過激な表現
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/13 07:51 UTC 版)
「ラース・フォン・トリアー」の記事における「過激な表現」の解説
『イディオッツ』(1998年)での性的に過激な表現の使用はアート映画における「振り」でないセックス描写の流行をもたらした。この流れにある映画としてカトリーヌ・ブレイヤの『ロマンスX』(1999年)、ヴィルジニー・デパントとコラリー・トラン・ティの『ベーゼ・モア』(2000年)、パトリス・シェローの『インティマシー/親密』(2001年)、ヴィンセント・ギャロの『ブラウン・バニー』(2003年)、マイケル・ウィンターボトムの『9 Songs ナイン・ソングス』(2004年)などが挙げられる。 1998年には自身の映画製作会社ツェントローパを主流の映画会社でありながら、ハードコアポルノを製作する世界で初めての会社にしたことでも映画史に名を残している。この路線の作品は『Constance』(1998年)、『Pink Prison』(1999年)、『HotMen CoolBoyz』(2000年)やアダルトと主流映画の混合作品『オール・アバウト・アンナ』(2005年)の4本が製作された。これらは主に女性の観客を対象としておりヨーロッパでは成功を収めている。特に前2作は2006年3月のノルウェーにおけるポルノ合法化に直結している。 女性も他の人がセックスをしているのを見るのは好きなのだ。彼女達が好まないのは、物語無しに打ち付け合っている体の一部だけが大写しになって際限なく続いていることなのだ。初めにこれに気付いたのはトリアーで、だから彼は女性のための上質な価値あるポルノを制作することができた。 — Stern #40, 2007年9月27日 この動きはAnna Span、Erika Lust、Petra Joyらによるヨーロッパでの女性向けポルノの波を先導することになった。しかし、ツェントローパ自身は英語圏のビジネス相手からの圧力により、後にこの路線を放棄することになった。2009年7月には女性紙『Cosmopolitan』による女性向けポルノランキングで『Pink Prison』が「新しい世代のポルノのロールモデルとなった」功績により1位に輝いた。 トリアー自身は2009年の『アンチクライスト』でより暗いテーマとともに過激な性表現に回帰することになる。2012年には自身の監督作品としては『イディオッツ』以来14年ぶりに、前述の「振りではないセックス描写」を含む『ニンフォマニアック』の製作を発表。再び議論を呼ぶ過激な作風となることを示唆した。
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