エネルギー 電磁気学

エネルギー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/24 03:03 UTC 版)

電磁気学

電磁気学において、電磁場のエネルギーは、現象論的なマクスウェルの方程式から

と与えられる[17]。ここで E電場D電束密度H磁場B磁束密度である。また、·ベクトルの内積V は空間全体およびその体積を表す。特に、真空中では電束密度 D および磁場 H はそれぞれ電場 E と磁束密度 B で置き換えられ、国際単位系を用いれば、真空中の誘電率 ε0 および真空中の透磁率 μ0 を用いて、

と表すことができる。また、被積分関数である、電場と電束密度の内積 E · D、および磁場と磁束密度の内積 H · B の和は[注 2]、電磁場のエネルギー密度を与える[18]

真空中のエネルギー密度は、

である。すなわち、電磁場のエネルギー密度は電磁場の大きさの二乗に比例する。

ある空間における電磁場のエネルギーについて、その時間的変化は電場が電荷に対してなす力学的な仕事と、電磁波として運ばれるものに分けられる[19]。前者の電荷に対する電磁場がなす仕事やそれによって生じるジュール熱と呼ばれる[20]

ここで j電流密度A は領域 V の表面およびその面積を表す。また、rA は表面 A 上の点を、n は表面に垂直で領域の外を向いた単位ベクトルを表している。右辺の第 1 項がジュール熱、つまり電磁場と電荷の相互作用によるエネルギーの移動を表し、第 2 項が電磁場の変形によって外部へ流出するエネルギーの流量を表している。第 2 項の被積分関数はポインティング・ベクトルとして次のように定義される[21]


注釈

  1. ^ 系全体のハミルトニアンの固有状態を特にエネルギー固有状態と呼び、固有値をエネルギー固有値と呼ぶ。エネルギー固有状態とは、エネルギーがある 1 つの値に定まった状態を指し、エネルギー固有値はそのときの系のエネルギーに等しい。
  2. ^ 正確にはその 1/2

出典

  1. ^ a b 小学館『デジタル大辞泉』
  2. ^ a b 岩波書店『広辞苑』、第5版、301頁、「エネルギー」。
  3. ^ 朝永 1981, p. 67.
  4. ^ a b c d 培風館『物理学辞典』(1998)、pp.191-193。
  5. ^ a b c 『世界大百科事典』第3巻、pp.613-615、エネルギー。
  6. ^ : the vis viva dispute
  7. ^ 山本義隆、『古典力学の形成 ニュートンからラグランジュへ』、日本評論社 (1997)、pp.181-184。
  8. ^ 「はじめて学ぶ科学史」p89-92 山中康資 共立出版 2014年9月25日初版1刷
  9. ^ : Helmholtz free energy
  10. ^ : Gibbs free energy
  11. ^ : exergy
  12. ^ 江沢 2002, pp. 112–116, §6.3 観測.
  13. ^ 須藤, 2008 & 12.3 演算子と固有値・固有ベクトル, pp. 177–180.
  14. ^ 江沢 2002, pp. 127–128, §7.1 定常状態.
  15. ^ 江沢 2002, pp. 121–122, 127–128, §6.3 観測; §7.1 定常状態.
  16. ^ a b 江沢 2002, pp. 100–103, §6.1 物理量を表す演算子.
  17. ^ 砂川 1987, pp. 227–229, 第 5 章 マクスウェルの方程式 §2 電磁場のエネルギーと運動量.
  18. ^ 砂川 1987, pp. 74–75, 第 1 章 静電場 §6 静電場のエネルギーとマクスウェルの応力.
  19. ^ 砂川 1987, pp. 227–229, 284–286, 第 5 章 マクスウェルの方程式 §2 電磁場のエネルギーと運動量; 第 7 章 電磁波とその放射 §1 自由空間における電磁波.
  20. ^ 砂川 1987, pp. 111–112, 229–233, 第 2 章 定常電流 §2 オームの法則; 第 5 章 マクスウェルの方程式 §2 電磁場のエネルギーと運動量.
  21. ^ 砂川 1987, pp. 229–233, 284–286, 第 5 章 マクスウェルの方程式 §2 電磁場のエネルギーと運動量; 第 7 章 電磁波とその放射 §1 自由空間における電磁波.
  22. ^ 八坂保能編著『電気エネルギー工学 新装版 発電から送配電まで』森北出版、2017年、5-6頁。
  23. ^ 「科学は歴史をどう変えてきたか その力・証拠・情熱」p145-148 マイケル・モーズリー&ジョン・リンチ著 久芳清彦訳 東京書籍 2011年8月22日第1刷
  24. ^ 「科学は歴史をどう変えてきたか その力・証拠・情熱」p160-161 マイケル・モーズリー&ジョン・リンチ著 久芳清彦訳 東京書籍 2011年8月22日第1刷
  25. ^ 「科学は歴史をどう変えてきたか その力・証拠・情熱」p185 マイケル・モーズリー&ジョン・リンチ著 久芳清彦訳 東京書籍 2011年8月22日第1刷
  26. ^ https://www.fepc.or.jp/enterprise/jigyou/world/index.html 「世界のエネルギー消費と資源」電気事業連合会 2019年11月26日閲覧
  27. ^ a b 「エネルギー革命」『世界大百科事典』3、平凡社、615頁。
  28. ^ 八坂保能編著『電気エネルギー工学 新装版 発電から送配電まで』森北出版、2017年、6頁。
  29. ^ 国際単位系 (SI) 第 8 版日本語版 pp.55–57。
  30. ^ 計量単位令(平成四年政令第三百五十七号)別表第6(第5条関係) 第13号”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局. 2019年12月17日閲覧。
  31. ^ International Energy Agency (IEA). “Unit Converter” (英語). 2012年4月29日閲覧。






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