尊厳作戦の開始
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 23:04 UTC 版)
「ハリファ・ハフタル」の記事における「尊厳作戦の開始」の解説
詳細は「2014年リビア内戦」を参照 2014年2月、ハフタルはテレビに登場し、直前に一方的な任期の延長を決めていた、選挙によって選ばれた議会である国民議会 (GNC)が解散させられたとする声明を発表した。ハフタルは、新たな選挙の実施を監督する選挙管理内閣を設けるべく呼びかけ、リビア国民にまだ任期が切れていなかったGNCに対する反乱を起こすよう促した。しかし結局のところ、ハフタルの訴えは動員できる手段もなく、主張を支持する局地的な支持もなく、民衆の全面蜂起にはつながらなかった。ハフタルの声明は、リビアの首相アリー・ゼイダーンによって、深い不信感をもって取り消された。ハフタルの行動は、「クーデターの試み」であり「奇妙で馬鹿げたもの」と決めつけられた。 ハフタルは、リビア各地で一連のタウンホールミーティングの開催に乗り出し、軍出身の元士官たちの支持を得て、密かに軍事組織を作り始めた。3ヶ月後の5月16日、尊厳作戦 (Operation Dignity) の一環として、ハフタルは、ベンガジのイスラム教支持派の民兵組織に対して、空爆と陸上からの攻撃を組み合わせて攻勢に出たが、他方ではリビア議会に対する重火器を用いた攻撃は差し止めた。ベンガジ攻勢に出た当時、ハフタルは既に、暗殺のターゲットとされており、友人に、自分の行動が引き起こすリスクによる身の安全への脅威は十分に承知している、と述べたという。2014年5月20日、ベンガジ攻勢の4日後、GNCは遂に 、長期にわたり延期されていた全国での選挙を実施すると声明を出し、トリポリを拠点とするGNCが樹立していた当時の臨時立法府に代えて、トブルクに拠点を置く代議院を選出するとした。その選挙は、2014年6月25日に予定された。 5月後半、GNCによって首相の職から追われたアリー・ゼイダーンは、尊厳作戦を承認し、代議員の議員40名もこれに同、海軍や空軍の首脳たち、陸軍の大部分もこれを支持した。2014年6月4日、ベンガジの東方、アバヤールに近いグート・アッ=スルターン (Ghut al-Sultan near Abayar) にあるハフタルの邸宅に自爆テロの車両が突っ込み、4人が死亡、少なくとも3人が負傷した。ハフタルはこの攻撃では、被害を免れた。 リビア東部では、ハフタルの航空および陸上戦力が展開し、広く民衆の支持を得ていた。5月、6月を通して、尊厳作戦を支持するデモ行進が、リビアの各地でおこなわれ、6月25日に実施され代議院選挙(英語版)では、イスラム教的アジェンダに対して世俗主義的姿勢をとる勢力が多数を占めた。一方、5月には尊厳作戦を非難していたにも関わらず、アブドゥッラー・アッ=スィニー(英語版)を首相とする政権は、ハフタルの尊厳作戦についてその後は正式な声明や非難を出すことを控えた。いずれにせよ、新たに選出された代議院は、ハフタルに敵対する勢力を「テロリスト」と決めつけた。 2014年11月24日から翌日にかけて、尊厳作戦に参加する軍勢に加わっている軍用機が、トリポリのミティガ国際空港を攻撃し、空港は一時的に閉鎖され、空港周辺の家屋にも被害が出た。ミティガ空港への攻撃に対し、トリポリの裁判所はハリファ・ハフタルの逮捕令状を出した。
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