仮面ライダーの協力者たち
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「仮面ライダー」の記事における「仮面ライダーの協力者たち」の解説
立花 藤兵衛(たちばな とうべえ) 全話に登場。本郷のオートレーサーとしての師。本郷の秘密をもっとも早く知った人物で、仮面ライダーの協力者として物心両面から支援する一方、トレーナーとして戦闘訓練にも立ち会ってライダーの実力を引き出した。当初はスナック・アミーゴを経営していたが、本郷が日本を離れるのと同時期にオートバイ用品店「立花オートコーナー」を開業し、立花レーシングクラブを立ち上げた。一文字や滝、レーシングクラブの女性メンバーたちに対しても父親のように接し、少年仮面ライダー隊を組織するとその会長に就任し、ライダーへの支援にいっそうの力を入れるようになる。 滝 和也(たき かずや) 第11、13 - 19、21 - 82、84 - 98話に登場。本郷の全日本モトクロス選手権大会におけるライバルに当たるオートレーサーで、ショッカーを追っていたFBIの特命捜査官。本郷と並ぶライディングテクニックを持つ。 自分の結婚式がゲバコンドルに襲われたのを機に戦いに参加する。シナリオによれば結婚式もショッカーを追うための偽装結婚であったとされているが、劇中ではその後も既婚者とされている。 一文字の登場とともに本格的にライダーと共闘するようになり、ショッカーによる犯罪の捜査や公的機関とのパイプ役などの役割を担う一方、戦闘やライダーの訓練でも1号・2号のパートナーを務めた。改造人間ではないが、捜査官としては優秀であり、戦闘員数人を相手に互角に渡り合う格闘力と優れた情報収集能力を持ってゲルショッカーの壊滅までライダーを支え続けた。少年ライダー隊結成後はその隊長を務め、子供たちの良き兄貴分にもなっていた。 第98話でゲルショッカー壊滅によって日本での使命を終え、アメリカに帰還した。これ以降、仮面ライダーシリーズには登場していない。藤岡の負傷による番組主役不在の穴を埋めるために急遽創られたキャラクターであり、藤岡の復帰が遅れたためにそのままレギュラー化した。所属組織は当時の人気テレビドラマ『FBIアメリカ連邦警察』が着想元である。 平山亨の小説によれば、「アメリカ南部・オクラホマシティ出身の日系3世。幼少時代はいじめを受けていたが、負けん気の強さから腕っ節を鍛えて地元の不良少年のボスになる。しかし黒人運転手ジャッキーに一蹴されて鼻っ柱を折られ、彼を追って世界各地を旅するうちに心身ともに成長。東南アジアでジャッキーと再会し、彼の師ジン・ルンから拳法を学ぼうとするが、ベトナム戦争に巻き込まれて成り行きで米兵と戦ってしまう。その後は本郷と一文字、風見志郎(仮面ライダーV3)とともにパリ・ダカールラリーに参加。帰国後、ベトナムでの反逆行為でFBIに捕まるが、フーバー長官に見込まれてFBIの一員となった」 という。演じた千葉治郎によると、アクションシーンでは滝が本郷より強く見えてしまうため、平山から「戦闘員を3人倒したら4人目にはやられる」と指示されていたという。 実現には至らなかったが、番組後半で登場が予定されていた仮面ライダー3号になるという案や次作『仮面ライダーV3』にてライダーマンとなって再登場する案などの展開も検討されていた。 その他の登場作品 漫画作品『仮面ライダーSPIRITS』 ライダーたちと並んで主人公格として扱われており、「仮面ライダー」として戦っている。 ゲーム『ガイアセイバー ヒーロー最大の作戦』 FBI捜査官としてカイ・シデンや仮面ライダーZXらと共に諜報活動を行う。 緑川 弘(みどりかわ ひろし) 第1話のみ登場。本郷の恩師で生化学の権威で、本郷の通う城北大学生化学研究所の教授。ショッカーに拉致されて改造人間の研究に携わっていたが、組織の真の目的を知って、脳改造寸前の本郷を救出した。本郷を被験体に推薦したことに負い目を持ち、ショッカーへの反逆についても恐怖心から迷い続けていたが、脱出行の途中で蜘蛛男に蜘蛛の糸を絡まれ、暗殺されてしまい、泡となって消える。劇中でははっきりと描かれていないが、設定上は仮面ライダーを開発した中心人物である。平山亨の短編小説では、「本郷の前に仮面ライダー0号とでも呼ぶべきプロトタイプを製作したが、その能力に耐え切れずに死亡してしまった。激しい良心の呵責に苦しんだ結果、ショッカーへの疑問を募らせていき、後に脱走した。その一方、首領の激しい責任追及に耐えかね、愛弟子の本郷を被験体に推薦してしまった」 と述べられている。雑誌設定ではあるが[要文献特定詳細情報]、『仮面ライダーX』の神啓太郎博士、『仮面ライダー(新)』の志度敬太郎博士がライダーに改造できる技術を持っていたのは、彼と関係があったからとされている。 その他の登場作品 小説作品『S.I.C. HERO SAGA MASKED RIDER EDITION SPECIAL EPISODE -脱出-』 本郷猛の改造・脱出の経緯が、緑川博士の視点で描かれ、本郷猛を選んだ理由についても語られている。 小説作品『S.I.C. HERO SAGA MASKED RIDER X EDITION -ゼウスの息子-』 『仮面ライダーX』の後日談にあたる小説作品に名前のみ登場。神啓太郎や呪博士は城北大学で教鞭をふるう親友とされ、ショッカーと繋がりのあった呪博士が緑川博士を推薦したことになっている。 緑川 ルリ子(みどりかわ ルリこ) 第1 - 13話に登場。緑川博士の一人娘で、城北大学文学部に通いながら立花の経営するアミーゴでアルバイトをしていた。緑川が暗殺された際、居合わせた本郷を犯人と誤解していた。第2話で誤解が解けてからは本郷の協力者となり、パートナーとしてショッカーとの戦いに貢献したが、本郷がライダーとは知らなかった。本郷に想いを寄せていた節があり、第13話で後を追ってヨーロッパに渡る。 その後の消息は劇中では描写されなかったが、番組のプロデューサー平山亨が後年執筆した小説では、オーストリアで本郷がルリ子の想いを振り切るべく、ルリ子の幼なじみである青年科学者・カールとその一家にルリ子を託したとされている。ルリ子を演じた真樹千恵子は、第11話でゲバコンドルをおびき寄せるための偽装結婚のシーンで、生まれて初めてウエデイングドレスを着用した。しかし、怪人ゲバコンドルに追いかけられるというシーンであり、「若い女の子の夢をめちゃくちゃにしてくれて」とコメントしている[要出典]。 企画段階ではルリ子の弟として中学1年生の正夫がレギュラーキャラクターに設定されていたが、企画の変遷により改造人間の悲哀を描く大人の物語が志向されたため不採用となった。 その他の登場作品 『新仮面ライダーSPIRITS』 本作品の時期を描いた作品(一文字の改造を描いた番外編)にテレビ版当時の姿で登場した後、本編にも年月を経た姿で登場。科学者としてSPIRITSに協力し、バダンシンドローム撃破の糸口を探そうとする。 野原ひろみ(のはら ひろみ) 第1、2、4 - 25、34話に登場。ルリ子と同じ城北大学文学部に通う級友で、アミーゴでアルバイトしていたことから事件に巻き込まれ、以後本郷たちの戦いに協力するようになる。本郷とルリ子が去った後も立花レーシングクラブに残り、一文字に協力した。 史郎(しろう) 第2、4 - 15話に登場。アミーゴのバーテン。気は弱いが善良な青年で、本郷たちに休息の場を与えていた。立花オートコーナーとレーシングクラブの開業に関わったのを最後に姿を消している。 ライダーガールズ ライダーの戦いを支援した女性たちの総称。劇中でこの呼称は使われていないが、商業誌などで彼女たちを総称する際にこの名称が使われている。キャスティングを担当した阿部征司は、「いついなくなってもいいように個性を持たせなかった」と述べている。 その他の登場作品 『仮面ライダーSPIRITS』 石倉育英会の職員として、ユリ、マリ、ミチが五郎とともに登場。五郎からは「姉ちゃん先生」と呼ばれ慕われている。 エミ、ミカ、トッコ、ヨッコ、チョコは石倉育英会の炊き出しを手伝っていた。 ユリ 第14 - 59、61 - 64、66、67、69 - 98話に登場。ひろみの友人でライダーガールズの中では最長期に渡って登場した。一文字の助手を自認しており、空手初段 (後に3段) の使い手。当初は他のライダーガールズ同様に軽い調子の女性だったが、後半はガールズのリーダー格的存在として、滝や藤兵衛とともにライダーの戦いをサポートした。メンバーのほとんどが説明なく姿を消す中で、彼女だけは最終話まで活躍を続けた。プロデューサーの阿部は「特に降板させる理由がなかった」と述べている。 マリ 第14 - 25、29 - 38話に登場。ひろみの友人。フェンシングが得意で、プロポーションを良くするために入会した。好奇心旺盛で、カメラマンである一文字に写真モデルにするように熱心にアピールしていた。 ミチ 第14 - 18、20、21、24、25話に登場。ひろみの友人。合気道が得意な男勝りの女性。90ccのバイクなら乗りこなせる。プロデューサーの阿部は「『仮面ライダー』なんだから1人ぐらいはバイクに乗れる娘を」という理由で設定したと述べている。 エミ 第40 - 66、68話に登場。本郷の助手としてスイスで活動。死神博士を追って来日し、そのまま日本に残った。暗号解読と合気道が得意。当初はミカとともに退場する予定であったが、コンビで登場する予定であった新ライダーガールズが1人のみとなったため、暫定的に登場が継続された。 ミカ 第40 - 52話に登場。エミ同様、本郷の助手としてスイスで活動していた。エミとともに来日し、そのまま日本に残った。トランプ占いやトランプ手裏剣が得意。 トッコ 第53 - 69話に登場。多摩動物公園でジャガーマンに襲われていた際に本郷たちと出会い、事件解決後は立花レーシングを手伝うことになる。勘が鋭い。 明確なキャラクター設定はなく、書籍などではレーシングクラブの炊事係と紹介されている。第59話のクレジットまではミツコと誤記されていたが、これは本来トッコとミツコのコンビで登場する予定であったものがミツコ役が決まらず1人のみとなったため、スタッフ内で役名に混乱が生じたものとされる。 ヨッコ 第70 - 98話に登場。ユリの紹介で登場。少年ライダー隊発足後は通信係や事務を担当。おとなしい性格で、口数も少ない。キャラクター設定は阿部が以前より知っていた中田喜子に合わせて設定された。 チョコ 第70 - 98話に登場。ユリの紹介で登場した。のんき者で、「チョコレートが好き」との設定で、いつも何かを食べており、周囲を呆れさせていた。少年ライダー隊発足後は通信係や事務を担当。キャラクター設定はヨッコと正反対に派手でミーハーな性格とされた。 石倉 五郎(いしくら ごろう) 第14 - 62、65話に登場。立花レーシングクラブの発足と同時にクラブに出入りするようになった少年。両親は既に亡くなっている。 他の大人たちとともによく事件に巻き込まれるが、情報提供などで事件解決に貢献することも多い。腕白少年だが、クラスで成績トップを争う秀才。本郷・一文字・滝・ライダーガールズとは兄弟のような間柄であり、彼らのことを「○○○兄ちゃん(本郷の場合は猛兄ちゃん)」や「○○○姉さん」と呼んでいる。本郷と一文字がライダーとは知らず、ライダーに憧れている。 ナオキとミツルをレーシングクラブに紹介した後、彼らにその役割を譲るように第65話を最後に降板した。演じる三浦康晴の中学校進学により、レギュラーを降板した。 その他の登場作品 『新仮面ライダーSPIRITS』 ショッカーやデルザー軍団に支配された東京都に、大きく成長した姿で現れる。ライダーガールズとともに悪の組織のテロ活動による被害から子供たちを守る組織「石倉育英会」を設立している。子供たちとともにショッカーに拉致されてしまった1号を追い、ZXとともにショッカーのアジトへと乗り込む。 少年仮面ライダー隊 第74話で、藤兵衛がライダーに協力する全国の少年少女を集めて結成した私設の支援組織。藤兵衛が会長、滝が隊長、ユリ・チョコ・ヨッコが通信係を務める。ショッカーの行動が公然となり、事件に巻き込まれる子供が増える中での自衛組織的な意味合いもある。ライダーのマスクを模したヘルメットと赤いネクタイの制服(作中では2度変更されている)がトレードマークで、専用の自転車で行動しながらショッカーやゲルショッカーの情報を収集(集めた情報は、ペンダント型の通信機や個々の会員番号が登録された連絡用伝書鳩を使って本部に通報し、ライダーに伝えられるシステムになっている)。本部は東京近郊の3階建てビルに置かれ、立花レーシングクラブの女性メンバーが本部要員として情報収集や事務に当たっており、各種通信機器や地図、会員名簿を完備する。隊員は全国規模で組織され、ショッカーやゲルショッカーと戦う上での大きな力となった。元々は五郎役の三浦康晴の演技が高く評価されていたことから、五郎を中心に据えることを前提に検討されていた。登場にあたっては掲載誌『テレビマガジン』にて隊員の募集が行われ、大きな反響を得た。 ナオキ、ミツル 第62 - 64、68 - 70、72 - 98話に登場。五郎の紹介で第62話よりレーシングクラブに出入りするようになった。2人で行動することが多く、そのキャラクターは五郎ほど描き分けられていなかった。ミツルは歳の離れた姉が第87話に登場。少年ライダー隊結成後はリーダー格として活躍し、ゲルショッカーとの最終決戦までその役割を全うした。五郎役の三浦康晴の降板により、それに代わる少年レギュラーとして創作された。
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