遍照とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 文化 > 和歌 > 歌人 > 遍照の意味・解説 

へんじょう〔ヘンゼウ〕【遍昭/遍照】


へん‐じょう〔‐ゼウ〕【遍照】

読み方:へんじょう

[名](スル)《「へんしょう」とも》あたりくまなく照らすこと。特に、仏の法身(ほっしん)の光明あまねく世界を照らすこと。


遍照

読み方:ヘンジョウ(henjou)

あまねく照らすこと


遍照

読み方:ヘンジョウ(henjou)

初演 天保2.3(江戸中村座)


遍昭

(遍照 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/08 15:42 UTC 版)

僧正遍昭(狩野探幽『三十六歌仙額』)

遍昭(へんじょう、弘仁7年(816年) - 寛平2年1月19日890年2月12日))は、平安時代前期の歌人俗名良岑 宗貞(よしみね の むねさだ)。大納言良岑安世の八男。官位従五位上左近衛少将[1]良少将または花山僧正とも号す。六歌仙および三十六歌仙の一人。

経歴

仁明天皇蔵人から、承和12年(845年従五位下左兵衛佐、承和13年(846年左近衛少将備前介を経て、嘉祥2年(849年)に蔵人頭に任ぜられる。嘉祥3年(850年)正月に従五位上に昇叙されるが、同年3月に寵遇を受けた仁明天皇の崩御により出家する。最終官位は左近衛少将従五位上。

円仁円珍に師事。花山の元慶寺を建立し、貞観11年(869年)紫野の雲林院別当を兼ねた。仁和元年(885年)に僧正となり、花山僧正と呼ばれるようになる。同年12月18日内裏仁寿殿において、光孝天皇主催による遍昭の70歳の賀が行われていることから[2]、光孝天皇との和歌における師弟関係が推定されている。

寛平2年(890年)1月19日卒去享年75。京都市山科区北花山中道町に墓がある。

歌風

遍昭は『古今和歌集仮名序において、紀貫之が「近き世にその名きこえたる人」として名を挙げた六歌仙の一人である。貫之による遍昭の評は以下の通りである。

僧正遍昭は、歌のさまは得たれどもまことすくなし。 (現代語訳:僧正遍昭は、歌の風体や趣向はよろしいが、真情にとぼしい。)

遍昭の歌風は出家前と出家後で変化しており、出家後は紀貫之が評したように物事を知的にとらえ客観的に描き出す歌を多く作ったが、出家前には情感あふれる歌も詠んでいる。特に『百人一首』にもとられている「天つ風雲の通ひ路吹きとぢよ をとめの姿しばしとどめむ」には遍昭の真情が現れているといえよう。 『古今和歌集』(16首)以下の勅撰和歌集に35首入集[3]。家集に『遍照集』があるが、三代集から遍昭作の歌をひいて編集したもので、遍昭の独自性はない。          

  • すゑの露 もとのしづくや 世の中の おくれ先だつ ためしなるらん
  • 天つ風 雲の通ひ路 吹きとぢよ をとめの姿 しばしとどめむ(小倉百人一首 12番)

説話

僧正遍昭

桓武天皇の孫という高貴な生まれであるにもかかわらず、出家して天台宗の僧侶となり僧正の職にまで昇ったこと、また、歌僧の先駆の一人であることなど、遍昭は説話の主人公として恰好の性格を備えた人物であった。在俗時代の色好みの逸話や、出家に際しその意志を妻にも告げなかった話は『大和物語』をはじめ、『今昔物語集』『宝物集』『十訓抄』などに見え、霊験あらたかな僧であった話も『今昔物語集』『続本朝往生伝』に記されている。江戸時代に製作された歌舞伎舞踊『積恋雪関扉』では良岑宗貞の名で登場。

系譜

良岑氏系図


官歴

注記のないものは『続日本後紀』による。

登場作品

脚注

  1. ^ 日本文徳天皇実録』嘉祥3年3月28日条による。『尊卑分脈』では正四位下・左少将、「良峰氏系図」(『続群書類従』所収)では右少将とする。
  2. ^ 『日本三代実録』
  3. ^ 『勅撰作者部類』
  4. ^ 「良峰氏系図」(『続群書類従』巻174 所収)による。子孫を尾張国丹羽郡の良峰氏とする。
  5. ^ a b c 『三十六人歌仙伝』
  6. ^ 『蔵人補任』

関連項目


遍照

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/06 00:54 UTC 版)

六歌仙容彩」の記事における「遍照」の解説

最初幕が開くと塀外の大道具でそこに仕丁たちが並び、話の筋を説明するせりふがあって引っ込むと、大道具引いて御簾の下がる御殿大道具になるが、近年では仕丁たちの出を略し、幕が開くとすぐに御殿大道具で始まる。ここに官女たちが居並びこれもせりふの後、いよいよ六歌仙登場となる。まず最初に出てくるのは遍照である。 遍照は緋の衣九条袈裟という高位僧侶のなりで下手より出て小野小町への恋慕思い訴える。しかし官女たちに遍照は阻まれ御簾上がり小町出てくるが、小町は遍照の思い応えるとがないので、遍照は意気消沈してその場を去る。小町も遍照を見送って官女たちとともに再び御簾中に隠れる。 この「遍照」の地(伴奏)は初演時には大薩摩節であったが、のちに曲を竹本改め上演されており、現行専ら竹本を使うのが例となっている。大薩摩節の曲は長唄曲目中に残る。『六歌仙容彩』については七代目坂東三津五郎が『舞踊芸話』のなかで解説しており、七代目三津五郎は「遍照」のくだりについて「とりたててお話しすることはありません」(『舞踊芸話』、以下引用同じ)としているが、浄瑠璃の「白き赤きと言わざりき」というところで、赤い衣の袖をまくって下の白い着付け見せるのが面白振りだと述べる。現行では「遍照」は本来の内容短く切り詰めて済ませ、遍照が下手に引っ込むと早替りで康秀となって出る。古く下手に几帳立て、その陰に遍照が入って次の文屋」に替わって出た

※この「遍照」の解説は、「六歌仙容彩」の解説の一部です。
「遍照」を含む「六歌仙容彩」の記事については、「六歌仙容彩」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「遍照」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

「遍照」の例文・使い方・用例・文例

  • 遍照尊という仏
Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



遍照と同じ種類の言葉


品詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「遍照」の関連用語

1
遍照尊 Weblio日本語例文用例辞書
100% |||||

2
遍照し 活用形辞書
100% |||||

3
へんじょうし 活用形辞書
100% |||||

4
遍照しろ 活用形辞書
100% |||||

5
遍照せよ 活用形辞書
100% |||||

6
遍照できる 活用形辞書
100% |||||

7
へんじょうしうる 活用形辞書
100% |||||

8
へんじょうして 活用形辞書
100% |||||

9
遍照さす 活用形辞書
100% |||||

10
遍照させる 活用形辞書
100% |||||

遍照のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



遍照のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの遍昭 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの六歌仙容彩 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS