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宮武外骨 - 明治期から昭和期にかけて活躍した反骨のジャーナリスト。1889年(明治22年)に発行した『頓智協会雑誌』28号に大日本帝国憲法のパロディを掲載して不敬罪で入獄3年。1901年(明治34年)に大阪で『滑稽新聞』創刊。以後『スコブル』『変態知識』『面白半分』など面白雑誌を次々と発刊。奇抜な風刺と戯作で権力を椰楡し続けた。入獄4回、罰金、発禁など筆禍は29回を数え、生涯の刊行点数は優に170点をこえた。関東大震災後は明治文化の研究に傾倒し、晩年は東京帝国大学(現・東京大学)法学部内に明治新聞雑誌文庫を創設、貴重な新聞・雑誌の蒐集に尽力した。 梅原北明 - 編集者、雑文家、翻訳家、文献蒐集家、性風俗研究家。大正後期から昭和初期にかけてのエログロナンセンス文化を牽引した中心人物であり、日本における悪趣味系サブカルチャーの先駆者として知られる。梅原が翻訳出版した『デカメロン』は当時ベストセラーとなった。風俗壊乱罪で投獄された後、1928年より変態雑誌『グロテスク』を創刊、毎号当局より摘発され発禁処分を繰り返す。梅原は逮捕を免れるため満州で逃亡生活を送り、1931年まで同誌の刊行を続けた。これ以外にも梅原は性風俗にまつわる書籍を多数刊行し、その大半が発禁となっている。 青山正明 - ドラッグ、ロリコン、スカトロ、フリークスからカルトムービー、テクノ、辺境音楽、異端思想、精神世界まで幅広くアングラシーンを論ずる鬼畜系文筆家の草分け的存在。1980年代から1990年代のサブカルチャーに与えた影響は大きく、ドラッグに関する文章を書いた日本人ライターの中では、実践に基づいた記述と薬学的記述において特異であり快楽主義者を標榜していた。著書に『危ない薬』『青山正明全仕事』(ともにデータハウス刊)がある。2001年6月17日に首つり自殺。40歳没。 村崎百郎 - 鬼畜ライター。1990年代後半に「鬼畜系」「電波系」を標榜してゴミ漁りルポや電波にまつわるエッセイを執筆した。著書にゴミ漁りの手引書『鬼畜のススメ』(データハウス)や電波系にまつわる体系的な考察を行った単行本『電波系』(根本敬との共著/太田出版)がある。その後も村崎は虚実交えた寄稿を行った末、そのような表現に引きつけられた統合失調症の読者により48ヶ所を滅多刺しにされて2010年7月23日に殺害された。 秋田昌美 - 世界的なノイズミュージシャンとして知られる一方でアングラシーンやスカム・カルチャーにも精通しており、性的倒錯や異端文化にまつわる学術的ないし書誌学的な研究書も多い。著書に『スカム・カルチャー』『ボディ・エキゾチカ』『アナル・バロック』など多数。また昭和初期のエログロナンセンス文化を代表する梅原北明、伊藤晴雨、中村古峡、斎藤昌三、酒井潔などの元祖鬼畜系文化人や当時発刊されていた変態雑誌などについては(秋田 1994)に詳しい。 下川耿史 - 風俗史家。サンケイ新聞社を経てフリー編集者、家庭文化史、性風俗史の研究家として活躍中。スーパー変態マガジン『Billy』1984年9月号より「下川耿史の新・日本アウトサイダー列伝」を連載していた(第1回は「セクシー・フロイト」で山下省死、アルチュール・絵魔を紹介)。著書に『昭和性相史』『死体の文化史』『殺人評論』『日本残酷写真史』『盆踊り 乱交の民俗学』『混浴と日本史』『エロティック日本史』などがある。 奥崎謙三 - 元大日本帝国陸軍上等兵、著述家、殺人犯。昭和天皇パチンコ狙撃事件やドキュメンタリー映画『ゆきゆきて、神軍』などで知られるアナキストで「神軍平等兵」「神様の愛い奴」を自称する。肩書は殺人・暴行・猥褻図画頒布・前科三犯・独房生活13年8カ月。著書に『ヤマザキ、天皇を撃て!』『田中角栄を殺すために記す』などがある。 根本敬 - 『ガロ』出身の漫画家、文筆家、随筆家、蒐集家、映像作家、人物研究家。独自の妥協を許さぬ特異な作風で「特殊漫画家」「特殊漫画大統領」の地位を確立する。また歌謡曲研究家としての顔も持ち「幻の名盤解放同盟」と称して昭和歌謡や辺境音楽の復刻活動も行っている。因果者・電波系人間探訪の権威であり、「因果者」「イイ顔」「電波系」「ゴミ屋敷」「特殊漫画」といったキーワードを案出するなど日本のオルタナティブ・コミックや悪趣味系サブカルチャーに与えた影響は大きい。主著に『生きる』『天然』『亀ノ頭のスープ』『怪人無礼講ララバイ』『因果鉄道の旅』『人生解毒波止場』『豚小屋発犬小屋行き』など多数。 高杉弾 - メディアマンを自称する編集者、ライター、評論家、AV監督。伝説的自販機本『Jam』『HEAVEN』初代編集長。青山正明を始めとして1970年代後半以降のバット・テイスト文化に多大な影響を与えた。本名は佐内順一郎。 佐川一政 - 日本の殺人犯、カニバリスト、エッセイスト、小説家、翻訳家。パリ人肉事件の犯人として知られる。 釣崎清隆 - 死体写真家。世界各国の犯罪現場や紛争地域を取材し、これまでに撮影した死体は1000体以上に及ぶ。中南米の麻薬組織を取材する過程で自身も覚醒剤を使用し、2017年8月に覚醒剤取締法違反で現行犯逮捕された。 小林小太郎 - スーパー変態マガジン『Billy』(白夜書房)編集長。編集プロダクション「VIC出版」主宰。1990年代には『TOO NEGATIVE』(吐夢書房)の編集長を務め、死体写真家の釣崎清隆を同誌でデビューさせている。 柳下毅一郎 - 殺人研究家。翻訳家としても活動しており、普通の翻訳家が取り扱わない特殊な文献や文学作品を好んで翻訳することから「特殊翻訳家」を自称する。 くられ - 『危ない28号』(データハウス)初代編集長。上梓した刊行物の多くが有害図書指定を受けていることでも知られる。また薬理凶室のリーダーとして『図解アリエナイ理科ノ教科書』(三才ブックス)シリーズも執筆している。 クーロン黒沢 - ノンフィクションライター。海賊版・違法コピーにまつわる書籍やアジアを舞台としたアングラな旅行記の執筆活動を行った。 バクシーシ山下 - AV監督、文筆家。旧所属はV&Rプランニング。衝撃的なデビュー作『女犯』は余りにリアルな作風からフェミニズム団体から抗議を受けるなど物議を醸した。また山谷のドヤ街でAV女優と日雇い労働者の情交を描いた『ボディコン労働者階級』をはじめ『実録妖怪ドキュメント 河童伝説』『熟女キョンシー』などの怪作も多数。 白井智之 - 推理作家。特殊な舞台設定や破天荒かつ不道徳な世界観で知られ「鬼畜系特殊設定パズラー」の異名を持つ。著書に『人間の顔は食べづらい』『東京結合人間』『おやすみ人面瘡』『少女を殺す100の方法』などがある。 友成純一 - 官能小説家、映画評論家。スーパー変態マガジン『Billy』(白夜書房)での執筆活動を経て1985年に『肉の儀式』(ミリオン出版)で小説家デビュー。悪趣味系の小説家で知られ、変態性欲やスプラッタに主眼を置いた猟奇的な作風を得意とする。 平山夢明 - 実話怪談や鬼畜系の短編小説で知られるホラー小説家。一般的に「鬼畜系作家」とされている。映画評論家としてはデルモンテ平山名義でも活動。代表作品集『独白するユニバーサル横メルカトル』収録の『無垢の祈り』は亀井亨監督によって映画化されている。しかし児童虐待や新興宗教、連続殺人などがテーマであるため各国の映画祭からは出展を断られ続けており、結果的にR18+指定映画として2016年に国内で初上映され、アップリンク渋谷では13週ロングランを記録した。現在はUPLINK Cloudより視聴可能である。 北見崇史 - デビュー作の『出航』は、第39回横溝正史ミステリ大賞の選考会で賛否両論を巻き起こした作品である。同作中には死体やその内臓の表現が描写されている。 ジャック・ケッチャム - アメリカ合衆国の鬼畜系ホラー小説家。人間の弱さや残虐性を浮き彫りにする作風で知られており、重苦しい陰鬱な物語展開のうえカタルシスや救いの無い結末が多く、スティーブン・キングに「正真正銘の偶像破壊者」と賞賛された。著名な作品に実際にあった少女監禁事件を題材にした『隣の家の少女』や食人族をモチーフにした衝撃的なデビュー作『オフシーズン』などがある。 綺羅光 - 官能小説家。一貫して凌辱物を書いており、作品中には薬物や暴力団が登場することも多い。救いのない結末が多く、陰鬱なもの、タブーとされるものが多く描写される。 村田らむ - ルポライター。ホームレスをテーマにしたルポルタージュが多く、2001年にデータハウスから上梓した単行本『こじき大百科―にっぽん全国ホームレス大調査』は労働団体から差別であると抗議を受けた結果、絶版になった。2005年に竹書房から発行した『ホームレス大図鑑』でも同じ結果になっている。2013年には鹿砦社から『ホームレス大博覧会』を上梓した。 松沢呉一 - 編集者、フリーライター、性風俗研究家、古本蒐集家。著書に『ぐろぐろ』(ちくま文庫)などがある。 吉永嘉明 - 鬼畜系ムック『危ない1号』(データハウス)副編集長。著書に『自殺されちゃった僕』(飛鳥新社/幻冬舎アウトロー文庫)がある。
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