ロイ・マスタングとその部下
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「鋼の錬金術師の主要な登場人物」の記事における「ロイ・マスタングとその部下」の解説
ロイ・マスタング 声 - 大川透 / 三木眞一郎 演 - ディーン・フジオカ 国軍の東方司令部に勤める国家錬金術師。二つ名は「焔」。階級は大佐。物語が始まってすぐに中央司令部へ栄転となる。1885年生まれ。登場時は29歳(第11巻から30歳)。身長175cm前後。黒髪のショートヘアーに黒の瞳が特徴。 普段は女好きでいい加減な人物を装っているが、本心では大総統の地位を狙う野心家。狡猾さと「国を変える」という強い意志を併せ持っている。 冷たい言動をとることもある一方、仲間や部下の身に危険が及んだ際には自らを顧みず守ろうとするなど情に厚い一面もある。 詳しい出自は不明。父方の叔母であるクリス・マスタングを養母として育ち、リザ・ホークアイの父親の下で錬金術の基礎を学んだ後ホークアイの背中に刻まれた秘伝を解読することで焔の錬金術を使えるようになった。 国を良くしたいとの思いから軍に入隊、士官学校を卒業後国家錬金術師の資格を得る。のちに起るイシュヴァールの内乱では、並々ならぬ戦果を挙げたことから「イシュヴァールの英雄」の異名を取る。 エルリック兄弟との関係は、国家錬金術師への推挙のためリゼンブールを訪れたことから始まる。偶然、彼らが母親の人体錬成に失敗した直後に会うこととなり、絶望していたエドワードを立ち上がらせるきっかけを作る。エドワードが国家錬金術師の資格を得てからは、賢者の石を求めて危ない橋を渡る兄弟を、嫌味を言ったりしながらも見守っている。 信頼できると踏んだ人物には本心を晒しており、東方司令部から中央への異動の際にはリザ・ホークアイ、ジャン・ハボック、ハイマンス・ブレダ、ヴァトー・ファルマン、ケイン・フュリーを引き抜いて自身の懐に置いた。中でもホークアイには彼女の士官学校卒業と同時に自らの背中を任せ、「私が道を踏み外したら撃ち殺せ」とまで伝えている。また、中央司令部勤務であるマース・ヒューズとは士官学校時代の同期で、親友同士であった。 錬金術師としての能力は二つ名の通り、焔(炎)である。錬金術により燃焼物を生成(用意)、その周辺の酸素濃度を調節し、そこへ空気中の塵を導火線代わりに利用して発火布などの点火源からの火種を送り込むことで炎を起こす。基本的には、発火布でできた手袋をはめた状態で指を擦り合わせること(この時指パッチンのような音がでるが、これは空気中の物質が錬金術で化学反応を起こす際の音で、厳密には指を鳴らしているわけでは無い。)で摩擦による点火を行う。イシュヴァール戦を経て炎の強さを自在に調節できるようになり、本気を出せば人体を一瞬にして灰も残さず燃やす火力を発揮することや、街一区画を丸ごと巻き込む範囲に放つこともできる。一方で、空気中の塵を利用して遠距離に点火源を飛ばす性質上、強い湿気に弱いため(水そのものは水素と酸素に分解して点火できるため、あくまで「強い湿気」に弱い)雨天時や水場では着火できず、しっかりとした点火源が存在しないと術を行使できない。このことからホークアイに「雨の日は無能」と言われ、作品の内外でネタやジョークとしてよく登場する。 人気投票では毎回1位のエドワードに大差をつけられての2位となっており、それをネタにおまけ漫画が描かれることもある。また上述の「無能」ネタも多い。 リザ・ホークアイ 声 - 根谷美智子 / 折笠富美子 演 - 蓮佛美沙子 軍部の中尉でマスタングの副官。24~25歳。身長165cm前後。 金髪にブラウンの目をもつ容姿端麗な女性。仕事中は常に冷静沈着で、よほどのことが無い限り感情を表に出さない。一方プライベートでは笑顔を見せることも多く、引き取り手のいない仔犬(後の「ブラックハヤテ号」)を引き取るなど、根は優しい。非常にスタイルが良く見えるが、それについて作者は「(軍人のため、身体を鍛えているので)肩幅が広く、(そこそこの年齢だから)お尻が大きいため、腰が細く見える」と説明している。ネーミングセンスは皆無。常に銃を二丁携帯している。 類稀な狙撃センスの持ち主で、イシュヴァール殲滅戦時には士官学校生だったが狙撃手として前線に配属された。名前と、その正確無比な狙撃から「鷹の眼」の異名を持つ。銃を愛用するのは、本人曰く「人の死に行く感触が残らないから」。だがこれを欺瞞であるとマスタングに指摘された時にはそれを認め、「次世代のために自らが手を汚す」と肯定した。 マスタングからはもし自分が道を踏み外したら殺せと託されるほどに信頼を置かれており、ホムンクルス側にもマスタングにとって大切な者と認識されていた。彼女の亡き父親(声 - 谷昌樹)は錬金術師で、マスタングの師匠でもあった。ホークアイの背中には父の遺した錬金術の秘伝が刺青として刻まれており、マスタングの人間性と、「皆が幸せに暮らせる未来」を信じ、彼に秘伝を託した。その後、国民の幸福を願い士官学校に入り一旦マスタングとの関係は途切れるが、イシュヴァール戦にて再会。終戦後には秘伝の破棄を望み、マスタング自身の手により一部が焼き潰された。その後、マスタングの推薦もあり彼の補佐官となる。 第三研究所の戦いののち事実上ホムンクル側の人質として大総統付補佐となったが、「約束の日」の後は、イシュヴァール復興政策に赴くマスタングに付き従った。『荒川弘イラスト集 FULLMETAL ALCHEMIST 3』では、マスタングとホークアイは結婚しないのかというファンからの疑問に対して、「結婚しちゃうと、軍の規則で”上司とその補佐”ではいられなくなっちゃうんだよぅ」と回答されている。 もとはショートヘアで、エルリック兄弟勧誘の際に出会ったウィンリィに影響を受けて髪を伸ばしたというエピソードがある(逆にウィンリィは彼女に影響を受けてピアスをつけるようになった)。「約束の日」の後、『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』最終回の写真ではショートヘアに戻している。 ジャン・ハボック 声 - 松本保典 / うえだゆうじ 演 - 深水元基 軍部の少尉でマスタングの部下。身長180cm前後。 のらりくらりとした性格の青年。つねにタバコをくわるヘビースモーカーであり、くわえ煙草はもはやトレードマークと言える。東部の出身であり、内乱を身近に感じてきたことから自分でどうにかしたいと考え、士官学校に入ったという過去を持つ。ブレダは同期。身体能力や銃器の扱いに長けており、マスタングの部下の中で実働的な役割を務める。戦いの場ではマスタングとは良いコンビで、何かと前線に出たがるマスタングをホークアイと共に抑える。頭は悪いと自他ともに認めているが、近づいてきたラストには情報を流さないなど、公私の別は厳密に守っている。 女性運が非常に悪い。彼女ができるが、間もなくセントラルに移動になってフラれる。その後、アームストロング少将の妹・キャサリンと見合いをするが、それもフラれる。そして、念願の彼女を作るが、それはマスタングの情報収集のために近づいてきたラストであり、第三研究所の戦いで彼女に刺されることとなる。 第三研究所の戦いにおいて、ラストの攻撃によって脊髄を損傷し、下半身不随となる。そして役立たずとなった自分を捨てきれないマスタングを甘いと指摘し、軍を去る。その後は実家の雑貨店を継ぐが、「約束の日」において弾薬などの必要物資をマスタングに供給し、手助けをする。「約束の日」の後は、マルコーの賢者の石によって回復したらしく、エピローグでリハビリをする様子が描かれている。 『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』最終回では完治したらしく、写真にブレダ、レベッカと共に写っている。 ハイマンス・ブレダ 声 - 志村知幸 / 佐藤美一 演 - 加治将樹 軍部の少尉でマスタングの部下。身長165cm前後。 茶髪の刈り上げ、背は低いが恰幅の良い体型の男性で、何かしら食べているシーンが多い。見た目とは裏腹に頭脳派で士官学校を首席で卒業した。マスタングのチェスの相手、知恵が必要な時の相談相手でもある。ハボックとは士官学校の同期であり、プライベートでは「ハボ」という愛称で呼ぶ。大の犬嫌いで、ブラックハヤテ号にも怯える。 第三研究所の戦い以後、ブラッドレイにより西方司令部に異動させられる。「約束の日」、軍を脱走してマスタングの下に駆けつける。フュリーと共にラジオ局ジャックを行い、ブラッドレイ夫人のコメントや大総統の行方不明を使って国民を味方に付けるべく情報操作を行う。 「約束の日」の後は詳しいことは不明であるが、ハボックがリハビリしている写真にマリア・ロスと共に写っている。 『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』最終回では写真に完治したハボック、レベッカと共に写っている。 ヴァトー・ファルマン 声 - 室園丈裕 / 浜田賢二 演 - 杉本海凪 軍部の准尉でマスタングの部下。身長170cm台後半。 長身痩躯で頬が痩せこけ、白髪もしくはグレーの髪の男性。特技は歩くデータベースの如き記憶力。元々は北部出身で、東部へ転属された後にマスタングの部下になる。作中では苦労することが多い。 第三研究所の戦いでは持ち前の記憶力よりナンバー66の尋問を担当したことがきっかけで、彼を見張る役目を担う。その後、ブラッドレイの命令によって北方へ転属させられた後は、そこからさらに北のブリッグズへ飛ばされてしまう(その際、少尉に昇格)。ブリッグズでは下っ端で氷柱落としの仕事をしていたが、ブリッグズを訪れたエルリック兄弟の知り合いということでオリヴィエやバッカニアらとも共に行動する。 「約束の日」、他の仲間と違ってマスタングの下には参せず、バッカニア率いるブリッグズ兵と行動を共にする。持ち前の記憶力より中央司令部の作戦本部の位置を把握しており、地下からの正確な突入に一役買う。その後、オリヴィエの命令に従い正門の防衛に回り、キング・ブラッドレイの帰参でバッカニアが目前でやられる状態にあっても恐怖で涙を流しながらブラッドレイに銃口を向ける。 「約束の日」の後は、そのままブリッグズに残ったことが確認できる。 『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』最終回では現地で結婚したのか、そっくりな子ども二人と共に写真に収まっている。 ケイン・フュリー 声 - 白鳥哲 / 柿原徹也 演 - 熊谷魁人 軍部の曹長でマスタングの部下。身長155cm前後。 童顔に眼鏡の青年。穏やかで優しい性格で気が弱い。通信機器のスペシャリストで、第三研究所地下での戦いに際しては外部通信を一人で担っていた。また中央の無線のチャンネルを全て知っているなど、趣味で入隊以前から培われたその知識と技術は目をみはるものがある。捨てられていたブラックハヤテ号を拾ってきた張本人であり、ホークアイの留守中には面倒を見ていることが多い。 第三研究所の戦い以後、ブラッドレイにより南方司令部に異動させられる。アエルゴ軍との激戦地のまっただ中にいたが「約束の日」に脱走してマスタングの元に駆けつけ、共に戦う。ブレダと共にラジオ局ジャックを行い、国民を味方に付けるべく情報操作を行う。 『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』最終回では放送機器を整備する姿が写真に写っている。 ブラックハヤテ号 ホークアイの飼い犬。雄。愛称は「ハヤテ号」「ブラハ」。 仔犬のころ、捨てられていたのをフュリーに拾われ、最終的にホークアイによって飼われることになる。彼女の厳しい躾を受け、従順かつ勇敢に育つ。活躍は回数こそ多くはないが、グラトニーに追い詰められたホークアイを救う、優れた嗅覚と聴覚で周辺警戒を行うなど戦力としてしっかり貢献している場面もあり、フュリーは「ハヤテ号にも階級をあげたいくらい」と述べ、マスタングからは「少尉辺りでどうだ?」と評された(自分より高い階級を提示されたことにフュリー自身はショックを受けた)。 「約束の日」の後、『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』最終回では子持ちになっている。
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