アウトサイダー‐アート【outsider art】
アウトサイダー・アート
【英】:Outsider art
「アウトサイダー・アート」をめぐって−− 特別展「アート・イン・パラダイス」で紹介しているのは、「アウトサイダー・アート」と呼ばれている分野の作品です。いわゆる美術教育を受けずに独学で制作を始めた人々の作品について、欧米では一般的に「アウトサイダー・アート」という言葉が用いられています。この言葉には美術の主流で扱う範囲では収まりきれないくらい奔放で自由なもの、という積極的な意味が込められているのです。しかし、「アウトサイダー・アート」という言葉が、この分野の作品を指す唯一のものではありません。今回の「アート・イン・パラダイス」展の主な出品作品を所蔵しているコレクターは、自らのコレクションを「アントレインド(訓練を受けていない)・アート」とも呼んでいますが、これは一般的ではありません。また、アメリカで作られたこの分野専門の美術館は「ビジョナリー(空想的・夢想的)・アート・ミュージアム」という名称ですし、「セルフ・トート(独学・独習)」という言葉もあります。また、古くは画家ジャン・デュビュッフェが障害を持つ人々や監獄に閉じこめられた人々の作品の中から、自らが選んだものを「アール・ブリュット(生の芸術)」と呼んでいます。さらに、最近日本で生まれた言葉では障害を持つ人々の作品を「エイブル・アート(可能性の芸術)」と言いますし、民間伝承的な意味の「フォーク・アート」という言葉もあります。これらの言葉は意味的に重なる部分もありますが、全く同じ意味ではありません。しかし、それぞれの言葉がこの分野の作品を積極的に評価していこうという意志に支えられていることには変わりないのです。−− もっと詳しく知りたい方は以下を参照してください(全て英語です)。 http://www.visionaryart.com http://www.rawvision.com
アウトサイダー・アート
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/11 14:53 UTC 版)
アウトサイダー・アート(英: outsider art)とは、西洋の正規の芸術の美術教育訓練を受けていない者の制作した作品であるが、ここではアートとして扱われているものを指す[1]。
- ^ a b c d 美術手帖 2017, pp. 20–21.
- ^ a b c d e f g 美術手帖 2017, pp. 34–37.
- ^ a b c d e f g h i j 川口幸也「カヴァリング・アウトサイド-アウトサイダー・アートの政治学」『Collage』第2号、1999年4月、2-7頁。
- ^ a b c d パラレル・ヴィジョン 1993, §王様とテニス(マーク・ギズボーン).
- ^ a b c d e f g ヴェラ・L.ゾルバーグ、ジョニ・マーヤ・チャーボ「アウトサイダー・アートの社会学」『Collage』第2号、1999年4月、20-23頁。
- ^ a b パラレル・ヴィジョン 1993, pp. 250–253.
- ^ a b c d e f g 美術手帖 2017, pp. 26–27.
- ^ パラレル・ヴィジョン 1993, pp. 270–271.
- ^ a b c d e 井ノ口和子 2018, p. 58.
- ^ a b c d e f g h 井ノ口和子 2018, p. 59.
- ^ a b c d 世田谷美術館編『アウトサイダー・アートを考える : パラレル・ヴィジョン・シンポジウム』世田谷美術館、1994年。
- ^ パラレル・ヴィジョン 1993, §序文(モーリス・タックマン).
- ^ デイヴィド・マクラガン 2009, p. 113.
- ^ パラレル・ヴィジョン 1993, pp. 250–251.
- ^ Roger Cardinal, Outsider Art, Praeger, 1972.
- ^ “Raw Vvision 25 years of publishing outsider art” (PDF). Raw Vision Magazine. 2017年7月31日閲覧。
- ^ デイヴィド・マクラガン 2009, p. 47.
- ^ デイヴィド・マクラガン 2009, p. 107.
- ^ Kyoichi Tsuzuki編『ArT RANDOM 75巻 Outsider Art II Visionary environment』京都書院、1991年。ISBN 4-7636-8577-5。
- ^ 服部正『アウトサイダー・アート』光文社新書、2003年。p.237
- ^ 美術手帖 2017, p. 23.
- ^ 項目「エイブル・アート」『まあるい地球のボランティア・キーワード145:ボランティア学習事典』春風社、2003年。p.37
- ^ 日本の商標登録4195826「ABLE ART エイブル アート」(特許情報プラットフォーム)
- ^ a b c デイヴィド・マクラガン 2009, p. 93.
- ^ a b c モニカ・キンリー、Kyoichi Tsuzuki編「序文」『ArT RANDOM 50巻 Outsider Art from the Outsider Archive, London』京都書院、1989年。ISBN 4-7636-8538-4。
- ^ a b “Musgrave Kinley Outsider Art Collection”. Contemporary Art Society. 2017年8月11日閲覧。
- ^ 長谷川祐子「病める天才たちのユートピア:グギング<芸術家の家>」『芸術新潮』1993年12月号、新潮社。
- ^ 田中弘子「誰もが楽しめる創造力の美術館 アウトサイダーアートの拠点」『AREA』1997年4月、47-49頁。
- ^ 出口には以下でも言及される: 椹木野衣『アウトサイダー・アート入門』幻冬舎〈幻冬舎新書〉、2015年。ISBN 978-4-3449-8375-5。
- ^ a b c 『日本のアウトサイダー・アート』世田谷美術館、1993年。
- 1 アウトサイダー・アートとは
- 2 アウトサイダー・アートの概要
- 3 障害者アートとの関係
- 4 作品
- 5 出典
- 6 外部リンク
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