2020年代―4chan管理人・YouTuber・日本最大級のインフルエンサーとして
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「西村博之」の記事における「2020年代―4chan管理人・YouTuber・日本最大級のインフルエンサーとして」の解説
2020年4月3日よりAbemaTVの報道リアリティーショー『ABEMA Prime』(サイバーエージェント/テレビ朝日)に金曜MCでレギュラー出演。 2021年8月27日、米国下院特別委員会(英語版)は、ひろゆきに米連邦議会議事堂襲撃事件の記録を提出するように要求した。 日本での人気 YouTubeのライブチャットではお酒を飲みながらスパチャの質問に答えたり、あめぞう時代から付き合いがあるひげおやじ(ガジェット通信副編集長)とのトーク配信を定期的に行っている。2021年3月にLINE株式会社が日本の15歳から24歳までの男女を対象に調査した「いちばん信頼している/参考にしているインフルエンサー・有名人」(投票総数4,732)では、第1位のHIKAKIN(得票率2.2%)に次いで、ひろゆきが第2位(1.1%)に選ばれた。ひろゆきへの投票理由は「その人のセンスが好きだから」「説明が上手、説得力があるから」などが挙げられた。元々、2ちゃんねるユーザーには管理人として知名度があったが、近年は2ちゃんねるを見たことがない若者世代の支持も集めている。2021年6月、Twitterのフォロワー数とYouTubeの登録者数が100万人を突破。関連コンテンツの閲覧数は月間3億回超となる。2021年7月のソニー生命によるアンケート調査『中高生が思い描く将来についての意識調査2021』では、『将来のことを相談したいと思う有名人』の3位にランクイン(1位はマツコ・デラックス、2位は明石家さんま)。また『“将来、こういう大人になりたい”と思う有名人』でも10位。2021年度上半期の「大学生流行語大賞」のヒト部門で第3位に選ばれた(1位はコムドット、2位は大谷翔平)。2022年3月の「Z世代が選ぶ!!上司にしたい有名人TOP10」では第7位にランクイン。「誠実だしまともなことを言ってくれる。自分のためになる。」「どんな取引先も論破しそう」「頼れて、人間性としても十分」「大きな声で怒らなそう」「尊敬」と評価されている。2022年5月のLINE株式会社による日本の15歳から24歳までの男女を対象にしたアンケート「いちばん信頼している/参考にしているインフルエンサー・有名人」でもHIKAKINに続く第2位だった。投票理由として「説明が上手、説得力があるから」が1位となり、次いで「話が面白いから」が2位だった。 歯に衣着せぬ物言いが人気となっているが、ひろゆき本人は自身のブームについて「綱渡りはいつか落ちる」という格言を紹介しつつ「石橋貴明さんがテレビ業界の頃に『保毛尾田保毛男』っていうネタをやっていて。20年前は皆さん笑って流してたんですけど、今は『さすがにあり得ないよね』ってことになっていて。僕が今笑いながら言ってることもアウトなんで、20年後くらいに綱渡りから落ちてると思うんですよね」「YouTubeも広告のおかげで回っているので、スポンサー的に『おかしい』となったら、当然広告が付かなくなると思うんですよね。10年後くらいに僕のYouTube(活動)は『無理ですよ』ってなると思うんですよ。アウトになることを色々と言ってるので。もし将来的にメディアで食べていきたいってなって、ギリギリを攻めていくとして、それがアウトになるのは時間の問題だと思ったほうが良いですね」と分析している。 また、ものまねYouTuberの西村ひろゆかないも同じくYouTubeを軸として活動している。ものまねタレントのガリベンズ矢野もひろゆきをレパートリーとしている。ガリベンズ矢野は2022年1月2日放送のテレビ東京系列「ものまね芸人151人がガチで選んだいま本当にすごいものまねランキング2022」で第1位となり、ひろゆき本人に公認を求めたが、これに対してひろゆきは黙認するという形にしている。 2ちゃんねる、ニコニコ動画、4chanと手がけてきてから自ら発信するYouTuberになったことについて、ABEMA Primeで「自分で解説すると、2ちゃんねるには、ネットで匿名で書きたい人たちが大勢いた。だから僕は場所を提供した。あと、動画サービスが流行り始めたときに、自分で顔出しすると恥ずかしいので顔出しをしなくて、そんなに面白くない人でもコメントで盛り上げてくれるニコニコ動画をやった」「それで何年か休んだ後、YouTube文化になったときに『人が面白いか、より長い間で顔を出して喋り続けた方が絶対人気出るよ』と前から言っていたが、みんなやらないので『じゃあ僕がやるから見ててね』と言ってやった結果だ。要はネット上のユーザーが何を求めているのか、それに合わせてやっているだけ。最後は自分自身を商品として使っただけで、基本的にやっていることは変わらない」と述べている。 切り抜き動画 前述の閲覧数には、ひろゆき本人の生配信を、第三者が一部を編集して字幕テロップなどを追加するなどした「切り抜き動画」の閲覧数も含まれる。「切り抜き動画」を一つでも視聴するとYouTubeのアルゴリズムによっておすすめがひろゆき関連動画だらけになる相乗効果を生んでいる。ひろゆきは編集作業などを一切しておらず、「切り抜き動画」の製作者とひろゆきで利益を折半している。ひろゆきは自分で編集を行わない理由を以下のように述べている。「僕は編集作業を自分でやるつもりは毛頭ありません。面倒だし、それに費やす時間をほかのことに使ったほうが楽しく生きていけると思うからです。そこで、僕は『切り抜き』を容認し、収益の半分をもらうという仕組みにしているのですね。すると、僕自身は何もしなくても、切り抜き職人さんたちの動画がどんどん世の中に出回る。その結果として再生数も伸びて、僕のところにもチャリンチャリンと収入が入ってくる」。なお、2021年3月時点で切り抜き動画の総再生回数は1か月あたり約2億5千万回を記録した。 日本政府へ助言 同年6月25日、日本国政府にひろゆきが助言を行ったことが明らかになった。日本国政府が同年10月に予定した『デジタルの日』制定をめぐり、内閣官房のIT総合戦略室によれば「(ひろゆきには)デジタルを活用した発信に知見がある」ことからひろゆきが起用された。 同日のひろゆきの説明では、ひろゆきは同年創設される予定のデジタル庁へ個人的に応募したが落選し、その際に面接で顔を合わせた職員から「この件について助言をしないか」と勧められたという。助言の内容は次のようなものであった。 『デジタルの日』のロゴマークを創設することに関して、2021年東京オリンピックではエンブレム盗作疑惑や縁故採用疑惑が問題となったことから、批判を避けるためにはインターネット上で投票を行うべきである。 インターネット上で上記投票を運営する費用に関しては、Googleフォームを使えば安価で済む。 その後、日本政府は、ひろゆきの助言に基づいて同年5月に投票を行い、結果「耳の聞こえないグラフィックデザイナー」として知られる岩田直樹がロゴ作成者に決定した。なお、ひろゆきはデジタル改革担当大臣の平井卓也とは会話しておらず、報酬も受け取っていないと述べた。 人種差別問題への意見と批判 2021年7月、フランス人サッカー選手のアントワーヌ・グリーズマンとウスマン・デンベレの2人がフランス語で日本人を侮蔑したとされる映像が流出し、日仏両国で「アジア人への人種差別ではないか」と物議を醸した。 ひろゆきはこれに対し「フランスでは普通に使われる言葉であり、人種差別ではない」「自分もフランスで言われている言葉なので差別ではないと思った」などと擁護したが、2002年の日韓ワールドカップでフィリップ・トルシエ日本代表監督の通訳を務めたフランス人ジャーナリストのフローラン・ダバディやフランス在住の日本人言語学者である小島剛一から厳しい批判を受け、「ひろゆきが論破された」と報じられた。 「小島剛一#人種差別に対する批判」も参照 バッファロー銃乱射事件(ヘイトクライム)の対応 2022年5月、米バッファローのスーパーで銃乱射事件が発生する。犯人の青年は、事件直前に犯行声明を4chanに投稿しており、非ポリコレ板「/pol/」で流布されている白人至上主義的な陰謀論「グレート・リプレイスメント」(大置換)に直接的な刺激を受けたと記している。CNNは4chan管理人のひろゆきにコメントを繰り返し求めたものの「返答がなかった」「何の声明・見解も出していない」と報道している。事件後、ニューヨークの司法長官は銃乱射事件に関連して「米Amazon傘下のTwitch、Discord、4chan、8chanなどのサービスに対する捜査を開始する」と明らかにした。事件を受けて作家の佐々木中は、4chanで顕在化していたヘイトスピーチを放置することで銃乱射事件を引き起こし、関連する一切の取材を無視するひろゆきの姿勢について「なぜひろゆき信者はダンマリを決め込んでいるの?」と厳しく批判した。ただし「むろん、私の狭い観測範囲内に過ぎないが、と但し書きをつけておく」ともしている。 一方、ひろゆきはTwitterに自身の顔写真を添付した上で「私が白人だと思いますか? 私自身が、4chanは白人至上主義者のサイトではないという生きた証拠です」と英語で書き込んだ過去の投稿を「なんで私が白人なんだ? 色盲なのか?」と引用リツイートした。ちなみに米国では通信品位法230条(英語版)のプロバイダ免責規定により、プラットフォーム管理者は責任を負わないが、多発する差別的なヘイトクライムの背景には4chanなどの影響もあるとしてジョー・バイデン政権は、通信品位法230条の撤廃を主張している。 ニュースメディアのModern Diplomacyは、4chanの管理体制の不備が過激主義の温床になっていると次のように指摘した。.mw-parser-output .templatequote{overflow:hidden;margin:1em 0;padding:0 40px}.mw-parser-output .templatequote .templatequotecite{line-height:1.5em;text-align:left;padding-left:1.6em;margin-top:0} 4chanが極右テロの温床であることは明らかだ。しかし、なぜこの画像掲示板はこのような状態になっているのだろうか。その答えは、コンテンツに対するモデレーションの甘さにある。〔……〕かつて4chanは、多くのユーモラスなミームを生み出したが、その後、ヘイトとテロの温床となった。ミームは危険な思想を伝えることができるため、RedditやFacebookのようなウェブサイトは、危険な偽情報の流布を防ぐために厳しく規制される必要があるが、4chanには厳格なモデレーションが欠如している。もはや4chanは自らモデレートすることはないだろう。もはや4chanは長居をしてしまった。今日の情報化社会において4chanに居場所は残されていないのである。 これら経緯から海外メディアは4chanを「憎悪に満ちた掲示板」(CNN)、「悪名高い画像掲示板」(WIRED)、「インターネット上で最も卑劣な場所の1つ」(Guardian)等と報道している。また銃乱射事件を受けて野間易通はタレント・文化人としてひろゆきを持てはやす昨今の風潮について「みんな、のんき過ぎる」「(4chanや8chanなどCHANカルチャーの創始者として)ひろゆきは偉大といえば偉大だが、それは悪い意味での偉大さ」と警鐘を鳴らした。 2022年5月27日、ひろゆきは4chanの管理責任を巡る一連の批判についてインターネット報道番組『ABEMA Prime』で次のように反論した。 4chanが生まれる前から、アメリカってKKKとかいっぱいいたんですよね。なので4chanが何かをしたというより、アメリカってそういう文化、そういう風習、そういう人たちが色々出てましたんで、ネットがどうこうっていう問題ではないと、僕は思いますけどね。多くの人が情報伝達する場所(N対Nのコミュニケーション)は、それは情報を知る人が増えるよねっていうことで、一応そういったサイトの中で、アメリカ・英語圏で一番でかいのが今4chanなので、じゃあ4chanで情報知った人が多いよねと……構造の問題とサイトの方向性の問題をごっちゃにするのはよくない。 また、ひろゆきはゲスト出演した町山智浩の「4chanだけじゃなくて、そこから派生した8chanというのもあるんです。連邦議会襲撃犯たちの情報源になっていたと。そこでアメリカ自体を揺るがす暴力事件の思想みたいなものがあって。人種差別とかそういったものは4chanだけが野放しになっていて、危険なメディアになっている」という発言に対し、「4chanだけが野放しとか、嘘言うのどうかと思いますよ。利用者が多いだけで、FacebookとかTwitterとかとも同じようにニューヨーク州から調査を受けてますよ。今、嘘付きましたよね?」と反論した。それ以外にも「(問題がある投稿は)報告があれば消す。アメリカ法に従っている」「児童ポルノは自発的に消している」「4chanは儲かっていない」等と述べ、4chanは管理責任を果たしていると表明した。一方、ジャーナリストの西田宗千佳は「FacebookにしろTwitterにしろ、大手SNSが『プラットフォームとそこで醸成される空気』について過去さんざん、責任の有無を指摘されて議論も混迷しているところで、4chに関するひろゆきの言い方が過去(2chのとき)と同じなのは、もう態度として古いのではないか、という気もする」と私見を述べている。
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