尊卑分脈とは? わかりやすく解説

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そんぴぶんみゃく【尊卑分脈】

読み方:そんぴぶんみゃく

南北朝時代系図洞院公定(とういんきんさだ)ら洞院家人々の編。後人加除訂正のため、異本ごとに巻数配列異なる。源・平・藤・橘など諸氏系図集大成したもの。諸家大系図


尊卑分脈

読み方:ソンピブンミャク(sonpibunmyaku)

中世系譜書。洞院公定編。


尊卑分脈

読み方:ソンピブンミャク(sonpibunmyaku)

分野 系譜

年代 南北朝時代

作者 洞院実煕〔ほか編〕


尊卑分脈

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/22 11:50 UTC 版)

尊卑分脈』(そんぴぶんみゃく、旧字体尊󠄁卑󠄀分󠄁脈󠄂、異体字で『尊卑分脉』とも)は、日本の初期の系図集。現題は『編纂本朝尊卑分脈図』(へんさんほんちょうそんぴぶんみゃくず)[1]改編の題名は『新編纂図本朝尊卑分脈系譜雑類要集』(しんへんさんずほんちょうそんぴぶんみゃくけいふざつるいようしゅう、 旧字体新編󠄁纂圖本朝󠄁尊󠄁卑󠄀分󠄁脈󠄂系譜󠄁雜類󠄀要󠄁集[1]江戸時代版本外題は『諸家大系図』(しょけおおけいず)[1]。単に『大系図』(おおけいず)とも呼ばれる[注釈 1]

概要

南北朝時代後期に成立した[1]洞院公定が原撰し、洞院満季洞院実煕らによって編集され、甘露寺親長三条西実隆中御門宣胤らが改訂増補した[1]。南北朝時代の諸系図の集大成で、南北朝の動乱で社会秩序が破壊されたため、家柄を正そうとする意図で編纂されたと考えられる[1]室町時代以降、広く増補改訂されたため、異本が多く、30巻本・20巻本・14巻本が流布した。

構成は、尊すなわち帝王系図(散逸)と卑すなわち皇別源氏平氏橘氏などの諸氏)と神別藤原氏)の諸系図、諸道系図類(散逸)などから成る[1]。帝王系図や神祇道系図など、一部分は散逸している[1]。皇別は源氏、平氏、橘氏の順、神別藤原氏は北家藤原房前の流)、南家藤原武智麻呂の流)、式家藤原宇合の流)、京家藤原麻呂の流)の順、諸道系図は第一が神祇道、第二が四道(紀伝道明経道明法道算道)、第三が医陰(医道陰陽道)、第四が楽所(舞人・鳳笙龍笛篳篥)などの順とされる[1]。『新訂増補国史大系』によれば、第一編は藤原北家摂関家流のうち嫡流にあたる九条流をはじめ京極流閑院流坊門流中御門流持明院流御子左流花山院流大炊御門流などの諸流を収め、第二編は摂関家から出た小野宮流小一条流、北家の諸流に当たる日野流勧修寺流葉室流など、南家・式家・京家の諸流などを収める。第三編は皇別諸氏のうち嵯峨源氏仁明源氏文徳源氏清和源氏陽成源氏光孝源氏宇多源氏醍醐源氏村上源氏花山源氏三条源氏後三条源氏順徳源氏後嵯峨源氏後深草源氏、亀山源氏、後二条源氏、伏見宮など、第四編は皇別諸氏のうち桓武平氏仁明平氏光孝平氏文徳平氏橘氏菅原氏中臣氏大江氏高階氏和気氏安倍氏紀氏などの系図をそれぞれ収める[1]。なお、第四編所収の系図には略系図が多い[1]

現存する部分は源平藤橘のうち、いずれも長く宮廷社会の中枢にいた藤原の両氏に詳しい。直線で父系を結び、女性は后妃などごく一握りの人を除き「女子」と省略されている。系図に名の見える男性官人には、実名とともに生母・官歴・没年月日享年の注記を含む略伝が付され、貴重である。平安時代および鎌倉時代に関する記載は一級史料として採用される。

ただし、当時の記録や公卿の日記に見える人物の名がなかったり、また逆に実在が疑わしい人物が記載されていたり、年代的におかしい部分もある[注釈 2]等、一部信憑性に欠ける部分もあり、公定死後の部分や加筆された部分に関しては他の史料との整合性や比較批評が必要である。

集成叢書

国史大系』は前田家所蔵本を底本とする。

デジタルアーカイブ

『故実叢書』では宮内省所蔵本を底本とする。

脚注

注釈

  1. ^ 書名の振り仮名国文学研究資料館の「国書データベース」による[2][3]
  2. ^ 例えば源義忠の子・義清の母が刑部卿平忠盛の女(娘)と書かれているが、これは忠盛の父平正盛の娘の誤りとされる。

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k 日本古典文学大辞典編集委員会 編『日本古典文学大辞典』 第4巻、岩波書店、1984年7月20日、69-70頁。doi:10.11501/12450552 
  2. ^ 尊卑分脈 - 国文学研究資料館
  3. ^ 尊卑分脈 - 国文学研究資料館

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