尊厳の複数
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尊厳の複数(そんげんのふくすう、羅: Pluralis Majestatis(プルーラーリス・マーイェスターティス)、英: Royal We/Majestic Plural)は欧州言語で国王などの高位身分にある者が自らを指す場合に代名詞として一人称単数でなく一人称複数を用いることをいう。君主や貴族や高位聖職者などの人々は、個人の立場ではなく国民や領民のリーダーとしての公的な立場で発言する場合、自分のことを一人称複数で話すことがある。また信任状などの外交文書において、君主から他の君主に宛てて書く場合は一人称単数を用いるが、共和国の大統領などに宛てて書く場合は一人称複数を用いることがある。
尊厳の複数は後に二人称にも影響し、欧州言語で複数代名詞を二人称単数の敬称として用いられるようになった。例えば英語のyouは尊厳を込めた二人称複数であったが(二人称単数はThou、二人称複数はye)現在では単複同形となった。フランス語のvousは本来二人称複数だが二人称単数の敬称としても使われる。ドイツ語のsieは三人称複数であったが二人称単数の敬称としても使われる (ただしSieと頭を大文字にすることで区別する) 。
尊厳の複数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/14 05:06 UTC 版)
詳細は「尊厳の複数」を参照 英語を始めとして、ヨーロッパ諸言語では、文法的にはっきりと名詞と区別される代名詞が存在する言語が多い。このため、一人称代名詞が1種類しかない言語も多い。英語のI(主格)はその例である。ただし、主格・所有格・目的格といった具合に活用変化する言語もかなり多い。また、単数代名詞と複数代名詞とで変形する言語も存在する。 ただし、高位の人物の一人称(とその人物に対する二人称)が複数形となる尊厳の複数(royal we)と呼ばれる現象がある。例えば英語のwe、フランス語のnousは本来、一人称複数であるが、君主の一人称単数代名詞としても用いられる。 類似した現象としてeditorial weと呼ばれるものがあり、これは新聞の社説などで執筆者がたとえ一人であっても複数形を用いることを表す。これは全体的な視点を表すために過剰に個人を表現するのを避けるためであるとされる。さらに学術論文などで執筆者が一人のときも複数形を用いることもあり、このときの複数形は執筆者と読者を表すのだと説明されることがある。
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