合成樹脂 合成樹脂の概要

合成樹脂

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/22 18:22 UTC 版)

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合成樹脂で作られた家庭用品

概説

合成樹脂は一般的には石油を原料とするモノマー重合してできたポリマー添加剤を加えた物質の総称である[1]。合成樹脂は、主に原油蒸留して得られるナフサを原料として製造され、この製造は石油化学産業の重要な一部門となっている[2]

他方、他の原料からも製造は可能であり、特に、再生産が可能であるサトウキビトウモロコシなどのバイオマスを原料としたバイオマスプラスチックバイオプラスチック)は石油資源の枯渇対策の一つとして注目されている[3]。ただし、バイオマスプラスチックと生分解性プラスチックは全く別の概念であり、バイオマスプラスチックであるからと言って自然に分解するわけではないことは注意が必要である[4]

金型などによる成形が簡単なため、大量生産される各種日用品や工業分野、医療分野の製品などの原材料となる。製品の使用目的や用途に合わせた特性・性能を有する樹脂の合成が可能であり、現代社会で幅広く用いられている。

一般的なプラスチックの特徴としては、電気を通さない絶縁体である、水に強く腐食しにくい、比較的熱に弱い等が挙げられる。ただし硬度耐熱性、強度に関しては改善が可能であり、こうした点を強化したエンジニアリング・プラスチック(エンプラ)やスーパーエンプラと言った高性能なプラスチックも使用されている。

また、絶縁性や腐食耐性はプラスチック本来の性質である。しかし、使用目的に応じてこれらの性質に当てはまらないプラスチックも開発されている。

導電性に関しては、1970年代に白川英樹らによって導電性ポリアセチレンが開発されて以降、様々な導電性ポリマーが開発され、タッチパネルなどに利用されるようになった[5]

腐食耐性に関しても、微生物による分解が可能な生分解性プラスチックが開発されているが、分解には特殊な条件や長い期間が必要なものも多い[4]

親水性に関しても、非常に大量の水を吸収し保存することが可能な高吸水性高分子が開発されており、保水剤や紙おむつなど幅広く利用され、その保水性から砂漠の緑化への利用も計画されている[6]

名称

物質の名称で用いる場合の「プラスチック」 (: plastic) という表現[注 1]は、元来「可塑性物質」 (: plasticisers) という意味を持ち、主に金属結晶の分野で用いられた概念を基盤としており、「合成樹脂」同様、日本語ではいささか曖昧となっている[要出典]

合成樹脂と同義である場合や、合成樹脂が「プラスチック」と「エラストマー」という2つに分類される場合、また、原料である合成樹脂が成形され硬化した完成品を「プラスチック」と呼ぶ場合、多様な意味に用いられている[7][8]

よって、英語の学術文献を書く場合、「plastic」は厳密性を欠いた全く通用しない用語であることを認識すべきで、「resin」(樹脂、合成樹脂)などと明確に表現するのが一般的である[要検証]


注釈

  1. ^ 物質名称以外の表現で用いる場合、(柔軟で)感受性の強い性格、作り笑いなどの人工的な・不自然な、あるいは形成・造形を指す場合に用いる。

出典

  1. ^ Cassone et al. (2020) は、合成樹脂を摂食する動物を指すことばとして "plastivore" という単語を使用している[21]。これは "plastic"と、「-を食べる動物」を意味する接尾辞"-vore"とを組み合わせた造語である[22]
  1. ^ 合成樹脂製の器具容器包装の規格に関する留意点”. 一般財団法人日本食品分析センター. 2020年12月1日閲覧。
  2. ^ 松藤 & 廃棄物資源循環学会リサイクルシステム・技術研究部会 2009, pp. 2–3.
  3. ^ 桑嶋 & 久保 2011, p. 152.
  4. ^ a b GIBBENS, SARAH (2018年11月20日). “バイオプラスチックは環境に優しいって本当? プラスチック代替品としての潜在能力を専門家に聞いた”. ナショナルジオグラフィック日本版. 2019年12月6日閲覧。
  5. ^ 桑嶋 & 久保 2011, pp. 164–165.
  6. ^ 桑嶋 & 久保 2011, pp. 158–159.
  7. ^ 桑嶋, 木原 & 工藤 2005.
  8. ^ 齋藤 2011.
  9. ^ 桑嶋 & 久保 2011, p. 18.
  10. ^ 桑嶋 & 久保 2011, p. 20.
  11. ^ a b c d e f g h i 島崎 1966.
  12. ^ 桑嶋 & 久保 2011, pp. 88–89.
  13. ^ 桑嶋 & 久保 2011, pp. 84–87.
  14. ^ 桑嶋 & 久保 2011, pp. 10–11.
  15. ^ a b c プラスチック循環利用協会 2019, p. 11.
  16. ^ a b c d e 日立ハイテク 2018.
  17. ^ a b c d e f g 日立ハイテク 2017.
  18. ^ a b テクノUMG 2019.
  19. ^ a b c d 冨田 1991.
  20. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t Ru, Huo & Yang 2020.
  21. ^ a b c Cassone et al. 2020.
  22. ^ プラスチックを生分解する幼虫と腸内細菌との謎多き関係――環境汚染対策の鍵となるか”. fabcross for エンジニア. MEITEC (2020年3月24日). 2021年12月19日閲覧。
  23. ^ a b 大武 2001.
  24. ^ Taipale et al. 2019.
  25. ^ a b Peng et al. 2020.
  26. ^ 及川 et al. 2003.
  27. ^ Wang et al. 2020.
  28. ^ a b c Jiang et al. 2021.
  29. ^ 中島(神戸) 2007.
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  31. ^ 桑嶋 & 久保 2011, pp. 124–125.
  32. ^ 神代 & 古田 2014.
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  44. ^ 行き場を失う日本の廃プラスチック | どうする?世界のプラスチック - 特集 - 地域・分析レポート - 海外ビジネス情報” (日本語). ジェトロ. 2021年9月17日閲覧。
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  46. ^ The New Plastics Economy: Rethinking the future of plastics - download the infographics”. www.ellenmacarthurfoundation.org. 2019年12月25日閲覧。
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  75. ^ 棟居洋介, 増井利彦, 「バイオマスプラスチックの普及が世界の食料不安に及ぼす影響の長期評価」『環境科学会誌』 2012年 25巻 3号 p.167-183, , doi:10.11353/sesj.25.167






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