エネルギー エネルギーの種類

エネルギー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/03 04:45 UTC 版)

エネルギーの種類

移動形態や保存形態による分類

エネルギーはその移動形態や保存形態によって様々に分類される。熱機関と熱浴との温度の差を利用して取り出されるエネルギーは、ときに熱エネルギーと呼ばれる。また化学ポテンシャルの差を利用して取り出されるエネルギーは化学エネルギーと呼ばれる。他にも、電流によって運ばれるエネルギーは電気エネルギー電磁波の持つエネルギーや電磁波によって得られるエネルギーは光エネルギー原子核分裂原子核融合などの原子核反応によって生じるエネルギーは原子エネルギーなどと呼ばれることがある。これらの呼称は慣習的なもので、必ずしも厳格に用いられているわけではなく、また一般に通用する厳密な定義も存在しない。

資源による分類

「エネルギー」はエネルギー資源を指していることもある。産業運輸・消費生活などに必要な動力の源のことをエネルギー資源と呼んでいる[1]

エネルギーは資源の観点では、石炭や石油のように地球に埋蔵されていて使用すると減少する枯渇性エネルギーと、太陽光・水力・風力など主に太陽の放射エネルギーに基づくもので人間の時間尺度内では半永久的に減ることなく再生される再生可能エネルギーに分類される[22]

人類が最初に利用したエネルギー源はである。メソポタミア文明の時代にはすでに水のエネルギー(水力)を利用するために水車が作られており、またのエネルギーを使用する帆船も移動手段として古代から存在していた。やがて風車が作られることで、移動以外の動力にも風が利用できるようになった[23]18世紀までは主要なエネルギー源はこういった自然のエネルギーのほか、鯨油などといったものが主であったが、18世紀に入るとイギリスで石炭の利用法の改良が行われ、次いで1765年ジェームズ・ワット蒸気機関の改良を行った[24]。これは人類の利用できるエネルギーに革新をもたらし、産業革命の原動力となった。その後、電気エネルギーの実用化が始まり、20世紀に入ると石炭に変わって石油が主に用いられるようになり、また核燃料を利用する原子力エネルギーが実用化された[25]

2018年には世界のエネルギー消費量は138.6億トンに達し、石油が34%、石炭が27%、天然ガスが24%を占め、8割以上が化石燃料由来のエネルギーとなっている[26]

エネルギー消費の構成が急激に大きく変化すること、特に第二次世界大戦後の石炭から石油への急激なエネルギー源の転換などを指して[27]エネルギー革命と言う[27]

資源の利用形態による分類

エネルギーは資源の利用形態では、自然界に存在する状態のままの1次エネルギー(石炭、原油、水力など)と、それを使用や取り扱いに便利なように変換した2次エネルギー(ガソリン、都市ガス、電力など)に分類される[28]


注釈

  1. ^ 系全体のハミルトニアンの固有状態を特にエネルギー固有状態と呼び、固有値をエネルギー固有値と呼ぶ。エネルギー固有状態とは、エネルギーがある 1 つの値に定まった状態を指し、エネルギー固有値はそのときの系のエネルギーに等しい。
  2. ^ 正確にはその 1/2

出典

  1. ^ a b 小学館『デジタル大辞泉』
  2. ^ a b 岩波書店『広辞苑』、第5版、301頁、「エネルギー」。
  3. ^ 朝永 1981, p. 67.
  4. ^ a b c d 培風館『物理学辞典』(1998)、pp.191-193。
  5. ^ a b c 『世界大百科事典』第3巻、pp.613-615、エネルギー。
  6. ^ : the vis viva dispute
  7. ^ 山本義隆、『古典力学の形成 ニュートンからラグランジュへ』、日本評論社 (1997)、pp.181-184。
  8. ^ 「はじめて学ぶ科学史」p89-92 山中康資 共立出版 2014年9月25日初版1刷
  9. ^ : Helmholtz free energy
  10. ^ : Gibbs free energy
  11. ^ : exergy
  12. ^ 江沢 2002, pp. 112-116, §6.3 観測.
  13. ^ 須藤, 2008 & 12.3 演算子と固有値・固有ベクトル, pp. 177-180.
  14. ^ 江沢 2002, pp. 127-128, §7.1 定常状態.
  15. ^ 江沢 2002, pp. 121-122; 127-128, §6.3 観測; §7.1 定常状態.
  16. ^ a b 江沢 2002, pp. 100-103, §6.1 物理量を表す演算子.
  17. ^ 砂川 1987, pp. 227-229, 第 5 章 マクスウェルの方程式 §2 電磁場のエネルギーと運動量.
  18. ^ 砂川 1987, pp. 74-75, 第 1 章 静電場 §6 静電場のエネルギーとマクスウェルの応力.
  19. ^ 砂川 1987, pp. 227-229; 284-286, 第 5 章 マクスウェルの方程式 §2 電磁場のエネルギーと運動量; 第 7 章 電磁波とその放射 §1 自由空間における電磁波.
  20. ^ 砂川 1987, pp. 111-112; 229-233, 第 2 章 定常電流 §2 オームの法則; 第 5 章 マクスウェルの方程式 §2 電磁場のエネルギーと運動量.
  21. ^ 砂川 1987, pp. 229-233; 284-286, 第 5 章 マクスウェルの方程式 §2 電磁場のエネルギーと運動量; 第 7 章 電磁波とその放射 §1 自由空間における電磁波.
  22. ^ 八坂保能編著『電気エネルギー工学 新装版 発電から送配電まで』森北出版、2017年、5-6頁。
  23. ^ 「科学は歴史をどう変えてきたか その力・証拠・情熱」p145-148 マイケル・モーズリー&ジョン・リンチ著 久芳清彦訳 東京書籍 2011年8月22日第1刷
  24. ^ 「科学は歴史をどう変えてきたか その力・証拠・情熱」p160-161 マイケル・モーズリー&ジョン・リンチ著 久芳清彦訳 東京書籍 2011年8月22日第1刷
  25. ^ 「科学は歴史をどう変えてきたか その力・証拠・情熱」p185 マイケル・モーズリー&ジョン・リンチ著 久芳清彦訳 東京書籍 2011年8月22日第1刷
  26. ^ https://www.fepc.or.jp/enterprise/jigyou/world/index.html 「世界のエネルギー消費と資源」電気事業連合会 2019年11月26日閲覧
  27. ^ a b 「エネルギー革命」『世界大百科事典』3、平凡社、615頁。
  28. ^ 八坂保能編著『電気エネルギー工学 新装版 発電から送配電まで』森北出版、2017年、6頁。
  29. ^ 国際単位系 (SI) 第 8 版日本語版 pp.55–57。
  30. ^ 計量単位令(平成四年政令第三百五十七号)別表第6(第5条関係) 第13号”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局. 2019年12月17日閲覧。
  31. ^ International Energy Agency (IEA). “Unit Converter” (英語). 2012年4月29日閲覧。






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