ワット時とは? わかりやすく解説

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ワット‐じ【ワット時】

読み方:わっとじ

エネルギー電力量単位。1ワット時は1ワット仕事率1時間なされる仕事の量をいい、3600ジュール等しい。ワットアワー記号Wh


キロワット時

(ワット時 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/25 03:53 UTC 版)

キロワット時

電力量計
記号 kW・h(仕事、熱量)、kWh(電力量)
非SI単位SI併用単位
エネルギー仕事量、電力量
SI 3.6 MJ
定義 1時間あたり1ワット仕事率の仕事の1000倍
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キロワット時(キロワットじ、: kilowatt hour)は、仕事量・電力量非SI単位であるワット時[1]の1000倍である。これに対して、ワット秒(W・s または Ws)はSI組立単位である。

単位記号

日本の計量法では、ワット時、ワット秒の単位記号は、仕事・熱量と電力量とで使い分けられていて次のようになっていることに注意する必要がある[注 1]

仕事、熱量

仕事、熱量のワット時の記号は、「W・h」である[2][3]。積の記号は「・」(中黒)であり、「⋅」(&とsdot;の組み合わせ)ではない[注 2]。キロワット時の記号は、「kW・h」である。なおワット秒の記号は、「W・s」である。

電力量

電力量のワット時の記号は、「Wh」である[4][5]。つまり積の記号「・」を挟まない記号となっている(電力量計の画像のとおり)。キロワット時の記号は、「kWh」である。電力量計は特定計量器の一つであり、記号として「kWh」を用いなければ検査に合格できない。なおワット秒の記号は、「Ws」である。

概要

ワット時は、仕事率電力の単位であるワット (W) と、時間の単位である (h) から組み立てた単位である。すなわち1 ワット時は、1 Wの仕事率で1時間続けたときの仕事、あるいは1 Wの電力を1時間消費もしくは発電したときの電力量である。計量法の定義では、ジュール (J)又はワット秒の3600倍である[6]。したがって、1 kW・h または 1 kWh = 1000 × 1 J × 3600 s = 3.6 MJとなる。

英語ではキロワットアワー (kilowatt hour) という。英国の古い表記では Board of Trade Unit (B.O.T.U.) である。

ただし、特定の1時間あたりの電力量が1 kWhであっても、最初の30分間に0.8 kWhであれば「30分あたりの電力量が0.8 kWh」と表現する場合もある。これは最大需要電力に単価を乗じて電気料金を算定する際に用いられ、0.8 kWhを2倍した上で四捨五入し、最大需要電力2 kWとするものである。

キロワット時は、電気エネルギー(電力量)の単位としてよく用いられる。 (h)がSI併用単位であるため、キロワット時もSI併用単位ということになる。SIの「1物理量1単位」という理念からすれば、エネルギーの単位にはジュール(またはワット秒)を用いるべきである。日本計量法では仕事、熱量、電力量の単位としてジュール(ワット秒)と共にワット時の使用を認めている。

1000 kWh以上の単位として、メガワット時 (MWh)」「ギガワット時 (GWh)」があるが、統計上は電力量の単位として通常はキロワット時を用いており[7]、大規模な発電所の発電量は「億キロワット時」(= 100 GWh単位)を用いて表している。

フィットネスやスポーツでは実際に一時間出力出来たエネルギーをワット時で示すFTP(Functional Threshold Power)がある。ただし、単位は単にワットである。

ワット時

ワット時(Wh)は電力量としては小さいため、用いられる場面はほとんどなかった。しかし、電気自動車の一般化に伴い、効率の目安として、「Wh/km」という単位が諸元表やカタログに表記されるようになっている。1 km 走行したとき、消費電力の少ない車両のほうが Wh の数値が小さくなる。内燃機関自動車で言う「燃費」に相当する概念で、「電費」と呼ばれることもある。

脚注

注釈

  1. ^ ただし計量法は、その記号については「計量単位の記号による表記において標準となるべきもの」(計量法第7条)としており、その記号を使用しないことについて罰則が伴うものではない(計量法#単位記号の規範性)。
  2. ^ 計量単位規則における記号については、その字体・書体までも厳密に規定していると解釈する必要はない可能性もある。その場合、「中黒」以外の印字記号が許容される可能性がある。

出典

  1. ^ 計量法 別表1 仕事、熱量、電力量の欄、法令検索 
  2. ^ 平成4年11月30日付官報、号外第177号、p.4 上段および下段、計量単位規則(通商産業省令第80号)記号表は横書き。
  3. ^ 計量単位規則 別表第2、仕事、熱量
  4. ^ 平成4年11月30日付官報、号外第177号、p.4 下段、計量単位規則(通商産業省令第80号)記号表は横書き。
  5. ^ 計量単位規則 別表第2、電力量
  6. ^ 計量単位令 別表第1 仕事、熱量、電力量の欄「ジュール又はワット秒の三千六百倍」
  7. ^ 例えば、Energy Statistics Yearbook UNdata

関連項目

物理学
物理学
ウィキポータル 物理学
執筆依頼加筆依頼
Category:物理学
ウィキプロジェクト 物理学
エネルギーの単位
ジュール
(J = kg·m2/s2)
キロワット時
(kW·h)
電子ボルト
(eV)
重量キログラムメートル
(kgf·m)
国際蒸気表カロリー
(calIT)
1 J = 1 2.778×10−7 6.242×1018 1.020×10−1 2.388×10−1
1 kW·h = 3.6×106 = 1 2.247×1025 3.671×105 8.598×105
1 eV = 1.602176634×10−19 4.450×10−26 = 1 1.634×10−20 3.827×10−20
1 kgf·m = 9.80665 2.724×10−6 6.121×1019 = 1 ≈ 2.342
1 calIT = 4.1868 1.163×10−6 2.613×1019 4.269×10−1 = 1



ワット時

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/29 17:15 UTC 版)

キロワット時」の記事における「ワット時」の解説

ワット時(Wh)は電力量としては小さいため、用いられる場面はほとんどなかった。しかし、電気自動車一般化に伴い効率目安として、「Wh/km」という単位諸元表カタログ表記されるようになっている1 km 走行したとき、消費電力少な車両のほうが Wh数値小さくなる内燃機関自動車で言う「燃費」に相当する概念で、「電費」と呼ばれることもある。

※この「ワット時」の解説は、「キロワット時」の解説の一部です。
「ワット時」を含む「キロワット時」の記事については、「キロワット時」の概要を参照ください。

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