基数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/15 06:11 UTC 版)
諸概念
アレフ数とベート数
- アレフ数
順序数 にたいし、 番目のアレフ数を と書く。より正確には を以下のように超限再帰により定義する。
- 0 :
- 後続順序数 : (後述の後続を参照)
- 極限順序数 : (ただし は極限順序数)
特にアレフ数の列 のことをアレフ数と呼ぶこともある。アレフ数は必ずなんらかの によって と表せる。 の始順序数を と書く。
- ベート数
順序数 にたいし、 を以下のように超限再帰により定義する。
- 0 :
- 後続順序数 : (後述の後続を参照)
- 極限順序数 : (ただし は極限順序数)
列 ないし列上の基数をベート数(beth number)と呼ぶ。
- 連続体仮説
を連続体仮説
を一般連続体仮説という。
この仮説はゲオルク・カントールによって予想された。ヒルベルトは彼の有名な23 の問題の第一番にこの連続体仮説を取り上げている。その後、クルト・ゲーデルは構成可能集合全体のクラス L が一般連続体仮説をみたすことを示し、「ZFC からは一般連続体仮説の否定は証明できない」ことを証明した。ポール・コーエンは強制法と呼ばれる新しい手法を用いて連続体仮説が成り立たないモデルを構成し「ZFC から連続体仮説を証明できない」ことを証明した。これらの結果から(一般)連続体仮説の ZFC からの独立性が示され、連続体仮説は一応の解決を見た。コーエンはこの業績によりフィールズ賞を受賞している。
後続基数と極限基数
無限基数 κ がなんらかの基数 λ を使って κ = λ+ と表せるとき κ を後続基数といい、κ = sup {λ ∈ CN : λ < κ } と表せるとき κ を(弱)極限基数という。後続基数でなければ極限基数である。極限基数 κ が λ < κ ⇒ 2λ < κ を満たすとき強極限基数という、これは log(κ) = κ と同値。
正則基数と特異基数
無限基数 が
- かつ ならば
を満たすとき正則基数、満たさないとき特異基数という。 が正則基数となることと は同値。 正則な極限基数を弱到達不可能基数、正則な強極限基数を強到達不可能基数という。
- ^ Cantor; Cantor (1874-01-01) (ドイツ語). Ueber eine Eigenschaft des Inbegriffs aller reellen algebraischen Zahlen.. 1874. pp. 258–262. doi:10.1515/crll.1874.77.258. ISSN 1435-5345 .
- ^ Cantor, Georg (1891). “Ueber eine elementare Frage der Mannigfaltigketislehre”. Jahresbericht der Deutschen Mathematiker-Vereinigung 1: 72-78. ISSN 0012-0456 .
- ^ Klee, V. L. (1955). “The June meeting in Vancouver” (英語). Bulletin of the American Mathematical Society 61 (5): 433–444. doi:10.1090/S0002-9904-1955-09941-5. ISSN 0002-9904 .
- ^ ただし ON の最小元という意味で0を始順序数ということもある
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