においとは? わかりやすく解説

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におい〔にほひ〕【匂い】

読み方:におい

そのものから漂ってきて、嗅覚刺激するもの。「香水の—」「サンマを焼く—」→臭(にお)い1

いかにもそれらしい感じ・趣。「都会の—」「生活の—」→臭(にお)い2

芸能文芸で、表現の内にどことなくただよう情趣気分余情

日本刀の刃と地肌との境に現れた、白くかすんだように見え部分。→沸(にえ)

染め色、襲(かさね)の色目や鎧(よろい)の威(おどし)の配色で、濃い色からしだいに薄くなっていくもの。ぼかし。

匂い威(おどし)」の略。

視覚通して見られる鮮やかに美し色合い。特に、赤色についていう。

「もみちの—は繁し然れども妻梨の木を手折りかざさむ」〈二一八八

人の内部から立ち現れる、豊かで生き生きした美しさ

「—多く見えてさるかたいとをかし人ざまなり」〈源・空

はなやかで、見栄えのすること。威光栄華

「官(つかさ)、位、世の中の—も、何ともおぼえずなむ」〈源・椎本

10 声が豊かで、つやのあること。

答へたる声も、いみじう—あり」〈とりかへばや・一〉

[補説] 12について、ふつう、好ましいものは「匂い」、好ましくないものは「臭い」と書く。

[用法] におい・かおり——「バラの甘いにおい(香り)が漂う」のように、鼻に感じここちよい刺激については相通じ用いられる。◇「におい」は良い・悪い・好ましい・不快など、鼻で感じるものすべてについていう。「いいにおい」「アンモニアのにおい」「腐ったようなにおい」◇また、そのもののうちに漂う雰囲気についてもいう。「生活のにおいの漂う文章」◇「香り」は鼻に好ましく感じられるものに限って使われる。「馥郁(ふくいく)たる香り」「香(こう)の香り薫り)を楽しむ」。また、そのものからおのずから出てくる感じについてもいう。「芸術香り満ちた町」


におい〔にほひ〕【臭い】

読み方:におい

《「匂い」と同語源》

嗅覚刺激する不快なくさみ。悪臭。「どぶの—」

いかにもそのような感じ気配。特に、好ましくないものについていう。「犯罪の—がする」


匂い、臭い

読み方:におい

ワ行五段活用動詞匂う」「臭う」の連用形である「匂い」「臭い」、あるいは連用形名詞化したもの

日本語活用形辞書はプログラムで機械的に活用形や説明を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

沸・匂い(にえ・におい)

焼入れによって生じた刃文拡大すると、砂を蒔いたような大きな粒子組織と、がかったような小さな粒子確認することができる。科学的に両者ともにマルテンサイト称され、同じ性質組織だが刀剣界では、この大きな粒子を沸、状のものを匂と称し刃文全体が沸主調のものを沸出来匂いによって構成されているものを匂い出来称する焼入れ前に施す土置き焼入れ条件によって出来方が異なる。

におい

作者パトリック・マグラア

収載図書幻想展覧会―ニュー・ゴシック短篇集 1
出版社福武書店
刊行年月1992.6


におい

作者国江春菁

収載図書宋王之印
出版社慶友社
刊行年月2002.2


におい

作者羊辻春雪

収載図書12時のパラダイム
出版社文芸社
刊行年月2007.12


読み方:におい

  1. 掏摸犯人目的人物尾行し隙を伺ふこと。或は挙動不審の者に刑事巡査尾行することを云ふ。
  2. スリ犯人通行人尾行してそのスキをうかがうこと。又、刑事巡査スリ尾行すること。〔掏摸
  3. 挙動不審者に刑事巡査尾行することをいう。②スリ犯人目的人物尾行し隙を窺うこと。

分類 掏摸


読み方:におい

  1. 挙動不審者ニ対シ、其行動偵察ノタメ刑事巡査尾行スルヲ云フ。〔第四類 言語動作
  2. 挙動不審者に対し、其行動偵察のため、刑事巡査尾行することをいふ。〔犯罪語〕
  3. 刑事密告者等の尾行してゐる事。
  4. 挙動不審な者に警察官尾行することを云ふ。
  5. 挙動不審者に対し、その行動偵察のため、刑事巡査尾行すること。〔一般犯罪

分類 一般犯罪者犯罪犯罪


読み方:におい

  1. 掏摸犯人通行人尾行シ其隙ヲ窺フヲ云フ。〔第三類 犯罪行為
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壬生

読み方
壬生におい

乳井

読み方
乳井におい

丹生

読み方
丹生におい

におい

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/24 20:06 UTC 版)

においとは

  • 空気中を漂ってきて嗅覚を刺激するもの[1](注. 『広辞苑』では嗅覚系の説明は2番目以降である)。
  • 赤などのあざやかな色彩が美しく映えること[2]視覚で捉えられる美しい色彩のこと。「匂い」。

語義

まず『広辞苑』でどう解説しているか紹介する。次の順番で掲載されている。

  • 赤などのあざやかな色彩が美しく映えること[3]視覚で捉えられる美しい色彩のこと。「匂い」。
  • 空気中を漂ってきて嗅覚を刺激するもの[1][4]

現代では後者のような、嗅覚を刺激され、人が感じる物質や感覚という意味で用いることの方が増えている。

表記

「におい」は大和言葉で、漢字を当てる場合、基本的には「匂」「匂い」と表記する。ただし、「匂」は国字である。 良いにおいを「匂い」、悪いにおいは「臭(にお)い」と書くことが多い[注 1]

良いにおい(匂い)は大和言葉で「かおり」や、漢語で「香気(こうき)」とも言う[5]。「かおり」に漢字を当てる場合は「香り」「薫り」「芳り」などであり、「芳香」といった熟語もある。いずれも当用漢字で、「芳」は表外訓などを当てる。

色彩

においには、赤などのあざやかな色彩が美しく映えることという意味がある[3]視覚で捉えられる美しい色彩のこと。「匂い」。

例えば『万葉集』には次のような歌がある。

黄葉(もみじは)のにほひは茂し[6] -(『万葉集』10)

また『いろは歌』の冒頭でも「いろはにほへと(色は匂えど)」とある。

伝統的に花の雄蕊雌蕊をまとめて「におい」と言う。日本画友禅などの和柄、焼物漆器蒔絵、絞り細工など細工の花の中心部分のこと。奥により強い存在を感じさせる表に一部が表出したものを「匂い」と呼ぶ。

匂い におい・香りと 臭い におい・臭気の区別

においの中でも、特に好ましいものを「かおり」「香り」「香気(こうき)」「芳香(ほうこう)」と呼び分けることがある。

一方で、不快なにおい、くさい(臭い)においは、現代では「臭気」と言う。「臭」という漢字をあて「臭い(におい)」とも書く。特に強い不快感をもたらすものを悪臭と言い、日本では悪臭防止法により規制対象となっている。また刺激性の化学物質が撒かれたり、物が腐敗したり、焼け焦げたりした時には「異臭」騒ぎと報道されることもある[7]

嗅覚

五感のうちの嗅覚と味覚は、化学物質の刺激によってもたらされる感覚であり「化学感覚」と呼ばれることがある[8]

物質の匂い分子空気によって運ばれ、から(食べ物の場合はから)嗅上皮に到達し、嗅上皮にある嗅細胞の粘膜になっているひげ状の嗅繊毛に付くことで匂い分子を捉え、嗅神経を通って大脳まで伝達される[8]

においを持つ物質は約10万から40万種とされるが、リチャード・アクセルリンダ・バックの研究によると、そのうちヒトが感じ取ることができる匂い物質は1万種類程度であるのに対し、受け取る側の受容タンパク質の形は1,000種類ぐらいしかなく、一対一対応でないことがわかっている[8]

匂い分子には条件があり、大きな分子では空気中で運ばれず低分子である必要があり、かつ揮発性のあるものでなければならない[8]。また、粘膜への付着に関して、ある程度に溶ける必要がある[8]。さらに受け取る側の受容タンパク質との関係から、分子構造(立体構造)が鍵と鍵穴のように相互作用するものでなければならない[8]

においに対する人の反応および反応差

医学領域における様々な研究成果により、匂いというのは他の感覚とは異なり、大脳辺縁系に直接届いていることが明らかになった。その大脳辺縁系は「情動系」とも呼ばれており、匂いは人間本能や、特に感情と結びついた記憶と密接な関係があると指摘されている。つまり匂いは最も感情を刺激する感覚なのだとされている[9]

もともとは、視覚的イメージ(視覚内容)、(聴覚内容)、(味覚内容)などに比べると、匂い(嗅覚内容)というのは、科学論文で扱われたり、学校教育の場などで教育されたりする機会は比較的少なかった。

なお、近年の日本では匂いが無いまたはや少ないことが良しとされる傾向があり、家庭用の消臭剤や消臭グッズを買う消費者や、香りの強い化粧品・整髪料を避け、微香性の化粧品・整髪料などを買う消費者も多い。このような「匂いを避ける」という現象の背後には、《匂いの抑圧》があり、さらにその背後には《本能の抑圧》や《の抑圧》が潜んでいる、と鈴木隆は述べた[10][11]

法律や条例による規制対象ではなくても、口臭加齢臭腋臭症を含めた過度の体臭洗濯していない衣服、喫煙などによる不快な臭いについて、トラブルの原因になったり、抑えることがエチケットとされたりする。こうした、臭気で周囲を不快にさせることをスメルハラスメントと呼ぶ。

感受性の男女差

立正大学の齊藤勇によると、女性は男性よりも脳の嗅覚野が発達しているので、においの感受性には男女差があり、女性の方がにおいに敏感に反応するという[12][13]。また、女性は月経周期の時期などによって嗅覚が変化するといい、排卵期には「成人男性に関係するようなにおい」や「不快なにおい」に対する嗅覚感受性が低下し、反対に月経期には反対に敏感になる女性が多いという[13]

また、同じく齊藤によると、脳の発達には男女差があるという。嗅覚を司る「嗅覚野」と関係の強い大脳辺縁系には、記憶を司る海馬や感情を司る扁桃体があり、嗅覚的感知に大きな影響を与えている[13]。そのため匂いと記憶、匂いと感情は結びつきやすい。そして、女性はにおいを嗅いだ時に、同時にそれに関連する記憶まで呼び覚ましやすいのだという[13]

においの利用や抑制

食品や飲料では、素材や調味料、香辛料およびそれらを使った調理・醸造などにより生じる良い匂いや香りを楽しむ。近現代の加工食品・飲料では香料を加えることも多い。

現代では、様々な業種の企業が、においをイメージアップや販売促進に活用しようとしている。こうしたことは10時間以上も香りを長続きさせる最新のにおい噴霧器が開発されたり、「禁煙を手助けする効果がある」「記憶力を高める効果がある」とされる《機能性アロマ》が開発されたりしたことによる。ただし、人工的な香りが氾濫することによって、「日本人がもつ繊細な《香り文化》が失われつつあるのではないか」「自然の、かすかなにおいを教える必要があるのではないか」という専門家の指摘もあるという[14]

生理的な影響と利用

においは人に生理的な影響を与えることがある。例えば、ジャスミンの匂い(香り)は心拍のパワースペクトルのLF成分を有意に増大させる、との研究もある。これはジャスミンの香りが副交感神経の活動を増大させ(=交感神経を抑制し)、精神性の負荷を減少させることを示唆している[9]

アロマテラピー中世にその原型が生まれ、20世紀により具体的に提唱された。主として花や木に由来する芳香成分の香りを活用し、ストレス軽減など心身の健康維持に役立つ、ともされる技術である。

匂い・香りの利用や抑制

良い香りを身体・衣服・住居などに漂わせる文化は洋の東西を問わず古来あり、人々はハーブを採集したり、香水を発達させてきた歴史がある。たとえば、西洋では古代ローマで西暦1世紀頃に書かれたペダニウス・ディオスコリデスの書De Materia Medica(『薬物学』)には、「ラベンダーを蒸留して作るラベンダー油は他のいかなる香料もしのぐ香りだ」と記述され、着衣や髪につけて用いたり入浴剤などにも使われていたようである。それは現代でもフランスなど地中海沿岸の国々の家庭で盛んに用いられているし、東洋では香を探究してゆくうちに香道も行われるようになった。現在でも様々な芳香剤が開発・販売されている。

飲食においても匂い・香りは重要な要素である。人は口に入れたもの(食品・料理)を咀嚼しつつ、その香りも感じ取っている。人間は、香りの良い食材選びや、香辛料の使用、香りが良くなる調理法の選択などにより、匂いや香りの面でも食生活を充実させようと努力してきた。たとえば菓子などでも、同一の基本材料でつくるもので栄養価的にも、テクスチャー(かみごこち)面でも、何ら変わらないと分かっていても、(そして品種を増やすと、生産コストや輸送コストが増えてしまうことが分かっていても)菓子メーカーは、あえて様々な香り(フレイバー)のものをラインナップとして用意することで、人々の多様なフレイバーに対する需要に応えようとすることが(そして結果として総売上を伸ばすことが)広く行われている。人々は、口に入れるものの栄養価(あるいは空腹感を抑える作用)や かみごこち ばかりだけでなく、香り(フレイバー)も大いに楽しんでいるのである[注 2]

香水や芳香剤、洗濯用の洗剤柔軟剤のように、企業が良いにおいとして開発・販売する製品であっても、嗅ぐ人によっては香りが強過ぎると感じたり、不快な臭いとして心身に影響が出たりすることもある。これを現代の日本では、公害とかけて香害(こうがい)と呼ぶこともある[16]。それを防止するには、芳香剤が多量に入っている柔軟剤などの使用を控えるという方法がある。

くさい臭いの利用や抑制

もともと、人がある種のにおいを悪臭や刺激臭と感じるように進化したのは、腐敗や有害物質などの存在を感じ取るためであり、基本的には悪臭を感知する能力は人の安全の確保に役立っている。

人が悪臭を感知する能力を意図的に利用する製品がある。エタンチオールなどの一部の有機硫黄化合物は低濃度で十分に強い刺激臭を持つ。これを利用して微量のガスが漏れてもすぐわかるようLPG(液化石油ガス)などに付臭剤として添加されることがある。

犯罪捜査においては、人間よりはるかに鋭敏な嗅覚を持つ警察犬を使って、犯人や被害者、遺留品の追跡・捜索を行う。

一般に、くさい臭いは周囲の人を不快にさせる。たとえば次のような臭いである。

  • ワキガ腋臭症)など過度の体臭
  • 運動をしてをかいてから数時間たち、身体表面で雑菌が繁殖して発生させる臭い。
  • 着用してをかき、数時間以上たち雑菌が繁殖した衣服の臭い。
  • 洗濯せず、何度も繰り返し着ている衣服の匂い。
  • 長時間、洗口や歯磨きをせず放置しつづける人の口臭。歯と歯の間に残留した食べ物のカスや歯垢や舌の表面で雑菌が繁殖して発生する臭い。
  • 常習的に喫煙をする人の息の臭い。

それぞれのくさいにおいを抑える方法がある。

  • ワキガについては医師に相談する方法がある。
  • 運動して汗をかいた後に身体が汗臭くなることについては、シャワー入浴などで汗を流し石鹸を使い殺菌することが一般的な方法である。体育館やフィットネスジムなどの多くがシャワールームを備えている。
  • 着用して汗をかいた衣服については洗濯して、汗や皮脂を洗い流すことで悪臭やカビの発生を防ぐことが一般的である。衣類は、一度でも袖を通したら、身体の皮脂や汗が衣服に移るので、基本的には洗濯することが望ましい。ダウンウェアなどは頻繁に洗濯することは難しいが、冬の着用シーズンが終了したらクリーニングに出すなどして表面についた皮脂や汗を落とすことが望ましい。
  • 口臭については、何度も洗口し、念入りに歯磨きをして歯と歯の間に残った食べ物カスや歯垢を落とし、舌用のブラシで舌の表面を洗う、ということを日々繰り返すことで臭いを抑えることができる。殺菌成分が入った洗口液歯磨きペーストも販売されており、それを使うとより効果的である。
  • 犬などのペットの口臭に関しても、ペットショップなどで犬用歯ブラシが販売されているので、日々ブラッシングをして食べ物のカスを落としてやると臭いを抑えることができる。
  • 喫煙者の息の臭いについては、肺にまでタバコの成分が残留して臭っているので、喫煙を控える、禁煙するのが有効で根本的な方法である。

「部屋干し」のにおいの防止法

日本では洗濯物を室内に干す「部屋干し」をした時、部屋干し臭が発生することがある。これは洗濯物が乾燥するまでの長時間、衣類が湿っていることによって雑菌が繁殖し、それによって臭いが発生しているからである[17]

部屋干し臭の防止法

これを防ぐ方法はいくつかある。一つは、部屋干しグッズ等を使用し、[18]できる限り短時間で乾かすという方法である[17]。他にも、雑菌を極力少ない状態にしておくことも大切である[17]。また、「部屋干し専用」の洗剤(抗菌作用のある薬剤が入っているもの)を使う方法、また通常の洗濯洗剤に加えて衣類用漂白剤(漂白剤は滅菌剤や除菌剤としても作用する)を入れる[17]などの方法で、菌の繁殖を最低限にすることが可能である[17]

なお、ヨーロッパでは日本のように「部屋干し」の匂いで悩んでいる人々は少ない。なぜなら、フランスやドイツなどで販売されている洗濯機の多くで洗濯時のお湯の温度を設定する機能がついているものが多く、電気やガスなどできれいな水道水をお湯に温めて設定された温度にしつつ洗濯し、温度としては60℃以上で洗うと洗濯物に潜む雑菌をほぼ全部殺してしまえることがヨーロッパの家庭では常識のように知られており、(洗濯物の状況を判断したり、必要に応じて)そうした温度に設定して洗う習慣がある。そのようにして洗った後は衣服に潜む雑菌が殺菌されているので、たとえ部屋干ししてもあまり変な臭いがせず、爽やかに仕上るようになっている。

くさい臭いを楽しむ遊び等

人は悪臭を避けるだけでなく、わざわざ悪臭を感じて、その悪臭の衝撃を楽しむことがある。意図的に、悪臭を放つ発酵食品などを好んで食べたり[19]、好奇心から悪臭を嗅いでみたりすることもある。後者の例としては、アメリカ合衆国で開催されている「最も臭いスニーカーコンテスト」[20]ロッテン・スニーカー・コンテスト)があるほか、東京の池袋PARCOが2018年1~2月、シュールストレミングのにおいなどを嗅げる「におい展」を開催した[21]スウェーデン南部のマルメでは2018年に期間限定で「不快な食べ物博物館」が開設され、シュールストレミングのほかドリアンなど臭いが強い食品も展示された[22]。なお食品などで、においの強さを示す指標としては「アラバスター単位」(AU)が使われる。

においの計測とデジタル的再現

食品などでにおいの強さを示す指標としては「アラバスター単位」(AU)が使われる。各種の臭気計に加えて、においの種類や強さを可視化するカメラが豊橋技術科学大学浜松ホトニクスによって開発された[23]

遠隔的再現法

また、人間の嗅覚が感じ取れるにおいの構成物質を分析して、「要素臭」の組み合わせや合成をすることにより、バーチャル・リアリティ(VR)やゲームを含む映像や疑似体験と連動させて、においを遠隔地でも再現する技術も実用化されつつある[24][25]

嗅覚ディスプレイ

映像や音と異なり発生や制御が困難とされてきたが、1ミリ秒以下の時間幅でパルス状に匂いを発生させる嗅覚ディスプレイの研究開発が行われている[26]

香りの博物館

香りをテーマとした展示を行う「磐田市香りの博物館」(静岡県)[27]や「大分香りの博物館」(別府市[28]がある。

Museum of the Land of Frankincense英語版 - オマーンにある乳香の博物館。

宗教と香りの利用

ヒンズー教の線香立て
  • 線香 ‐ 日本では、香・花・灯燭・浄水・飲食の五つを五供(ごく)と呼び、お供えに使用する[29]
  • インドのお香英語版
  • ロープ香英語版(ねじり香) - ネパールやチベットで作られたロープ状のお香。
  • スマッジング英語版 ‐ アメリカ先住民はパロサント英語版(スペイン語で聖なる木の意味)などの様々な香木で浄化などの儀式を行う。

脚注

注釈

  1. ^ 例外として「くさいにおい」は「臭いにおい」と書くのが基本だが、「臭い匂い」と書くことはある。読みづらいので「臭い臭い」とは通常書かない。
  2. ^ また、匂いが商品の販売促進の際の重要な訴求点になることもある。例えば、かつてキッコーマン醤油アメリカ合衆国で、(まだ醤油になじみのない)非アジア人に売り込む際には、店頭実演でを焼いて醤油をかけ、その匂いを大いに活用した[15]

出典

  1. ^ a b デジタル大辞泉
  2. ^ 『広辞苑 第5版、p.2018。※『広辞苑』第5版でも第6版でも、視覚的な匂いの方をまず一番目に挙げており、嗅覚的な匂いの説明はその後に配置している。
  3. ^ a b 『広辞苑』第5版、p.2018。※『広辞苑』第5版でも第6版でも、視覚的な匂いの方をまず一番目に挙げており、嗅覚的な匂いの説明はその後に配置している。
  4. ^ 注. 『広辞苑』では嗅覚系の説明は2番目以降である。
  5. ^ 広辞苑第六版「におい」
  6. ^ 『広辞苑』第五版 p.2018 「匂い」
  7. ^ 一例として、「JR中央線で異臭騒ぎ ヒーターにかばん触れる」産経新聞ニュース(2017年12月5日)2019年7月26日閲覧。
  8. ^ a b c d e f 国本浩喜「暮らしの中の匂いと香り」金沢大学サテライト・プラザ「ミニ講演」講演録集、金沢大学大学教育開放センター、2006年8月、NAID 1200008140542022年4月4日閲覧 
  9. ^ a b 青木孝志, 足達義則「ジャスミンの匂いが心拍変動に与える影響(研究発表,第21回生命情報科学シンポジウム)」『国際生命情報科学会誌』第24巻第1号、国際生命情報科学会、2006年、121-125頁、doi:10.18936/islis.24.1_121ISSN 1341-9226NAID 110004848824 
  10. ^ 鈴木隆『匂いのエロティシズム』集英社, 2002、ISBN 4087201295
  11. ^ 鈴木隆『匂いの身体論:体臭と無臭志向』八坂書房, 1998、4896944151
  12. ^ 斎藤勇『面白いほどよくわかる!「女」がわかる心理学』西東社, 2014 p.61
  13. ^ a b c d 斎藤勇『面白いほどよくわかる!「女」がわかる心理学』西東社, 2014 p.118-119
  14. ^ NHKクローズアップ現代「広がる“においビジネス”
  15. ^ デリシャス・オン・ミート!肉によく合うKIKKOMANキッコーマン国際食文化研究センター(2018年2月26日閲覧)
  16. ^ 体臭気にしすぎ!?相次ぐにおいトラブルNHK『クロズアップ現代』(2017年10月25日放映)2018年2月26日閲覧
  17. ^ a b c d e 矢野きくの『省エネで部屋干し洗濯物を早く乾かす方法』株式会社オールアバウト, 2013。「部屋干しをした洗濯物は、そもそもなぜ臭うのか?」の章。google eブックスで確認可能。
  18. ^ 室内干しおすすめグッズ人気比較ランキング15選【部屋干しでもストレスフリー】”. タスクルヒカク | 暮らしのおすすめサービス比較サイト. 2019年12月4日閲覧。
  19. ^ 小泉武夫『くさいはうまい』(文春文庫)には実例が多く紹介されている。
  20. ^ 米国で「最も臭いスニーカー」コンテスト、12歳少年が優勝ロイター(2017年3月29日)2018年6月19日閲覧
  21. ^ 池袋PARCO「におい展」(2018年2月26日閲覧)
  22. ^ 世界中の「不快な食べ物」博物館日刊工業新聞』2018年10月4日4面掲載の時事通信配信記事。
  23. ^ 「香り可視化カメラ開発 豊橋技科大など 特徴をチャート表示」日刊工業新聞』2018年4月19日(大学・産学連携面)2018年10月8日閲覧。
  24. ^ 【きょうの授業】「におい」を再現する 香りの「もと」組み合併せ追求朝日新聞』朝刊2018年7月18日(教育面)2018年10月8日閲覧。
  25. ^ 【NextTech2030】東京工業大学/VR技術、嗅覚も追求 におい成分、組み合わせ工夫『日経産業新聞』2018年12月19日(先端技術面)。
  26. ^ 岡田 謙一「匂いのデジタル制御」 2022年3月28日閲覧
  27. ^ 磐田市香りの博物館(2018年2月26日閲覧)
  28. ^ 大分香りの博物館(2018年2月26日閲覧)
  29. ^ お盆のお供え物の仕方とは?しきたりや基本マナーを解説”. [初盆・お盆の過ごし方] All About (2023年8月3日). 2023年8月27日閲覧。

関連文献

単行本

論文

関連項目

資格、学会など

外部リンク


におい

出典:『Wiktionary』 (2021/10/14 14:19 UTC 版)

語源

古典日本語「にほひ」 < 「にほふ」の連用形 < 「に」(丹) + 「ほ」(秀)

発音

名詞

におい(い)、い、い 歴史的仮名遣い:にほひ】

  1. (古用) 色つや
  2. かおり。くさみ。
  3. 徴候
  4. 余韻

下位語

語義2:

用法

匂い」は主に心地良く感じたり、不快にならないにおいに対して用い、「臭い」は不快なくさみや臭気に対して用いる。[1]

翻訳

参照



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「におい」の例文・使い方・用例・文例

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「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
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