楚良、ハセヲ
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「.hackシリーズの登場人物」の記事における「楚良、ハセヲ」の解説
声:家中宏(楚良)、櫻井孝宏(ハセヲ) 登場作品:.hack//SIGN、.hack//ZERO、.hack//Roots、.hack//CELL、.hack//G.U.、.hack//Link 黄昏の騎士団、.hack//Link、.hack//Versus、ギルティドラゴン プレイヤー 三崎 亮(みさき りょう)。東京都在住の、2000年生まれの男性。親は大手企業に勤務しており、不自由ない生活を送っている。 幼い頃から『The World』をプレイする古株プレイヤーの1人。『The World』では、小学生の当時から年齢相応とは思えない洞察力や微妙な駆け引きなどを見せていたが、時折言動に見られる幼稚さや奇行が年齢を物語っていた。好奇心が旺盛で、2010年ごろに頻発していた異常現象を独自に調査していたが、それが原因で未帰還者となってしまった。黄昏事件の解決まで意識を取り戻すことはなく、意識を取り戻した後には『The World』に関する全ての記憶を失っていた。 両親から意識不明となっていたことについて知らされないまま育ち、何か満たされない日常に退屈していた。高校生となったころに友人から『The World R:2』を勧められ、何ともいえない懐かしさを感じてプレイするようになる。 小説版『G.U.』では、『The World』に没頭するあまり成績は降下の一途を辿り、学校ではジャンキーのあだ名で笑いものにされているような、リアルをなげうった向こう見ずな少年として描かれている。性格も非常に攻撃的かつ厭世的になっており、未帰還者を救おうとする苦痛の旅路を誰ともわかちあえない孤独感に溺れ、他者を寄せ付けないとげとげしさに溢れている。なお、この小説版では楚良としての記憶を取り戻している。 The World R:1 双剣士楚良(そら)。名前は松尾芭蕉の弟子で「奥の細道」の旅の従者河合曾良から取ったものらしい。キャラクターレベルが非常に高く、当時の『The World』では屈指の有力プレイヤーである。「だみょん」や「ばみょん」などが口癖。好きなエリアワードは「裏切り」と「虚無」。 “面白いこと”が行動原理であり、管理者に追われる不正規な存在である司や、司に深く関連すると思われた伝説のアイテム“Key of The Twilight”に興味を示していた。その過程で銀漢ら紅衣の騎士団やBTとも関わりを持つが、友好的とは言いがたく、多くは後に敵対している。司を追う過程で幼いアウラと出会い、アウラが“Key of The Twilight”であると直感してモルガナに協力するようになるが、高圧的な態度から信用できなくなり司を逃がすために裏切っている。それによりモルガナの逆鱗に触れ、スケィスのデータドレインを受けて未帰還者となっている。 データドレインPCはプレイヤーの意識が『The World』に閉じ込められ、普段は通常のPCと同様に行動しており自我も保ってはいるが、実際はスケィスの呪縛にその心を支配されている。『ZERO』ではカールがアウラに思い巡らせた時や接近した時などに、スケィスの意思と力が楚良の身体を媒介に現出する。 第1期ゲーム『.hack』では、他の『SIGN』キャラクター同様思念体として登場するが、プレイヤーの意識は『The World』内に閉じ込められたままである。スケィスが倒されたことで呪縛が解け「Λにじり寄る 裏切りの 虚無」でカイトと出会い、八相と戦うカイトに自らの双剣を託している。事件解決後に仲間に加えることが可能になるが、このPCは三崎亮自身が操作しているのではなく放浪AIである。 その後日談となる『Unison』ではルートタウンを騒がしているPKとして登場。ミストラルに執拗にメンバーアドレスの交換を求めるが、割り込んだクリムによって退けられている。その後、ネットスラムでの祭を物寂しげに覗いていたが、その様子に気付いた司が楚良に歩み寄る。 The World R:2 錬装士ハセヲ。名前は松尾芭蕉(はせを)に由来する。アニメ『Roots』とゲーム版『G.U.』の主人公で、第一相「死の恐怖」の碑文使いPC。『Roots』の物語開始と同時にプレイを始めた初心者で、「何でもできそうで、かっこよさそう」という理由で錬装士を選択している。黒装の錬装士で、ログイン直後に扱える武器は双剣のみ。1度目のジョブエクステンドで2ndフォームとなり大剣が、2度目のジョブエクステンドで3rdフォームとなり大鎌が使用可能となっている。通常ならばエクステンドは最大2度であるが、ゲーム版『G.U.』では欅による改造で仕様外の3度目のエクステンド(後述)が行われXthフォームとなり、仕様外の武器「双銃」が使用可能となる。 アカウントを作成して間もなく初心者狩りを専門とするIyotenとアスタにPKされるが、オーヴァンによって救い出される。オーヴァンの不思議な雰囲気に魅かれるハセヲは、オーヴァンがマスターを務めるギルド「黄昏の旅団」への所属を決意する。志乃やタビーらギルドメンバーとともにレアアイテム“キー・オブ・ザ・トワイライト”を探索する過程において、志乃と過ごす時間の中に自分の居場所を見出していくが、オーヴァンが行方不明となり、志乃も三爪痕にPKされプレイヤー自身も未帰還者となったことでハセヲの精神は加速的に暴走していく。 志乃を救い出すため三爪痕を探して『The World』を奔走するハセヲであったが、手がかりを得られず周りの諌める声も全て切り捨て次第に手段を選ばなくなっていった。レベル上げの過程で参加した「痛みの森」と呼ばれるイベントで謎の意識的存在“ハロルド”と接触したハセヲのPCボディは、禍々しいディテール(3rdフォームだが仕様外なジョブエクステンド)へと変貌していく。 PKを追うことで三爪痕の手がかりを追おうと手当たり次第にPKを狩り始めたハセヲは、PKK(PKキラー)として恐れられ、“死の恐怖”の通り名で知られることとなる。その過程で三爪痕と遭遇したという碧の噂を聞き、戦いを挑み情報を聞き出そうとするが、碧自身も三爪痕が何なのか良く分かっていなかったため収穫は無かった。しかしその後は碧に対して協力的な態度を示しており、失踪した碧の情報をアダマスに与えたり、碧をボルドーから救ったりしている。 最終的にはグリーマ・レーヴ大聖堂で三爪痕と遭遇したが、三爪痕のデータドレインを受けキャラデータやメンバーアドレス、メールなどのPCデータが全て初期化されてしまう。直後、オーヴァンからのメールを受け取ったハセヲはそれでも尚、再びこの世界に踏み込むことを決意し再度ログインする。 新たな出会いがありながら改めて三爪痕の情報を集めていくうちに、八咫率いるギルド「レイヴン」の存在と『黄昏の碑文』や「憑神」についての情報を知ることとなる。そして三爪痕の情報と引き換えにレイヴンへの協力を約束したハセヲは、アトリやシラバス、ガスパーらを初めとする様々な人物との関わり、揺光たち仲間の未帰還者化などを通じて『The World』という存在を考えるようになっていく。 八咫から自らが碑文使いであることを知らされたハセヲだったが、しばらくは開眼に至らず、紅魔宮トーナメント1回戦の対戦中においてボルドーに圧倒され、そのときの極限状態がスケィスに開眼するきっかけとなる。しかし、以後新たな力を得て自惚れが生じ「相手を倒して認めさせる」という感情が高ぶり、トーナメント3回戦では碑文の力の発露を抑えられず、トーナメント決勝ではスケィスが暴走するにまで陥ってしまったが、その際にクーンの決死の説得を受けて冷静さを取り戻す。それ以降はスケィスが暴走することもなく、周囲からも徐々に碑文使いとして、皆の中心として頼りにされるようになっていった。竜賢宮トーナメントの決勝戦では太白のAIDAに飲み込まれるも、増幅された感情に支配されることなくそれを押さえ付け、AIDA感染も跳ね除けてハセヲの精神の強さと成長を見せつけている。なお、スケィスの姿はハセヲのジョブエクステンドに応じて変化する特徴がある。 スケィスのデータドレインにより全ての碑文(全ての碑文使いのデータ)を宿したことで、AIDAを除去する「再誕」のスイッチとなる。オーヴァンによって「再誕」が発動され、爆心地にいたハセヲのボディは著しい損傷を負ってしまうが、欅によって修復されるとともにXthフォームへと変貌を遂げている。これまでの戦いにより全ての碑文(=モルガナ因子)を宿すハセヲは神であるAuraを顕現化させるための鍵でもあるが、同時にモルガナ因子の反存在であるクビアを生み出してしまう。その後、意識を取り戻した仲間たちと協力し、クビアを撃退することに成功する。 ギルドは前述の「黄昏の旅団」と「レイヴン」のほかに、「カナード」のギルドマスターを務めている。データが初期化されたころにシラバスと出会い、ギルドマスターを託されている。なお、アリーナは紅魔宮・碧聖宮・竜賢宮の全てを制覇している(小説版『G.U.』では紅魔宮のみ)。 小説版『G.U.』では、望の手伝いで「カナード」に所属している。志乃を失ったことによるショックを、ボルドー達とのアリーナ戦における窮地やオーヴァンによって揺さぶられ開眼し、黒き月魄の巫器「憑神鎌(スケィス)」を手にした。2ndフォームは登場せず、Xthフォームもゲーム版とは異なっている。 物語序盤でおきたグリーマ・レーヴ大聖堂における蒼炎のカイトのデータドレインはハセヲの背後にいたオーヴァンを狙ったものであり、オーヴァンは番匠屋淳によって掛けられた碑文使いPCのプロテクトを消して碑文の力を開眼させるためにハセヲを陥れた。ということが明かされている。 『TRILOGY』では、碑文使いとして開眼するのは蒼炎の守護神と戦う時(そこに至るまでの経緯も細部がゲームと異なる)。戦闘後、AIDAに感染したアトリを救うために彼女とPCデータとリンクし、意識を共有して心の闇に囚われたアトリを救うも、その直後にオーヴァンが現れ、左腕のトライエッジを開放しハセヲを襲う。ハセヲを庇ったアトリは目の前でバラバラにPKされ、さらにトライエッジがオーヴァンだったという事実によって憎しみと怒りに囚われてしまい、碑文と歪んだ融合を果たして仕様外のエクステンドB-st(ビースト)フォームに姿を変え、オーヴァンを追う。創造主の部屋で仕様を逸脱した激闘を繰り広げるもオーヴァンとAIDAの圧倒的な力に敗北しかけるが、精神を『The World』に取り込まれたアトリとの対話によって心の檻を抜け出し再びエクステンド。仕様外のXthフォームへとエクステンドを果たし、アトリとの対話によって思い出した「オーヴァンを助ける」志乃との約束を遂げるために再びオーヴァンに立ち向かう。憑神での激戦を繰り広げ、最期はハセヲの勝利で終結する。オーヴァンはついにハセヲに全てを明かし再誕を発動させて消えていった。 ハセヲはオーヴァンを救うためにアトリの碑文の力を借り、『The World』の深淵で消えてゆくオーヴァンを救い出す。 『Last Recode』で追加された「Vol.4」では、一連の事件からしばらく経った後に『The World』を引退し、CC社を辞めてNABに入った佐伯令子(パイ)の元で『The World』に囚われたままのオーヴァンの精神の捜索に専念していた事が語られた(本人曰く、2018年の頭頃から)。また、アトリには頭が上がらなくなっている。『The World R:2』のサービス終了直前に至ってようやく発見したオーヴァンを救おうとしたものの、碑文を封印したハセヲでは力が及ばず、同時に襲撃した「陰なる災厄ベガルタ」との戦いに巻き込まれる。その中で、「クサビラ」という姿を得たTriedge<トライエッジ>の協力で碑文を取り戻し、5thフォームへの進化を果たす。遂にはオーヴァンを救い出した後、彼との共闘で「災厄の海モラルタ」を撃破。サービス終了日には『The World』最後の日を仲間達と共に楽しんだ。 『TRILOGY』『Last Recode』のパロディモードでも出番が多く、女たらしな言動やスケベさが描かれたりなど全編に渡って暴走する一方、アトリに痛めつけられたりオーヴァンに偏愛を向けられるなど自身もかなり酷い目に遭っている。また、あるエピソードでは楚良時代を思い出して自らネタにしている。 The World R:X 漫画版『Link』では、リヴィジョンが異なるが『R:2』時代と類似したハセヲとして活動している。カイトとともに黄昏の騎士団として活動していたが、シックザールによって過去の記憶を改竄され、PKK「死の恐怖」として恐れられた頃へと戻ってしまっている。 ルミナ・クロスでPKされそうになっていたトキオを救出して興味を示すが、シックザールのポザオネの介入で「志乃をPKしたトライエッジはトキオ」という記憶を植えつけられ、さらに強化のチートを施される。アリーナでチャンピオンとなった揺光に挑戦、揺光を一蹴してチャンピオンの座に就いた。その後もポザオネの洗脳は強化されていき、トキオとのアリーナ戦では理性を失いB-stフォームとなって司を戦闘不能に追い込むが、トキオによって洗脳を解かれ協力してポザオネを撃破、トキオへの協力を約束している。 ゲーム版『Link』では『Roots』時代にてトキオと出会い、「黄昏の旅団」に加わった彼と行動を共にするが、ふとしたすれ違いによって、トキオのことを「志乃を見殺しにした奴」とみなしてしまい、反目したまま一時別れることになる。 その後G.U.時代にて再会した後、三爪痕との戦いに臨み敗北するが、PCは初期化されず「レイヴン」にも加入することなく、1人スケィスを成長させるためにアリーナへと臨み、多くのPCをキルしていった。その後クーンと対立した際に、彼がAIDAに感染していたことが判明。暴走するハセヲは榊が反乱を起こした「月の樹」の@HOMEへ乗り込み、アトリのイニスを撃破する。しかし彼女にとどめを刺そうとした瞬間、志乃の面影を見出し思い留まる。そしてそこへやって来たトキオに敗れ、ようやく正気を取り戻したのだった。その後オーヴァンと交戦し「再誕」を発動させることになるが、その後の消息は不明のままトキオがクロノコアを入手。『R:X』時代のマク・アヌへ戻った時に、石化から復活することで、ようやく再会することになる。 楚良だった頃の記憶は戻っていないが、ゲーム版では司に既視感を覚えるような様子が見られる。 VERSUS:The World 「VERSUS:The World」でプレイできるキャラクターの1人として登場。 イクシードは「Xthフォーム」。Xthフォームにエクステンドし、武装が双銃に変化する。アルティメットスキルは「死の恐怖スケィス」。 The World :Armed conflict B-stフォームをさらに禍々しくした死神のような姿“漆黒の恐怖”として登場。
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