アングラ
「アングラ」は英語の「アンダーグラウンド(underground)」の略である。英語の underground は「地下(の)」「秘密の」といった意味で用いられる語である、」
「アングラ」は日本語の「裏」や「闇」に相当する表現として用いられやすい。たとえば、SNSの裏アカウント(裏垢)を「アングラ界隈(裏垢界隈)」と表現することがある。彼氏や彼女、既婚者などが、公にできないことを裏垢で発信しているケースも珍しくない。ネット上では、非公式や非合法なコンテンツを扱ったサイトを「アングラサイト(闇サイト)」と呼ぶ。ヒップホップの世界では、有名ではない非メジャーを意味し、レコード会社と関りを持たないラッパーやラップを指す。
非合法なものを扱ったビジネスを「アングラビジネス」と呼び、例えば、闇金や違法薬物売買などが該当する。1960年代のアメリカで生まれた、商業性を無視した独自の主張が特徴的な映画・演劇を「アングラ映画」「アングラ演劇」と呼ぶ。裏世界や犯罪といったアンダーグラウンドをテーマにしたゲームを「アングラゲーム」、ハードメーカー非公認のソフトを「アングラソフト」と呼ぶ場合もある。
「アングラ」の熟語・言い回し
アングラには、さまざまな使い方がある。アングラな人とは
表舞台から遠ざかり、自分のやりたいことを追求する人を指す。アングラな活動をする人は、大衆受けしない場合がほとんどだが、コアなファンが付くことも珍しくない。音楽業界において、インディーズとアングラが混同される場合も少なくないが、アングラの方がよりマニアックだとする声もある。非合法な裏世界に詳しい人をアングラな人と呼ぶ場合もある。違法な商売をしていたり、暴力団などの反社会的組織と繋がりがある人を指す場合も多い。社会的地位が低かったり、告訴された経験のある人やブラックリストに載った人などを指すときにも使われる。アングラな世界とは
サブカルチャーの分野では、メジャーではないマニアックな世界を指す。前衛的だったり、独自性の強いコンテンツが特徴的で、あまり一般的ではないと言える。表舞台に出てくることが少ないため、探すのが困難である場合も多い。マイナーカルチャーと呼ばれる場合もある。地下を意味する言葉であることから、公にできない犯罪関連で使われる場合もある。違法な賭博や売春、不正に入手した個人情報の売買など、表立ってできない違法行為がおこなわれる世界を指すときに使われるのだ。犯罪を扱った書籍や映画なども多く、一般には知られていないアングラな世界を手軽に知ることができる。アングラ的とは
一般的ではないマニアックな表現を指す。世間に注目されなかったり、価値が評価し辛い作品などに使われる。アングラ的と評されたコンテンツは、日の目を見ることが少ないため、誰の目にもとまらずひっそりと埋もれていく場合も多い。暴力や流血といった過激な表現も多いことから、一般受けしない作品がほとんどだが、一部のマニアに評価されたり熱狂的なファンが付く場合もある。反権威主義や商業性を無視した芸術、文化全般がアングラ的と評されることもある。アングラ漫画とは
ギャング、マフィアといった裏社会を題材とした作品で、アウトロー漫画とも呼ばれる。犯罪をテーマにした作品が多く、暴力や性的な表現が多いのが特徴的だ。拷問や流血といったグロテスクな描写もあることから、一般受けする内容ではないと言える。非日常を描いた裏社会を垣間見ることができ、コアなファンが多いジャンルだ。架空のストーリーだけでなく、実話を題材とした内容の作品も少なくない。作者の綿密な取材により、リアルな裏社会を描いている作品も多い。過激な表現が多い漫画ではあるが、登場人物の悲しい過去や人の生き方など、人生を考えさせられるストーリーである作品も数多くある。ブラジルのメタルバンド「アングラ」は underground の略ではない
ブラジルで1990年代初頭に結成されたHR/HMバンド「アングラ(ANGRA)」は、日本語の「アングラ」とは関係ない。ANGRA はブラジルの神話に登場する女神の名である。
そもそも英語でも underground(アンダーグラウンド)を「アングラ」のように略する慣習はない。
アングラ
「アングラ」の基本的な意味
アングラは地下を意味する英単語「Underground」の略称であり、この言い回しは英語圏では基本的に通用しない和製英語だ。「日が当たらず人目につかない場所」というコアイメージからいくつかの意味に派生している。例えば音楽・演劇・映画などの芸術分野では、大衆向けに体裁を整え流行の要素を取り入れた作品がビジネスとして好まれることが多い。これに対して製作者の意向を色濃く反映し、興行収入面を考慮せず実験的あるいは前衛的に仕上げられた作品を「アングラな作品」と呼ぶ。音楽の中でも取り分けラップを中心に構築されるジャンルでは、有名になる前のアーティストをアングラと言うことが多い。ただし、ここで言うアングラは有名になれずくすぶっているといったようなネガティブな意味合いではなく、ビジネスに縛られず自由に歌っているというポジティブなニュアンスである。アングラは国家の法律や統治が行き届かないような非合法なエリアを指すこともある。裏社会・地下世界などとも呼ばれ、犯罪行為の温床となっているケースが多い。例えば「アングラマネー」と言えば、反社会勢力の暴力や犯罪によって生み出された違法な金銭を指す。公的な影響力が及ばないという意味では「非公式」の意味となり、主に出版・放送業界などで用いられる。また、出所不明な金銭のことを「アングラ資金」と言う。アングラマネーとアングラ資金は混同されがちだが、アングラ資金は出所不明というだけで違法性は含意されていない。
アングラはネットの世界でもスラングとして根付いており、表に出せないグレーゾーンや違法性の高いコンテンツ・行いのことを指す。例えば彼氏や彼女が居るにも関わらず、SNSの裏アカウントを利用して誰かに非合法な関係を持ちかける行為などが挙げられる。法律に抵触せずとも、裏アカウントや裏掲示板で一般的に好ましくないとされる内容を発言することもまたアングラだ。
「アングラ」の語源・由来
元々「地下・地下鉄」という意味で使われていたUndergroundが俗語的な意味を持ち始めたのは、第二次世界大戦中のアメリカだとする説がある。当時の政府に対して反対的なスタンスを持っていた人々はレジスタンスと呼ばれていた。水面下で反政府運動を行っていたことからUndergroundはレジスタンスを指す隠語として用いられるようになる。その後、アメリカの戦争捕虜や黒人奴隷層が逃亡時に地下鉄の通路を利用していたことからも隠語的な側面が強まっていった。日本にこうしたアングラの概念が流入したのは1960年代に入ってからである。「アングラ」を含む熟語・言い回し
アングラな人とは
まだ一般に広く認知されていないジャンルのサブカルチャーを好む人を「アングラな人」と言うことがある。ただし、場合によっては「地下の人間」という部分がフォーカスされて侮辱的な意味になるケースがあるので注意が必要だ。
アングラ感とは
アングラ感という言い回しには「マニアックな」「秘密裏な」「一般的でない」といった意味がある。使いどころによってポジティブにもネガティブにも捉えられる表現だ。
「アングラーズ」とは
アングラーズとは東京都に本拠地を置くアプリケーション開発会社である。全国のユーザーが釣果情報を共有出来るアプリケーションを運営しており、投稿データ数は180万件以上だ。同名の釣具専門店が存在するが、こちらは大阪府に本拠地を置く株式会社大藤つり具が運営する事業となっているため関連性はない。「アングラ(バンド)」とは
アングラは1991年から活動しているブラジル出身のヘヴィメタルバンドだ。ただし、バンド名の由来はグアラニー神話に登場した火の女神のポルトガル語「Angra」であり、本稿で述べたアングラとは別であるので注意したい。ファーストアルバムに収録されている楽曲「Carry on」はシンフォニックメタル史屈指の名曲と称されている。「アングラ」を含むその他の用語の解説
アングラー斎藤とは
アングラー斎藤はEnjoy Fishing Channelを運営する日本のYoutuberである。プロアングラーではないため解説動画などは投稿しておらず、主に自身が釣りを楽しむ様子を動画として投稿するスタイルだ。
アングラ系とは
アングラ系は音楽や映画において一般向けに作られていない作品をジャンルとして扱う際に用いられる言葉だ。製作者の趣味嗜好が強く反映されている傾向が強い。
アングラ界隈とは
非公式・非合法な場所やコンテンツを通じて活動を行う人たちを総称してアングラ界隈などと呼ぶ。具体的に定義されている訳ではないため、個々人によって判断基準が異なる。
「アングラ」の使い方・例文
・このバンドは楽曲のアングラ感がたまらない魅力だ・SNSで裏アカウントを運用するようなアングラ行為は好ましくない
・アングラな人ほど偏見や先入観のない、ニュートラルな視点を持っている
アン‐グラ
アングラ
アングラ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/15 04:47 UTC 版)
アングラ、あんぐら、アングラー
アングラ、あんぐら
- アンダーグラウンド(地下) (英語: underground)の略で、特にサブカルチャーの分野で用いられることが多い。詳細は「アンダーグラウンド (文化)」を参照
- en:Angura - アングラ演劇のこと。
- アングラ (バンド) - ブラジルのヘヴィメタルバンド。
- あんぐら - ちざきゃによる4コマ漫画作品。
- ナハス・アングラ - ナミビアの政治家。
- アングラ (神話) - ブラジルのグアラニー神話に登場する火の女神。
- et:angla - エストニア西部のサーレ県サーレマー島の村。
アングラー
英語: angular
- 釣り師。釣り人。
- アンコウ類のこと。特にニシアンコウを指す。
- アングラー (潜水艦) - アメリカ海軍の潜水艦。
関連項目
- アンダーグラウンド (曖昧さ回避)
- アンゲラ (曖昧さ回避) - ドイツ語の女性名。
- フィッシャー (曖昧さ回避)
アングラ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/06/23 09:29 UTC 版)
「CLOTH ROAD」の記事における「アングラ」の解説
ガーメントのモデルの一人。美意識が高く、中性的な容姿の男。美美介と戦いながら、ダートニオと戦っているカピスルの隙を突き、カピスルを真っ二つにした。ガーメントにより身体服飾化生命にされている。本体は首から上しかなく、大部分のドレスを失って逃亡を図るが、カピスルの下半身に蹴られて地面に激突、死亡した。
※この「アングラ」の解説は、「CLOTH ROAD」の解説の一部です。
「アングラ」を含む「CLOTH ROAD」の記事については、「CLOTH ROAD」の概要を参照ください。
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