標準軌
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/04 06:53 UTC 版)
日本の標準軌路線
日本で標準軌を採用しているのは、新幹線、JR田沢湖線等在来線のミニ新幹線区間、近畿圏および東京を中心とする大手私鉄、地下鉄、路面電車等である。日本に現存する標準軌幅の営業用路線はすべて電化路線であり、日本が領有していた外地を除くと、過去を含めても営業用の路線として非電化だったのは琴平電鉄塩江線が唯一の例である。
なお、昭和中期ごろまではこの1,435mm軌間を「広軌」と呼ぶのが一般的であり、公文書上でも1,435mm軌間を広軌と表現していたこともあった。理由は在来線に多く使用されている狭軌(1,067mm軌間)が標準的であり、それより広いためである。そのため、伝統的に標準軌が主流の関西私鉄の一つである近畿日本鉄道(近鉄)ですら、同様の理由で1,435mm軌間の路線を「広軌」と公式には称している。しかし、近年では国際的な広軌幅の呼称との混同を防ぐため、日本において1,435mm軌間を意味するためには本項目の「標準軌」の用語が基本的に使用されることが増えている。
- JR(新幹線および、法律上の在来線のうち新幹線車両のみが走行する路線)
- JR(在来線のうち新幹線車両が直通する路線。いわゆるミニ新幹線)
- 私鉄
- 東京地下鉄(銀座線・丸ノ内線・丸ノ内線分岐線)
- 京成電鉄
- 新京成電鉄
- 北総鉄道
- 芝山鉄道
- 京浜急行電鉄(逗子線金沢八景 - 神武寺間の上り線は狭軌と標準軌の三線軌条)
- 箱根登山鉄道(鉄道線入生田 - 強羅間(ただし入生田 - 箱根湯本間は狭軌と標準軌の三線軌条))
- 十国峠(十国鋼索線)
- 大阪市高速電気軌道
- 近畿日本鉄道(南大阪線系統・生駒鋼索線は狭軌)
- 京阪電気鉄道(鋼索線のみ狭軌)
- 阪急電鉄
- 阪神電気鉄道
- 山陽電気鉄道
- 能勢電鉄
- 京福電気鉄道(嵐山本線・北野線)
- 叡山電鉄
- 阪堺電気軌道
- 北大阪急行電鉄
- 高松琴平電気鉄道(四国地方唯一)
- 広島電鉄(新幹線を除けば中国地方唯一)
- 筑豊電気鉄道
- 西日本鉄道(貝塚線のみ狭軌)
- 長崎電気軌道
- 公営
- 廃止された路線
- 改軌された路線(事業者として現存しないもの)
この他、上掲社局の廃止路線にも該当例がある。なお、北海道、北陸地方、甲信越地方には過去にも現在にも標準軌を一切導入していない(いずれも新幹線を除く)。
注釈
- ^ 1フィートの長さは地域により異なった。以下では特に断らない限りイングランドやアメリカ合衆国のフィート(1フィート=約0.3048 m)を意味する。
- ^ 国により統計年代や路線長の算出などの基準が異なるため、こうしたデータには曖昧さがある(岡 2002, pp. 13–14)。
- ^ ただし小池ははっきりした証拠に基づくものではなく、説明の一つとして紹介している。
- ^ これらはグレート・ウェスタン鉄道の末端部に位置する。
- ^ 第一次世界大戦、ロシア革命と第二次世界大戦による国境の移動などのため、ロシア・ソ連の広軌圏と中央ヨーロッパの標準軌圏との境界も移動している。また戦争中などの一時的な改軌もあった。
- ^ 4フィート8.5インチ軌間との差はわずかであり、直通運転も行われていた(岡 2002, p. 11)。
- ^ それ以前には1876年にイギリス人が無許可で建設した狭軌の呉淞鉄道がある。
出典
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- ^ 岡 2002, pp. 12–14
- ^ a b c 岡 2002, pp. 5–8
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- ^ a b c Metzeltin 1921, p. 123
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- ^ a b 岡 2002, pp. 50–52
- ^ a b 原口 2010, pp. 143–144
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- ^ a b 山田 2002, pp. 25–27
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- ^ a b 山田 2002, pp. 45–47
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- ^ Central Intelligence Agency. “the World Factbook”. 2013年3月6日閲覧。 各国の記事の"Transportation"の項目
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