターネットアーカイブ)
- ^ 東京名勝之内「新橋新橋ステイーシヨヲン」(東京ガス「明治錦絵の世界」。揚堂玉英、1878年(明治11年)制作)(インターネットアーカイブ)
- ^ 新橋ステンション(東京ガス「明治錦絵の世界」。小林清親、1881年(明治14年)制作)(インターネットアーカイブ)
- ^ 特集「吉田禄在」(名古屋都市センター「まちづくり来ぶらり」第46号 2009年3月)(インターネットアーカイブ)
- ^ 京都駅の歴史(京都駅ビル)(インターネットアーカイブ)
- ^ a b c d 小熊仁「鉄道駅開設による存在効果とその価値構成に関する分析〜JR高崎問屋町駅を事例として〜」『運輸と経済』第81巻第10号、交通経済研究所、2021年10月、 115-128頁、 NAID 40022724472。
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